【父親術 055】子どもの領分(中)
子どもが育つ“父親術” 第055号(2008/05/16)
◇◆ 子どもの領分(中) ◆◇
今号も、前号に続いて「子どもの領分」について。
総論(一般論)と各論(具体的な話)の一部は前号にて
お話したので、その続きからお話します。
(バックナンバーはメルマガ末尾のリンクからご覧になれます)
【いろいろな「子どもの領分」】
(2)子ども同士
「子どもの領分」として次に挙げられるのが、
「子ども同士で過ごす時間」です。
見ていても分かりやすいですが、他の子とのやり取りを
通じて、コミュニケーションの練習や、人それぞれに
異なる価値観があることの発見が行われています。
同年代の仲良しのお友だちとは、本音をぶつけ合ったり、
ケンカと仲直りを繰り返したりしながら、自分や相手の
言葉・態度がどのように伝わるかを体験しています。
また、自分と年齢や性格などが異なる子との係わり合い
からは、本当に多くの点について、好き/嫌い・できる/
できないなど、ひとりひとりに“違い”があること
(加えて『みんな違っていて、いい』も)を発見している
のだと思います。
子どもがそんな“領分”にいる時の親の心得は、
「コミュニケーションを助けない」
です。
「助ける」と言えば聞こえは良いですが、
「わが子はお友だちと一緒にちゃんと遊べる」という
“親の満足感・安心感”のために、子どもが自分で言う
べき言葉を親が代わりに言ってしまう、という事態
(=親の自己満足のために子どもが犠牲にされる)
になりやすいので、注意が必要です。
どうしても助けが必要と判断した場合も、初めに少し見本を
見せる程度に留めるべきでしょう(何度も言われなくても
子どもは理解します。すぐに行動に移せないのはその見本を
消化・吸収する時間が必要だからです)。
また、子ども同士の間では、ケンカもひとつの
コミュニケーションの形です。
子ども同士が子どもの領分でケンカをしている時は、
仲裁も必要ありません。
泣いたり泣かせたり、不満が残ったり、後味の悪い思いを
したり、みな貴重な経験です。
何年か後に「相手の気持ちになって考える」という
スキルが身に付いた時、これらの経験は大きな大きな
“思いやり”の力となって開花するのです。
(ただし、相手方の親に「仲裁が必要ない」と理解して
もらうことができるかどうかは別問題です…そっちの
方が大変そうですが(苦笑))
(3)親と離れて過ごす
次に挙げられるのは、「親と離れて過ごす時間・場所」です。
主に該当するのは、保育園・幼稚園での時間。
子どもは、親とは違う考え方やコミュニケーションスタイル
に触れて、多様な価値観の存在(正しいことは1つじゃない)
に気がついたり、同じことを伝えるにも様々な方法が
あることを学んだりしています。
また、集団の中の1人として、自分の話ばかり聞いて
もらえない・自分のやりたいことだけをやっているわけには
いかない・譲れないことはハッキリ言わないと通じない、
などの家庭とは違う境遇も、大切な体験です。
これらの体験からは、協調性を身につけたり、自己主張の
重要さに気づいたりするのでしょう。
この「領分」には前述の2つと異なる点があります。
それは、いつでも自由に「子どもの領分」を出て「親の懐」に
戻ってくることができない、というところ。
そのため、子どもはいくらかの緊張感を心に残しながら、
次々に訪れる事件・発見・体験・経験を一生懸命に受け取る
ことになります。
ここにおいて親ができる支援は、
「聞けども訊かない」
です。
子どもが自分から話してくる時は、しっかり向き合って、
ただ“聞いて”あげましょう。子どもが自分の経験を消化・
吸収して前に進むことの助けになります。
ただし、親の側から「今日は何をしたの?」と“訊く”
ことは極力控えた方が良さそうです。
親から園(=子どもの領分)での様子を尋ねられる経験を
何度かすると、子どもの中には「親は関心を持っている、
尋ねられたら答えられるようにしたい」という意識が、
知らず知らずのうちに芽生えます。
そしてその意識は、日々園で過ごす間も、心の一部を占め
続けることになります。
しかし一方で、前述の通り、子どもは自分のキャパシティを
フル稼働して日々過ごしています。
そこに別の意識を割り込ませることは、子どもの学び・成長を
支える観点からは、不適切と言えそうです。
(どうしても園での様子が気になるのであれば、お迎えの
時に聞いたりノートを活用するなどして、大人同士で
対処できる方法のご検討を!)
--
続きはまた来週。
次回で「子どもの領分」のテーマは完結です。
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今週もお付き合いいただきありがとうございました。
ご意見・ご感想・ご質問・ご相談など、皆さんの声をお寄せ
いただけたら嬉しいです。お気軽にメールください!
発行者 くろさわ
kuro@snow.email.ne.jp
(迷惑メール対策でアットマークまでを全角にしてあります。
メール送信時は半角に直してご使用ください)
いろいろな事例を通じて、皆さんと一緒に『父親』として
進歩していけたら嬉しいです。
それではまた、来週!
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