2009/03/16
高度上昇のための追加策を検討へ
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 日本経済フライトナビゲーション〜経済が分からない人を全て救います ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 〜2009年3月16日〜 日本経済は1億2000万人が乗る「巨大な旅客機」だ。 コクピットには総理大臣という「機長」と、 日銀総裁とういう「副操縦士」が乗り、 経済政策という「操縦桿」を握あっている。 日本経済の飛行状況は? 経済指標というフライトデータは? 機内ではどんなトラブルが起こり、どうやって解決すればいいのか・・・。 このメールマガジンは、 「フライトナビゲーション」の形で、日本経済を分かりやすく解説、 GDPって何?と、いまさら聞けない人のためのメールマガジンだ。 メルマガ専用のホームページ http://www.keizai-navi.com/ を参照しながら、このメールマガジンを読んで下さい。 ****************************** 1 飛行概況:高度上昇のための追加策を検討へ ****************************** 高度を下げ続ける日本経済という旅客機。08年度の第2次補正予算と、 09年度の本予算で当面の機体引き上げ策は出尽くした。しかし、その 効果は疑問視されていて、現在の経済危機を乗り切るには不十分だ。 そこで麻生機長は追加の経済対策の検討に入った。事業規模は20兆円 程度で、複数年度に渡る長期的な展望に立ったものにしたいという。 機体を何とか引き上げようという試みは、世界各国で行われている。 週末に行われた、日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)財 務相・中央銀行総裁会議でも、世界同時不況から脱出するため、財政・ 金融政策を総動員して難局を乗り切るとの認識で一致した。 各国のコックピットでは、機体を引き上げるための懸命の操縦が続い ている。日本も同じだがその対応は鈍く、規模も小さいといわざるを得 ない。今回の経済危機が発生した段階で、最も影響が小さく、真っ先に 不況を脱出できると公言してきた日本経済という旅客機のコックピット。 このままでは、各国が景気回復しても、1人取り残されて墜落・・。こ んな事態が懸念される状況になっているのだ。 ***************************** 2 最新の飛行データ:飛行データの悪化続く ***************************** @機体全体のデータ ・景気動向指数(1月) 先行指数 77.1 前月比−2.3 一致指数 89.6 前月比−2.6 遅行指数 92.1 前月比−1.2 景気動向指数は日本経済という旅客機の旅客機の機首、中央部、尾翼に 取り付けられたセンサーが、それぞれ機体の飛行状況を示すものだ。 中でも最も重要視されている一致指数だが、1月は6ヶ月連続の低下 となり、6年1ヶ月ぶりの水準に落ち込んだ。輸出の不振に伴って生産 活動関連のデータが大きく落ち込んでいる。一方、先行指数はさらに水 準を下げ、遅行指数も後を追うように低下している。 日本経済という旅客機が、機首を大きく下げ、中央部、そして尾翼部分 も下を向くという急降下の状態にあることを、景気動向指数は改めて示 しているのである。 @第2エンジン(設備投資)のデータ ・機械受注(1月:船舶電力除く民需) 前月比−3.2% →初めての4ヶ月連続の減少 受注額は87年5月以来の低水準 第2エンジン(設備投資)の出力ダウンが一段と大きくなっている。 深刻な景気後退が続く中、企業は設備投資に極めて慎重になっている状 況が改めて浮き彫りになっている。 減少幅は鉄鋼が75.0%、自動車が36.2%、一般機械が28.9 %と、製造業の落ち込みがとりわけ深刻だ。 生産活動の激減が続く中、第2エンジン(設備投資)の出力回復は期 待できず、日本経済という旅客機はさらに高度を下げることが確実な情 勢となっている。 @機内温度のデータ ・企業物価指数(1月) 前年同月比−1.1% →03年6月以来、5年8ヶ月ぶりの大幅下落 日本経済という旅客機の天井付近の温度を示す企業物価指数だが、急 激に低下している。景気悪化による需要の減少が大きく影響している。 これに伴って、客席付近の温度である消費者物価指数も低下すること が確実な情勢だ。機内温度が零下になる「デフレ」に再突入するのは時 間の問題といえそうだ。 ***************************** 3 気流の状況〜株式相場&円相場 ***************************** @株式相場〜週後半に上昇気流へ 東京株式市場は前週に続いて強い下降気流でスタート、月曜日にバブ ル後の最安値を更新した。一方、NY株式市場も97年4月以来、およ そ12年ぶりの安値に沈み、これを受けた東京株式市場では悲観論が一 段と強まり、ついに82年10月以来、26年6ヶ月ぶりの安値となっ た。 この下降気流に変化が生じたのは、火曜日のNY株式市場からだった。 金融不安が緩和したとの見方が広がりダウ平均株価は379ドルと急上 昇、これを受けた翌日の東京株式市場も321 円高となり、上昇気流へ と変わった。 しかし、楽観はもちろんできない。今回の反発はあくまでこれまでの急激 な下げの局面調整に過ぎない。株式市場は引き続き強い下降気流に晒され ているのである。 @ドル・円相場〜一進一退 ドル・円相場は97〜98円の水準で一進一退が続いた。日本もアメリ カも同様に厳しい経済状況におかれていることから、「円安」と「ドル安」 の要因が拮抗している。 当面はこの水準での取引が続きそうだ。 @長期金利〜1.3%台へ上昇 長期金利は1.3%台へ上昇した。景気対策に伴う国債の大量発行が予想 されることが、長期金利を押し上げている。 しかし、デフレ突入が現実味を帯びる中、これ以上の上昇も考えにくい。 当面は1.3%をはさんでの一進一退が続きそうだ。 @原油価格〜40ドル台後半で一進一退 原油価格は40ドル台後半を中心に一進一退が続いている。アメリカの景 気見通しが好転すれば上昇、悪化すれば下落するという展開だ。 しかし、アメリカの景気に明るい材料は見あたらず、原油価格が大きく上 昇する可能性は小さい。日本経済という旅客機にとっては、原油価格が急 上昇して、下降気流に晒される危険は小さいと考えられる。 ****************************** 発行者 玉手義朗 東京銀行(現東京三菱UFJ銀行)や外資系銀行で 外国為替ディーラーとして経験を積む。 その後、TBSへ転職、経済部などを経て、 「JNNニューズバード」の経済担当デスクとして、 CS放送にも出演。 著書:「円相場の内幕」(集英社) :「経済入門」(共著:ダイヤモンド社)。 ******************************



