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  • 周期 週刊
  • 最新号 2008/08/31
  • 発行部数 184
  • マガジンID 0000234718
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2008/08/31

インスリン産生細胞に分化させることに成功

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I型糖尿病患者はインスリンの分泌ができないため、インスリン注射をする必要があるのだが、その時期の調節が難しく、一歩間違うと低血糖で死に至ることもある。

私の知人も糖尿病でインスリンを自分で打っているが、ときどきぼーっとしていることがあった。

iPS細胞等を使ってランゲルハンス島のベータ細胞を作ればインスリンを分泌しそうなものだが、実はそんなに話は簡単ではない。

実際には、ベータ細胞はインスリンを作っているが、ランゲルハンス島を形成し、インスリンを蓄積し、血糖の状態に応じて一気に分泌する必要があるためだ。

つまり、血糖値に応じてベータ細胞がインスリンを合成して分泌していたのでは間に合わない。
予めランゲルハンス島の中に大量のインスリンを蓄積しておいて、必要時に放出する仕組みとなっている。

そのため、ベータ細胞ができたとしても、その後のランゲルハンス島の構造まで行かないと実際には血糖に対する応答ができない。

その解決方法が米Novocell社(カリフォルニア州サンディエゴ)の研究者らによってもたらされた。

ヒト胚性幹細胞(ES細胞)をグルコース反応性のインスリン産生細胞に分化させることに成功したのだ。

Emmanuel Baetge氏らは過去の研究で、ヒトES細胞網を成熟したβ細胞に分化させる部分的な方向付けに成功していた。
しかし、血糖に反応してインスリンを分泌させるというβ細胞の主機能の実現には至らなかった。
これは上述のように、ランゲルハンス島の形成まで行かなかったためと思われる。

今回は、ヒトES細胞から作製した未成熟なβ細胞を用い、あらかじめ化学的処置によってβ細胞を破壊させたマウスに移植した。
つまり、ベータ細胞を生体内でランゲルハンス島にまで持っていたと思われる。
ある意味当たり前、十分予想される結果ではある。
1-3カ月後、移植されたβ細胞は、グルコース反応性を有するインスリン産生細胞に発達しており、血糖値の調整機能を果たしていた。

ヒトにおいて、膵β細胞を含む膵島移植によって糖尿病管理が可能なことはすでに確認され、日本でも京大等で成功している。
これは他人のランゲルハンス島の細胞をばらばらにして点滴で肝臓等に注入してランゲルハンス島を作らせるやり方である。

しかし、ドナーの膵臓から細胞を摘出する膵島移植は供給源が限られる。
そこで、今回のヒトES細胞から作られれば、多くの人の命を救うことができると言われている。

とはいえ、糖尿病患者の98%はII型糖尿病患者なので、本当に重要なのは、こちらの治療と思われる。
II型糖尿病は受容体の変異と考えられており、インスリン自体は分泌されているが、血糖の制御がうまく行かない病気である。

II型糖尿病の治療法の確立も急務である。

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