2009/06/22
コックピットが「底打ち宣言」
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 日本経済フライトナビゲーション〜経済が分からない人を全て救います ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 〜2009年6月22日〜 日本経済は1億2000万人が乗る「巨大な旅客機」だ。 コクピットには総理大臣という「機長」と、 日銀総裁とういう「副操縦士」が乗り、 経済政策という「操縦桿」を握っている。 日本経済の飛行状況は? 経済指標というフライトデータは? 機内ではどんなトラブルが起こり、どうやって解決すればいいのか・・・。 このメールマガジンは、 「フライトナビゲーション」の形で、日本経済を分かりやすく解説、 GDPって何?と、いまさら聞けない人のためのメールマガジンだ。 メルマガ専用のホームページ http://www.keizai-navi.com/ を参照しながら、このメールマガジンを読んで下さい。 ****************************** 1 飛行概況:コックピットからの「底打ち宣言」 ****************************** 日本経済という旅客機のコックピットから、「底打ち宣言」が出された。 機長席からの飛行状況報告である6月の「月例経済報告」は、景気の基 調判断を2カ月連続で上方修正、「一部に持ち直しの動きがみられる」と して、7カ月ぶりに「悪化」の表現を削除した。与謝野馨財務・金融・経 済財政相も、「景気は底を打ったと強く推定できる」と強調、主要先進国 の中では最も早い「景気底打ち宣言」を行った。 景気が底を打ったという判断は、主に生産の持ち直しを見てのことだ。 企業の生産活動を示す鉱工業生産指数(4月)は前月比5.9%増と56 年ぶりの高い伸び率を記録した。個人消費も自動車販売がエコカー減税の 効果などで増加に転じていて、輸出の回復も期待できる状況となっている。 また、内需の柱である個人消費もエコカー減税の効果などで4月以降は自 動車の新車販売台数が前月比で増加に転じており「一部に下げ止まりの兆 し」として2年ぶりに上方修正。輸入と倒産件数も判断を引き上げた。 「輸出、生産は明らかに1〜3月が底だった」と指摘した与謝野大臣だ が、隣に座る副操縦士の日銀も同じ認識だ。日銀の飛行状況報告である 「金融経済月報」でも、輸出と生産の先行きについて、5月の「下げ止ま りから持ち直しに転じていく」から「持ち直しを続ける」に判断を上方修 正、景気の現状判断を「大幅に悪化した後、下げ止まりつつある」として 2カ月連続で上方修正した。 データの上ではリーマン・ショック後のような危機感は感じられない。 しかし、危機対応に伴って発生した莫大な財政負担をどう処理するかなど、 多くの問題が残されている。さらに、景気はあくまで「底打ち」であり、 「回復」にはほど遠い状況だ。楽観できる状況にはないことを十分に認識 しておく必要があるだろう。 ******************************** 2.最新の飛行データ:第2エンジン(設備投資)の出力減にも歯止め ******************************** @第2エンジン(設備投資)のデータ ・工作機械受注(5月) 前年同月比マイナス79.2% →過去最低水準も下げ幅は2ヶ月連続の縮小 設備投資の状況を示すデータの一つである工作機械受注だが、過去最低 の水準ながらも、中国向けが4%の伸びを示すなど、下げ幅は2カ月連続 で縮小した。 日本工作機械工業会の中村会長は、「(受注低迷という)長いトンネル にいることに変わりはないが、底割れ懸念の心配はなくなった」と述べた。 急激な出力低下となっていた第2エンジン(設備投資)だが、とりあえず これ以上の低下は避けられそうな状況となっている。 ***************************** 3 気流の状況〜株式相場&円相場 ***************************** @株式相場〜1万円台を維持できず 上昇気流が続いていた株式市場だが、先週はその上昇も一服という状況と なった。 しかし、大きな株価上昇の流れに変化はない。景気の「底入れ宣言」など と相まって、市場には明るさが広がっている。今週は1万円台を早々に回復 し、さらに高値を目指す展開となるだろう。 @ドル・円相場〜ドル不安が再燃 ドル・円相場は、ドルが弱含みの展開となっている。FRBが長期国債の 買い取り額を増額するとの思惑が、FRBの財務内容の悪化というドルの不 安材料となっている。 しかし、こうした不安は一時的であり、アメリカ経済の当面の回復は確実 な情勢だ。ドル・円相場は95円をドルの底値に、狭いレンジでの取引が続 くと予想される。 @長期金利〜1.4台へ下落 景気回復期待と国債の大量発行を材料に上昇を続けていた長期金利だが、 先週は一転して下落した。これまでの急ピッチな上昇の調整局面と考えられる。 景気の底打ち宣言や国際大量発行などを勘案すれば、長期金利がさらに下落 するとは考えにくい。今週は再び1.5%台に乗せ、さらに中長期的にも上昇 して行くと予想したい。 @原油価格〜急速な上げへの警戒感で70ドル割れ 原油価格は69ドル55セントと70ドルを割り込んで取引を終えた。投機 資金の復活やアメリカの景気回復期待などを背景に急ピッチで上昇してきたこ との反動が出た形だ。 しかし、これ以上の下落は考えにくい。原油価格は幾分ペースを落としなが らも、80ドル台を目指す展開となるだろう。 ****************************** 発行者 玉手義朗 東京銀行(現東京三菱UFJ銀行)や外資系銀行で 外国為替ディーラーとして経験を積む。 その後、TBSへ転職、経済部などを経て、 「JNNニューズバード」の経済担当デスクとして、 CS放送にも出演。 著書:「円相場の内幕」(集英社) :「経済入門」(共著:ダイヤモンド社)。 ******************************



