2009/05/11
急降下続くも、高度回復の期待も・・・
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 日本経済フライトナビゲーション〜経済が分からない人を全て救います ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 〜2009年5月11日〜 日本経済は1億2000万人が乗る「巨大な旅客機」だ。 コクピットには総理大臣という「機長」と、 日銀総裁とういう「副操縦士」が乗り、 経済政策という「操縦桿」を握っている。 日本経済の飛行状況は? 経済指標というフライトデータは? 機内ではどんなトラブルが起こり、どうやって解決すればいいのか・・・。 このメールマガジンは、 「フライトナビゲーション」の形で、日本経済を分かりやすく解説、 GDPって何?と、いまさら聞けない人のためのメールマガジンだ。 メルマガ専用のホームページ http://www.keizai-navi.com/ を参照しながら、このメールマガジンを読んで下さい。 ****************************** 1 飛行概況:急降下は続いているが・・・ ****************************** 日本経済という旅客機は、依然として急降下を続けている。 高度に相当するGDPだが、20日に発表される1〜3月期の成長率は、 民間シンクタンク11社が出した予測の平均値が前期比−4.2%、年 率換算で15.8%となった。この通りの結果となれば、1974年1 〜3月期の13.1%を上回り、戦後最悪のマイナス成長となる。 第3エンジン(輸出入)が、輸出の減少で大幅な出力ダウンとなり、 これに伴って、第2エンジン(設備投資)も2割を超える出力ダウンが 予想されている。第1エンジン(消費)も減少が確実で、第4エンジン (政府支出)で何とか落ち込み幅を抑えようとしているのが実情だ。 しかし、これに続く4〜6月期については、明るい見通しがでている。 日本経済新聞社が行った民間エコノミスト20人への調査によると、 4〜6月期の経済成長率の予測値は+1.4%となった。アメリカの景 気底打ちや中国の需要拡大などによって外需が回復、在庫調整が進んだ ことから国内の生産活動も活発化するというのだ。 鍵を握るのはアメリカ経済だろう。FRBのバーナンキ議長も、今年 後半の景気回復を予測するなど、アメリカ経済は当面の底を打ったとの 見方が急速に広がっている。これがNY株式市場の大幅な上昇ももたら している。 急降下を続ける中で、機体上昇の可能性が指摘され始めた日本経済と いう旅客機。楽観は禁物だが、悲観論一色だった状況からは変化を見せ 始めているようだ。 ***************************** 2 最新の飛行データ:機内温度が急速に低下 ***************************** @機体全体のデータ ・鉱工業生産指数(3月) 70.6 前月比+1.6% →6ヶ月ぶりの上昇 生産活動に明るさが見え始めた。鉱工業生産指数は昨年9月以来、6 ヶ月ぶりにプラスに転じた。在庫調整が進んだことから、電子部品や一 般機械の生産が拡大している。 経済産業省は局面が変わってきているとして、生産活動の基調判断を 「急速に低下している」から「停滞している」に上方修正した。 しかし、水準そのものは依然として低水準で、前年比でみると34. 2%も低くなっている。最悪期はとりあえず脱した可能性が高いが、楽 観できる状態にはない。 @第1エンジン(消費)のデータ ・消費支出(3月) 前年同月比−0.4% →13ヶ月連続の減少 消費は相変わらず低迷している。消費支出は値下げ効果のあった薄型 テレビやパソコンが伸びたものの、全体としての水準は低いままだ。定 額給付金も、支給が進まないことからその効果も見られない。 しかし、生産活動と同じように、先行き不安が幾分緩和されているこ とも事実。夏のボーナス期にかけて持ち直す可能性も出始めていて、今 後の動向には注目したい。 @機内温度のデータ ・消費者物価指数(3月) 100.7 前年同月比−0.1% →1年半ぶりの下落 機内温度が下がっている。昨年の夏にガソリン価格の高騰などで2% 台の上昇を見せいていた消費者物価指数だが、下落の基調が顕著となっ てきた。ガソリンやパソコンの価格が下落、食品の値上がりも止まって いる。 デフレ懸念が強まっているが、一方で原油価格が反発するなど、状況 に変化も見える。アメリカ経済の状況によっては、一転してインフレ懸 念が広がる可能性もあり、十分な注意が必要だ。 ***************************** 3 気流の状況〜株式相場&円相場 ***************************** @株式相場〜上昇気流が本格化 株式市場が9000円の壁を突破し、上昇気流が一気に強まった。N Y株式市場が急速に回復していることが主な要因だ。 企業業績も足下こそ悪いものの、先行きに明るさが見え始めたことも 株価を支えている。 次の目標は1万円台となる。9000円以上に厚い壁になるとの見方 が一般的だが、今の上昇力があれば意外にスムースに抜ける可能性があ る。株式市場の上昇気流は今しばらく継続すると予想したい。 @ドル・円相場〜ドルが反発、再び100円台を目指す展開へ ドル・円相場は再びドルの上昇基調となっている。アメリカ経済の底 打ち期待が広がり、これがドル買いを誘っているのだ。日本は相対的に 景気回復が遅れていると考えられていることが、ドルをさらにサポート する要因となっている。 日本経済にとってはありがたいドル高・円安。株式市場同様に、気流 の状況は改善を見せているといえよう。 @長期金利〜上昇の可能性高まる 1.4%台での展開が続いている長期金利だが、国債の増発による上 昇圧力は依然として強い。これに加えて、景気回復期待が出始めたこと から、これも長期金利を押し上げる要因となる。 1.5%台へ向けて長期金利はじりじりと上昇して行く可能性が強く、 こちらは日本経済にとっては向かい風となりそうだ。 @原油価格〜上昇基調強まる 原油価格は本格的な上昇トレンドに入った。アメリカの景気回復期待を 背景に資金が流入、60ドル台を視野に入れる展開となっている。 ここしばらくは上昇が続く、70ドル程度まで上昇する可能性がある。 これが、場合によってはデフレ懸念からインフレ懸念へと経済を再び揺 り戻すことも考えられる。最大限の注意を払いたい。 ****************************** 発行者 玉手義朗 東京銀行(現東京三菱UFJ銀行)や外資系銀行で 外国為替ディーラーとして経験を積む。 その後、TBSへ転職、経済部などを経て、 「JNNニューズバード」の経済担当デスクとして、 CS放送にも出演。 著書:「円相場の内幕」(集英社) :「経済入門」(共著:ダイヤモンド社)。 ******************************


