2009/03/02
飛行プランは確定したが・・・
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 日本経済フライトナビゲーション〜経済が分からない人を全て救います ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 〜2009年3月2日〜 日本経済は1億2000万人が乗る「巨大な旅客機」だ。 コクピットには総理大臣という「機長」と、 日銀総裁とういう「副操縦士」が乗り、 経済政策という「操縦桿」を握あっている。 日本経済の飛行状況は? 経済指標というフライトデータは? 機内ではどんなトラブルが起こり、どうやって解決すればいいのか・・・。 このメールマガジンは、 「フライトナビゲーション」の形で、日本経済を分かりやすく解説、 GDPって何?と、いまさら聞けない人のためのメールマガジンだ。 メルマガ専用のホームページ http://www.keizai-navi.com/ を参照しながら、このメールマガジンを読んで下さい。 ****************************** 1 飛行概況:来年度の飛行プランは固まったが・・ ****************************** 日本系経済という旅客機の、来年度の飛行プランが事実上確定した。20 09年度予算案が衆議院を通過、野党が多数を占める参議院では否決が予 想されるが、最終的には衆議院の議決が優先されることから、年度内の成 立が確定したのである。 総額5000億円規模の雇用対策費などを含めた一般歳出は51兆円73 10億円、一般会計予算は88兆5480億円といずれも過去最大規模だ。 これによって、急降下を続けている日本経済という旅客機を立て直そうと いうのだが、期待通りの効果を発揮できるかどうかは疑問だ。 こうしたことから、すでに政府内では追加の景気対策を準備する動きも出 ているが、同時に「麻生機長下ろし」の動きも表面化している。ブレ続け るその発言に、「麻生ではダメだ!」という声が、野党のみならず与党の 中からも公然と上がり始めているのだ。 飛行プランが固まっても、飛行が安定する気配すら見えない日本経済とい う旅客機。危機的状況は、一層深まっている。 ***************************** 2 最新の飛行データ:第3エンジン(輸出入)の逆噴射続く ***************************** @機体全体のデータ ・鉱工業生産指数(1月) 前月比−10.0% →過去最大の落ち込み 日本経済の全体的な生産状況を示す鉱工業生産指数は過去最大の落ち込 みを記録した。1984年4月以来、24年9ヶ月ぶりの低水準となって いる。 唯一の明るい材料は、在庫が減少していること。これが進めば生産活動 は持ち直す可能性もあるが、大きな期待はできない。 @第1エンジン(消費)のデータ ・消費支出(1月) 前年同月比−5.9% →11ヶ月連続の減少 消費者の心理が一段と落ち込んでいる。食費や交際費、さらに1月はお 年玉を含んだ「交際費」が9.2%の大幅減少となっている。 それでも、第2エンジン(設備投資)や、逆噴射状態になっている第3 エンジン(輸出入)に比べれば、減少幅は小さい。内需拡大による景気回 復を進めるためにも、何とか出力を取り戻したいところだが、状況は極め て厳しいといわざるを得ない。 @第3エンジン(輸出入) ・貿易収支(1月) 輸出 前年同月比−45.7% 輸入 前年同月比−31.7% 貿易赤字 9526億円 第3エンジン(輸出入)は、4ヶ月連続の赤字、つまり逆噴射状態とな っている。赤字額は統計がさかのぼれる1979年以降では最大だ。アメ リカ向けの自動車が52.9%と半減するなど、総崩れの状態だ。 これまで日本経済を牽引してきた第3エンジン(輸出入)が、貿易赤字 という逆噴射になっている。高度が下がるのは当たり前だ。 @空席待ち(失業)のテータ ・完全失業率(1月) 4.1% (前月比+0.2%) ・有効求人倍率(1月) 0.67倍 (前月比−0.06) 完全失業率は日本経済という旅客機に乗りたくても乗れない人の割合、 有効求人倍率は空席待ち1人に対して、空席が何席あるかを示すものだ。 完全失業率、有効求人倍率ともに悪化の度合いを深めている。1月は休職 者数が6.1%増える一方で、求人数は3.6%減少、状況は一段と悪化 している。 極めて深刻な雇用情勢だが、生産回復のメドは立っていない。飛行機に 乗りたくても乗れない人が、ハローワークという空港待合室に溢れている のが現実なのである。 ***************************** 3 気流の状況〜株式相場&円相場 ***************************** @株式相場〜バブル後最安値を更新 株式市場は先週火曜日、7162円90銭と、昨年10月27日に付け たバブル崩壊後の最安値を終値ベースで更新した。 底値の見えない株価下落に、コックピットからは株式市場への直接介入を 模索する動きが出始めた。 政府が株式を直接購入する株価維持策(PKO)だ。政府が強引に上昇気 流を作ろうというわけだが、実現には大きなハードルがある。 根本的な株価対策は、景気を回復させること。しかし、その見込みは全く 立っていない。株式市場の下降気流は、強まることはあっても、弱くなる ことは、ほとんど期待できないのが現状だ。 @ドル・円相場〜98円台まで円安加速 ドル・円相場は、大きくドル高・円安に振れ続け、一時98円台を付け た。日本経済に対する不信感が続き、円売りを誘っている。 しかし、アメリカ経済も同じように厳しい状況にあり、「ドル高」の要 因は見られない。ダメな者同士の戦いが続いているのが外国為替市場なの だ。 こうしたことから、100円を超えてのドル高・円安は考えにくく、この 水準が当面のドルの天井と言えるだろう。 @長期金利〜1.2%での一進一退 長期金利は1.2%台での一進一退となり、大きな動きは見せない。原油 価格の上昇が気になるが、50ドルを超えて上昇基調に乗らない限り、長 期金利の上昇につながることはないだろう。 1. 2%台での推移がまだまだ続きそうだ。 @原油価格〜40ドル台半ばへ急上昇 30ドル台での一進一退が続いていた原油価格だが、その中心点が上昇、 40ドル台半ばでの展開となっている。 供給が絞られる一方で、需要が回復するとの見通しが広がっている。し かし、需要の本格的な回復は考えにくく、50ドルを超えての原油価格上 昇はないだろう。 ****************************** 発行者 玉手義朗 東京銀行(現東京三菱UFJ銀行)や外資系銀行で 外国為替ディーラーとして経験を積む。 その後、TBSへ転職、経済部などを経て、 「JNNニューズバード」の経済担当デスクとして、 CS放送にも出演。 著書:「円相場の内幕」(集英社) :「経済入門」(共著:ダイヤモンド社)。 ******************************


