2009/05/25
戦後最悪の「急降下」だが、回復期待も・・
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 日本経済フライトナビゲーション〜経済が分からない人を全て救います ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ **配信遅延のお詫び** メルマガ発信の設定ミスで、配信が遅れました。お詫び申し上げます。 〜2009年5月25日〜 日本経済は1億2000万人が乗る「巨大な旅客機」だ。 コクピットには総理大臣という「機長」と、 日銀総裁とういう「副操縦士」が乗り、 経済政策という「操縦桿」を握っている。 日本経済の飛行状況は? 経済指標というフライトデータは? 機内ではどんなトラブルが起こり、どうやって解決すればいいのか・・・。 このメールマガジンは、 「フライトナビゲーション」の形で、日本経済を分かりやすく解説、 GDPって何?と、いまさら聞けない人のためのメールマガジンだ。 メルマガ専用のホームページ http://www.keizai-navi.com/ を参照しながら、このメールマガジンを読んで下さい。 ****************************** 1 飛行概況:戦後最悪の「急降下」だが、回復の期待も・・ ****************************** 日本経済という旅客機の高度を示す1〜3月期のGDPが発表された。 実質成長率は前期比−4.0%、年率換算で−15.2%となった。 4期連続のマイナス成長で、落ち込み幅は第1次オイルショック時の −13.1%を上回って戦後最大、日本経済という旅客機が急降下してい ることが確認された形だ。 第1エンジン(消費)、第2エンジン(設備投資)、第3エンジン (輸出入)のいずれも大きく出力がダウン、第4エンジン(政府支出)だ けがかろうじて出力を維持している状態。これでは、高度が下がるのは当 然だ。 しかし、先行きに関しては回復期待が出てきている。副操縦士で ある日銀の白川総裁は、景気の先行きについて「悪化のテンポが徐々に和 らぎ、次第に下げ止まっていく可能性が高い」と語った。これ以上の機体 の降下は避けられるのではないかというのだ。 同様の見方はアメリカでも出ている。FRBのバーナンキ議長も、22 日のスピーチで、根本的な強さを持つ米経済では不況は長続きせず、「景 気は今後回復し、人々のムードも明るくなってゆく」と語った。 世界同時不況の震源地であるアメリカ経済が底打ちすれば、過去最大の 景気対策と合わせて、日本経済も回復のきっかけを掴むことができる。急 降下する機体を立て直すことができるのか、正念場を迎えている。 ***************************** 2 最新の飛行データ:第1〜3エンジン全てが出力ダウン ***************************** @1〜3月期のGDP速報で見る飛行データ ・GDP成長率(1〜3月期) 前期比−4.0%(年率換算15.2%) →4四半期連続の悪化 悪化幅は戦後最大 ・第1エンジン(消費) 前期比− 1.1% ・第2エンジン(設備投資) 前期比−11.1% ・第3エンジン(輸出入) 輸出 前期比−26.0% 輸入 前期比−15.0% ・第4エンジン(政府支出) 前期比+ 0.2% 極めて深刻なデータが並んでいる。最大の出力を占める第1エンジン (消費)は1.1%ダウンし、これがGDP全体を0.6%引き下げた。 また、第2エンジン設備投資は戦後最悪の減少幅で、これがGDP全体を 1.6%引き下げている。そして、今回の急降下の最大の要因が第3エン ジン(輸出入)の中の輸出で、26%の減少幅は戦後最大、これがGDP 全体を4.2%も引き下げてしまった。輸入も大きく減少し、GDP全体 を2.7%引き上げているものの、焼け石に水といった状態だ。 今後のポイントはやはり輸出となる。ここに回復の兆しが見えれば、設 備投資も回復させることが可能となる。景気対策の効果で多少なりとも増 加の期待がある消費も加われば、何とか下げ止まり、あるいは若干の景気 回復も可能となる。夏場にかけての輸出の動きを注目したい。 ***************************** 3 気流の状況〜株式相場&円相場 ***************************** @株式相場〜一進一退の展開続く 株式市場には大きな動きが見られない。一時9000円台を割り込む場 面もあったが、NY株式市場が持ちこたえていることから、大きく崩れる 事態は回避している。 アメリカの景気回復期待がNYの株高を生み、これが東京株式市場を押 し上げるという構図が続いているが、その力はまだ弱い。当面は9000 円を底値に、少しずつ上値を探るという展開が続きそうだ。 @ドル・円相場〜ドル下落が続く ドル・円相場はドル安基調が続き、一時93円台を付ける展開となった。 しかし、ドル安は対欧州通貨ではさらに進んでいて、対円での下落幅は相 対的に小さくなっている。 ドル安の背景には、アメリカの財政赤字拡大に伴う米国債の格下げ懸念 がある。しかし、一方では景気回復期待も強く、株式市場はこちらを材料 として上昇基調となっている。 現在は「ドル安」要因で動いているドル・円相場だが、これ以上の円高 は考えにくい。92〜96円のレンジでの展開が続きそうだ。 @長期金利〜1.4%台での一進一退 長期金利は、依然として1.4%台での展開が続いている。 しかし、60ドル台に乗せてきた原油価格を考慮すれば、国債の増発と 相まって上昇圧力が高まっていることは事実。今後はじりじりと上昇する 可能性が高いと考えられるだろう。 @原油価格〜60ドル台へ上昇 原油価格は着実な上昇を見せている。米国債の格下げ懸念などを背景に 資金が流入、景気回復期待とも相まって原油価格を押し上げている。 原油価格の上昇は同時に、金融危機で縮小していた投機マネーの復活を も意味する。原油価格の動向はアメリカの金融システム全体の回復度を示 すバロメーターでもあるだけに、注目して行きたい。 ****************************** 発行者 玉手義朗 東京銀行(現東京三菱UFJ銀行)や外資系銀行で 外国為替ディーラーとして経験を積む。 その後、TBSへ転職、経済部などを経て、 「JNNニューズバード」の経済担当デスクとして、 CS放送にも出演。 著書:「円相場の内幕」(集英社) :「経済入門」(共著:ダイヤモンド社)。 ******************************



