鶴原顕央の【映画批評と物語構成論】  RSSを登録する

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2009/07/06

映画批評0119「トランスフォーマー/リベンジ」

┏ 映画批評と物語構成論0119 ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏


    『トランスフォーマー/リベンジ』
      Transformers: Revenge of the Fallen (09)


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 前作(07)の世界的大ヒットを受け
 順調にシリーズ化となった『トランスフォーマー』第2弾。
 監督、プロデューサー、主要キャスト(ほぼ)全員続投です。

 英語の副題が“ Revenge of the Fallen”で意味不明気味ですが、
 “ザ・フォールン”という名前の
 ダークサイドに“堕ちた”ロボットがリベンジしに来るという意味で、
 敵側の「リベンジ」なので、味方軍は苦戦を強いられます。
 
 苦戦を強いられ、味方軍の司令官ロボが惨殺されます。
 
 味方軍の司令官ロボ“オプティマス・プライム”が
 ボコボコに惨殺される展開は
 実は往年のアニメシリーズにも同様の展開があり、
 パワーの源である“マトリックス”を胸に埋め込むことで
 見事に復活を果たす展開もアニメ版と同じです。

 マイケル・ベイ監督が好き勝手なことをしているわけではなく、
 驚くほどアニメ版に忠実なストーリー展開だといえるわけです。

 また、
 オプティマス・プライムの亡き骸がヘリに吊るされて運ばれるシーンは、
 85年に日本で流れた玩具用のテレビCM「コンボイ死す」※にソックリで、
   ※http://www.youtube.com/watch?v=3739snUos4k
 しかしこれは日本独自のCMなので
 アメリカ本国では放送されなかったはずですが、
 日本人スタッフが提案したのか、あるいは単純にネットで見つけたのか、
 いずれにせよこのCM映像が
 今回のストーリーを練るうえでの大きなヒントになったであろう
 ことは間違いないでしょう。
   (※アニメ版にはこんなヘリ輸送シーンは無い)

 さてその肝心なストーリーは? というと、マイケル・ベイ監督は
 『アルマゲドン』(98)などで長年コンビを組みつづけてきた
 名物プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーと別れて
 あのスビルバーグと組むようになったのに、
 ストーリーそのものは相変わらずのジェリー・ブラッカイマー調。
 地球の危機をアメリカが独断で対処する!

 本作ではアメリカ軍の特殊部隊が
 上海に極秘潜入して激しいドンパチを繰り広げ、
 エジプトのピラミッド周辺でもバトルを展開します。

 相手国の(当局の)存在を軽やかに無視するその傍若無人ぶりは
 ジェリー・ブラッカイマー作品そのものであり、
 トレイ・パーカーとマット・ストーンの
 『チームアメリカ/ワールドポリス』(04)であれだけ馬鹿にされたのに
 まだ同じことをつづけている!!
 
 興味深いのは劇中で「オバマ大統領」という具体的な名前が出てくることで
 その「オバマ大統領は特殊部隊のことをよろしく思っていない」と言う、
 そりゃそうだろうけども……というトホホなストーリーです。
 
 ただし、
 ロボットアクションの見せかたは上達しているといえるでしょう。
 前回の『1』は──
 人間を映し込みつつ、巨大ロボットを同一画面上に入れ込むためには
 ロボットのほうは前かがみのゴリラ体型にならざるをえない、
 なぜなら「スクリーンは横長だから」──
 という意外な事実を実践検証してみせた作品でした。
 それはお台場の実物大ガンダム(18m)にもいえることで
 実際にやってみて初めて気がつく、
 「巨大ロボットはいくらなんでも巨大すぎではないのか?」という
 日本のロボットアニメ業界に再検証を促すキッカケにもなったはずです。
 
 横長の画面に映えない巨大ロボット。
 その反省をふまえてか、今回は小さいロボットが沢山でてきます。
 物語を展開させる、物語を説明させる=つまり人間と絡むドラマパートは
 小さいロボットに任せ、
 アクションパートは巨大ロボット同士がガンガンやる。
 
 唯一の例外はスミソニアン博物館に幽閉されていた“ジェットファイア”で、
 彼は巨大ながらもドラマパートに深く関わってきますし、
 台詞も多いです。
 しかし彼は「老兵」という設定で、杖をつき、
 前かがみであることに理由がつけられています。

 どうやら前作の反省と成果がシッカリと活かされているようなのです。

 (とはいえ日本のロボットアニメ業界が脅威を感じるほどではありません)
 (日本のロボットアニメ特有の
  四肢を張って歌舞伎のように「見栄を切る」、
  あるいは「シルエットを見せる」、
  そんなカッコよさが本作にはありません)
 (なぜ無いのか?)
 (美的センスが異なるのか?)
 (それもあるのでしょうが)
 (ロボットの造形=デザインに自信が無いのでしょう)
 (顔さえハッキリ映らないキャラ多すぎ)

 とまあいろいろと興味深い映画ではあるのですが、
 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観たあとでは
 どうでもよくなってしまいます。


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 ……ということで
    次週はネタバレ無しで
          『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を分析します!
       ご期待ください!!
        ──加持リョウジ、缶コーヒー2本、プライスレス
         

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