鶴原顕央の【映画批評と物語構成論】  RSSを登録する

最新メジャー映画のストーリーラインを客観的に分析し、批評と構成論を展開していきます。ご期待ください。

  • 発行周期 毎週月曜発行(祝日の場合は翌日)
  • 最新号 2009/12/07
  • 部数 85部
  • メルマガID 0000234153
  • 個別ページ
最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2009/08/03

映画批評0123「セルラー」&「コネクテッド」

┏ 映画批評と物語構成論0123 ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏


    『セルラー』
      Cellular (04)
  &
    『コネクテッド』
      Connected / 保持通話 (08)


┏┏┏┏

 ラリー・コーエン原案に基づくハリウッド映画『セルラー』は、
 同じラリー・コーエンがその2年前に脚本を担当した
 コリン・ファレル主演の『フォーン・ブース』──
 その姉妹編・異母兄弟だと言われていています。
 電話ボックスに閉じこめられた男のワン・シチュエーション劇である
 『フォーン・ブース』に対し、
 『セルラー』のほうは携帯電話を持って走りまくる、移動しまくる、
 つまり「ワン・シチュエーション劇の正反対をやろう」というのが
 『セルラー』の企画意図だったわけです。

 「電話」という同じ題材を扱いながらも「正反対」のことをやろう、と。

 そんな『フォーン・ブース』と『セルラー』の
 どちらが良く出来ているかといえば、
 それはもちろん『フォーン・ブース』のほうです。
 『フォーン・ブース』のほうが映画としての完成度が遥かに高いです。
 
 なぜならば
 「ワン・シチュエーション」というシバリが物語をタイトにしている。
 これに尽きます。
 逆に言えば『セルラー』はタイトじゃない。
 タイトじゃなさすぎる。ユルすぎる。
 そこに『セルラー』の問題点がありました。

 『フォーン・ブース』は舞台となるニューヨーク8番街の
 その独特な雰囲気───賑やかで、慌ただしくて、混沌とした雰囲気が
 「リアル」に上手く表現されていました。
 しかしロサンゼルスを舞台とする『セルラー』は
  (ロサンゼルスそのものには何の問題もないものの)
 街あり、郊外あり、ビーチあり、で、散漫としてます。
 物語は「誘拐事件」を扱って「切迫している」のに、背景が「散漫」。
 『フォーン・ブース』の逆をやろう、移動しまくろう、
 という意識が強すぎたのかもしれません。
 人口密集地のロサンゼルスが舞台なのに、まるでハワイにいるような、
 そんなバケーション・ムービー的ユルささえ漂いいます。
 
 『セルラー』は登場人物にも「ユルさ」があります。
 『フォーン・ブース』には本妻と愛人の2人の女性が登場するので、
 『セルラー』のほうにも2人の女性が登場します。
 キム・ベイシンガー演じる「電話をかけてくる謎の女性」と、
 ジェシカ・ビール演じる「主人公の恋人」の計2人。

 しかしこれは結果として「同じ数の女性」になっただけであって
 『セルラー』のほうのもう1人の女性──
 ジェシカ・ビール演じる「主人公の恋人」は物語に深く関わってきません。

 というよりも、主人公を演じるクリス・エバンスの
 実生活の当時の恋人がジェシカ・ビールだったから、という理由で
 ジェシカ・ビールがゲスト出演しているにしかすぎず、
 ひょっとしたら当初の脚本にはジェシカ・ビールの役は無かった。
 そう勘ぐってしまうぐらい「必要性の薄い役」です。

 舞台もユルいし、登場人物もユルい。
 では、そんなユルい『セルラー』を
 香港人スタッフはどうリメイクしたのでしょうか?
 

┏┏┏┏      ┏┏┏┏      ┏┏┏┏      ┏┏┏┏


  ということで次週は……
    リメイクした理由も含めて『コネクテッド』(08)を徹底分析!
      

Copyright(c)Tsuruhara Akihiro. All rights reserved.


┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る