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2009/10/13

マックvsスタバ大戦争のゆくえ(前編)

テーマ:マックvsスタバ大戦争のゆくえ(前編)


教科書:ナウエコノミー―新・グローバル経済とは何か 野呂 一郎
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今週のジャンル
・ライバル潰し戦略
・大不況下の価格戦略
・関係性

参考ページ:
P83 なぜ、スターバックスブームは消えたのか
P142 なぜ、マクドナルドの顧客満足ランキングは業界最低なのか

■プレミアムは死んだ、のか?

 前号でスターバックスのポジショニングを変えずに大不況に挑む姿を賞賛した筆者

ですが、もちろん、異論もあります。代表的なのは「プレミアムは死んだ」という

過激なメッセージです。サブプライムローン問題に端を発した世界同時不況は、

まさに全世界を巻き込んでおり、デフレという言葉では収まりきれない

低価格志向が世界中を覆っています。先に取り上げたイギリスの食品スーパーの

ディスカウント競争はその典型といえるでしょう。スターバックスのコンセプトは

affordable luxury(何とか手に届くぜいたく)というもので、価格にすると

5ドルから15ドルまで といった感じです。しかし、プレミアムは死んだという

現状認識は「この時代、誰がコーヒーに1日15ドルも払うのか」

という言葉の説得力でもあります。

■スターバックスの中途半端なポジショニング

 スターバックスのポジショニングは、コーヒーにしては高価で、雰囲気という

付加価値が高いことです。しかし、売っているものは所詮、嗜好品であり

1000ドルの宝石やバッグではありません。スターバックスはグッチや

アルマーニではないのです。コーヒーとしては高級品で高価だが、決して

ラクジュアリーというか、いわゆる高級ブランドというわけではありません。

ルイビィトンのバッグであれば、この大不況でも耐え忍べば復活すると

思うのです。なぜならば、ビィトンのバッグは何十年もの歴史の中で、

本物と認められ世界中の金持ちがこよなく愛し続けてきたからです。

とてつもなく高い価格に値する付加価値があるからです。

しかし、スターバックスはどうか。まず、伝統に培われた消費者との

強固な関係性=信頼、がない。モノが消費財であり、嗜好品であるところが

痛い。Affordable luxury という言葉が物語っているように、

スタバのコーヒーは庶民にも手を伸ばせば届く価格なのです。

スターバックスとは、好景気の時代に庶民がぜいたくを楽しむという商品

だったのです。しかしいまや庶民にとってぜいたくは敵であり、

嗜好品ならば、安いもので我慢すればすむわけです。

高級バッグのターゲットは金持ち、スターバックスのターゲットは庶民

ですから、不況になればスタバはその中途半端な価格ポジショニング

ゆえに、弱いのです。

■スタバ必殺を狙ったマクドナルドの知謀知略

 日本ではゼロ円コーヒーをうたい文句に、マクドナルドがコーヒーを

おとり商品に一大キャンペーンを展開していますよね。

日本のスタバもこれには相当やられているものと思います。

アメリカでは"McCafés"(マックカフェ)という商品がスタバつぶしの

戦略商品として注目を集めています。日本と同じく、この商品も期間限定で

無料サンプリングをやっているんです。7月13日から8月3日までの間、

毎週月曜日、アメリカ全土でモカ味のマックカフェのホットorアイスが、

朝7時から夜7時まで無料で提供されたのです。マクドナルドはこの期間に

全米で1000万杯のマックカフェを用意したと報じられています。

マックカフェはこんな感じ
http://fastfood.freedomblogging.com/tag/mccafe/

■マックの社運をかけたキャンペーンの裏にあるもの

 マクドナルドはなんと1億ドル(約100億円)を投入、マックカフェを

新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ビルボード、ウェブ広告に使い、大々的に

無料コーヒーのキャンペーンを行なったのです。うたい文句は

「味気ない日常をホイップクリーム入りのマックカフェドリンクで

リフレッシュ」です。これは、マックが1970年代に朝食メニューをスタート

させて以来の最大の新製品プロモーションといわれています。なぜ、

ここに来て、コーヒー屋さんでもないマクドナルドが同社はじまって

以来のというか、社運をかけてと言ってさえいい、無料コーヒーの

キャンペーンをやったのでしょうか。狙いは明らかです。

スタバ潰しに他なりません。スタバもマックの意図はよくわかっているようで、

こんなコメントを発表しています。

「ウチは別にマックにお客を取られちゃいないさ。ただ、こんな時代で

ウチのお客様も懐具合がさびしいから、エスプレッソの偽者で我慢

しなくちゃならないっていうのはある」。

長くなってきました。次回に続きます。


                                 以上
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