操縦桿をいつ戻せばいいのか・・・
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日本経済フライトナビゲーション〜経済が分からない人を全て救います
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〜2009年6月29日〜
日本経済は1億2000万人が乗る「巨大な旅客機」だ。
コクピットには総理大臣という「機長」と、
日銀総裁とういう「副操縦士」が乗り、
経済政策という「操縦桿」を握っている。
日本経済の飛行状況は? 経済指標というフライトデータは?
機内ではどんなトラブルが起こり、どうやって解決すればいいのか・・・。
このメールマガジンは、
「フライトナビゲーション」の形で、日本経済を分かりやすく解説、
GDPって何?と、いまさら聞けない人のためのメールマガジンだ。
メルマガ専用のホームページ http://www.keizai-navi.com/
を参照しながら、このメールマガジンを読んで下さい。
*****休刊のお知らせ*****
本号をもちまして、このメールマガジンは休刊とさせて頂くことと
なりました。これまでのご愛読、誠にありがとうございました。
近い時期に新しい体裁での発行を計画しておりますので、その際に
は是非、お読みいただければと思います。
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1 飛行概況:いつ、操縦桿を戻せばよいのか・・
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コックピットから、「底打ち宣言」が出された日本経済という旅客機。
リーマン・ショックを契機とした猛烈な下降気流による墜落の危機を回
避するために、政府という機長は第4エンジン(政府支出)の出力を、
過去最大の景気対策という形で引き上げた。
一方、日銀という副操縦士は、マネーという燃料を大量に供給するこ
とで、機体の持ち直しを図った。同様の回避行動をアメリカを始めとし
た世界各国も行ったことも手伝って、急降下は止まり、僅かながらも上
昇の兆しを見せ始めているのだ。
しかし、今回の墜落を避けるための様々な緊急行動が、新たな問題を
引き起こす可能性が強まっている。一段と拡大した財政赤字も問題だ
が、それ以上に危険なのが大量に供給されたマネーが引き起こす猛烈な
インフレなのだ。
現在、日本経済という旅客機には膨大な量のマネー、つまり燃料が供
給され続けている。リーマン・ショックを契機とした金融危機によって、
マネーが急速に消失したことに対応するものなのだが、すでに過剰な状
態となり、旅客機全体が燃料タンクのような状態にある。もし、これに
火がつけば、インフレという猛烈な機内温度の上昇が発生、日本経済と
いう旅客機は燃え上がってしまう恐れがあるのだ。
もちろん、第4エンジン(政府支出)の出力をアップするために膨ら
んだ財政赤字も大きな重荷となっている。もし、景気回復の道筋が見え
たら、財政支出を途中で止めるといった措置も必要となっているのだ。
墜落を回避するために、懸命に操縦桿を引いてきたコックピット。そ
の操縦は決して誤りではなかった。しかし、問題はこれから先だ。操縦
桿を戻すタイミングを誤ると、今度はインフレや景気過熱という新たな
危機に追い込まれることになる。いつ、操縦桿を戻すのが・・。早すぎ
ても遅すぎてもいけない微妙で困難な判断を、コックピットは迫られて
いるのである。
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2.最新の飛行データ:第1エンジン(消費)の出力減続く
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@第1エンジン(消費)のデータ
・デパート売上高(5月) 前年同月比−12.3%
→4ヶ月連続の2ケタ減少
・スーパー売上高(5月) 前年同月比−2.0%
→6ヶ月連続の前年実績割れ
第1エンジン(消費)の出力減が続いている。新型インフルエンザの流
行も手伝って、消費者の外出が減少、売上減少に拍車がかかった。
回復の兆しが見えない消費だが、景気底打ちの期待感から、消費者心理
に改善の兆しもある。これ以上の悪化は避けられそうな情勢だ。
@第3エンジン(輸出入)
・貿易統計(5月)
輸出 前年同月比−40.9%
輸入 前年同月比−42.4%
貿易黒字 前年同月比−12.1%
第3エンジン(輸出入)の出力ダウンが続いている。輸出は欧米向けが
引き続き不振だが、減少幅は縮小傾向にある。最悪期は脱したと考えられ
そうだ。
@機内温度のデータ
・消費者物価指数(5月) 前年同月比−1.1%
→3ヶ月連続の下落
機内温度の低下が続いている。5月の消費者物価指数は−1.1%で、
比較可能な1971年以降では最大の落ち込み幅だ。
しかし、これは原油価格が暴騰していた昨年との比較であることも考慮す
る必要がある。すでに原油価格は上昇に転じていて、物価の下落がこれ以上
続くとは考えにくい。
機内温度は再び上昇し、インフレの危険性をはらんでいると考えるべきだ
ろう。
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3 気流の状況〜株式相場&円相場
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@株式相場〜株価回復も1万円台には届かず
株式市場は鈍いながらも底堅い展開で、週末には1万円台を再び視野に入
れる水準となった。日本の景気底打ち期待と、欧米やアジアの株式市場の上
昇が投資家の心理を改善させている。
今週も上昇基調を維持、1万円台に乗せ、さらに足場を固める展開となり
そうだ。
@ドル・円相場〜95円近辺での一進一退
ドル・円相場は95円近辺での展開が続いている。日米共に景気底打ちの
期待があり、「ドル高」と「円高」の要因がぶつかっていることから、大き
く動きにくい状況にある。
日米どちらが先に景気の底打ち、さらには回復の証を見せられるかが、ド
ル・円相場の鍵を握っている。これが鮮明になるまでは現在の水準での一進
一退が続きそうだ。
@長期金利〜1.3台へ下落
長期金利は下落を続けている。先週は一時1.375%と4月2日以来の
水準にまで下落した。景気回復期待と国債の大量発行を嫌って、国債への投
資を控えていた投資家が、ここへ来て資金を戻していることが主な要因とな
っている。
しかし、構造的な長期金利の上昇要因に変わりはない。程なくして1.5
%台に戻し、中長期的にはさらなる上を予想する。
@原油価格〜70ドルを挟んだ取引
前週に70ドル台を割り込んだ原油価格だが、下げ幅は限定的で70ドル
を挟んだ一進一退となっている。
アメリカを始めとした世界経済の回復期待が根強いだけに、今週は再び上
昇基調を強めることになるだろう。
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発行者 玉手義朗
東京銀行(現東京三菱UFJ銀行)や外資系銀行で
外国為替ディーラーとして経験を積む。
その後、TBSへ転職、経済部などを経て、
「JNNニューズバード」の経済担当デスクとして、
CS放送にも出演。
著書:「円相場の内幕」(集英社)
:「経済入門」(共著:ダイヤモンド社)。
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