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【2007新人賞3位受賞】「パパ見てー」に「すごいね!」と答えたことは?実はこの返事、子どもの自立心や感性を伸ばすためには不適切かも。パパコーチくろさわが子どもゴコロを解説し、子育てに必要なスキルをお届けします。子ども理解力アップしたい全ての方へ。

  • 周期 週刊(毎週金曜日発行)
  • 最新号 2008/10/10
  • 発行部数 3142
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2008/03/14

【父親術 046】境界線の引きどころ

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子どもが育つ“父親術” 第046号(2008/03/14)

◇◆ 境界線の引きどころ ◆◇


ある家庭での一場面です。

子「ママー、このスカーフ借りていい?」
母「何に使うの?」
子「お人形さんのお布団にするの」
母「それならいいわよ。でも汚さないでね」
子「はーい」

子どもはお人形さんにスカーフ布団をかけ、やさしく
とんとんしてあげます。
やがてお人形さんが目を覚ますと、おやつの時間です。
ピンクの折り紙で作ったイチゴを食べさせてあげています。
それから、お散歩。スカーフはおんぶヒモに変身し、
お人形さんを背負って外へ。

・・・あとは察しがつきますよね。

スカーフには、洗っても落ちない汚れが残りました。
母親には、大切なスカーフが汚れてしまった悲しさと、
娘に貸したことへの後悔が残りました。
そして子どもには、ママとの約束を守れず、ママを
悲しませてしまったという辛い経験が残りました。

母親だって、悲しい結末を望んでいたわけではありません。
むしろ、子どもが楽しめるよう、ギリギリの所―汚しさえ
しなければ、使うのはOK―まで許容してあげただけ。

ただその「ギリギリの所」に引かれた線が、子どもに
とっては歩きにくかった・・・言い換えれば、母親が
「子どもにとって歩きにくい所に線を引いてしまった」
ために、悲しいできごとが起きてしまったのです。

子どもにとっては、こうした辛い経験も時には必要かも
しれません。
ただ、親の判断ミスによって、必要以上に何度もこんな
経験を子どもにさせてしまっているのなら、そこは
改めたいところ。

今号では、子どもに「やってよい/やっちゃだめ」を
どう伝えるかについての技術をお伝えします。

さっそくですが、ポイントは3つあります。


【ポイント1】『禁止』は最小限に

これまでにも何度か書きましたが、
「できるだけ『禁止』『コントロール』はせず、
 『自分で経験して学ぶ』をさせてあげる」
ことは常に意識しておいてください。

危ないからと親が禁止してしまうと、子どもは何が
危なかったのかを学ぶ機会を奪われ、どんな場面で
用心すべきかの勘がいつまでたっても養われません。

子どもに禁止・制約を言いたくなったら、まずひと呼吸
置くくらいでちょうど良いと思います。
子どもにケガ・汚れ・トラブルは付き物と割り切って、
親は見守る姿勢に徹してあげましょう。


【ポイント2】具体的に示す

子どもに何かを「やってよい」「やっちゃだめ」を伝える
時は、その“何か”をハッキリ示すこと。

「あんまりヘンなことしないでね」
「普通に使うならいいよ」
などの言い方では、親の「やっても良い/やってはいけない
と考えていること」は伝わりません。

子どもは(小さい子は特に)、抽象的な概念は理解しづらく、
具体的に見えるモノについて語らないと分かりにくいものです。
上記のような形容詞(=抽象イメージ)を使った表現
「ヘン」「普通」で理解しろというのは無理な話。

「この紙だったら、何を書いても、破ったり切ったり
 貼ったりしても、何をしてもいいよ!」
などのように、具体的に言ってあげると、子どもはずっと
理解しやすくなります。


【ポイント3】境界線の引きどころ

今号のメインテーマ

「『やってよい』と『やっちゃだめ』の境界線が、
 子どもにとって受け止めやすいこと」

についてお伝えします。

「受け止めやすい」をさらに分解すると、
「わかりやすい」+「納得できる」+「実行しやすい」
となります。

受け止めやい境界線は守りやすい、受け止めにくい境界線は
守りにくい、というシンプルな理屈です。

例を挙げて説明しますね。

(1)「スカーフを使っても良いけど、汚さないでね」
→境界線は「使う」と「汚す」の間に引かれています。

 ・わかりやすい:○
 ・納得できる :○
 ・実行しやすい:×

子どもは、次から次へと豊かな発想が湧き出てくる生き物。
「お布団に使うのは良くて、おんぶヒモもOKだけど、
 おんぶヒモの状態で外に出るのはNG」
という境界線の引き方は、子どもにとってはアクセルと
ブレーキを一緒に踏まされているに等しく、かわいそうです。

創造性・想像力が豊富な子であれば(本当はすべての子が
そうですが)、ほぼ確実に境界線を踏み越えてしまいます。
逆に踏み越えない子は、親の意向を気にしすぎて創造性・
想像力にフタをしてしまっているのではと心配です。

いずれにしても、この境界線の引き方が適切でないことは
わかると思います。


(2)「壊れやすい物は触らないでよ」
→境界線は「壊れにくいものを触る」と「壊れやすいものを
 触る」の間に引かれています。

 ・わかりやすい:×
 ・納得できる :○
 ・実行しやすい:×(分からないから実行のしようがない)

どんな品物を、どのように扱うと壊れるのかを、日々習得中
なのが子どもたち。
これから学ぶこと=まだ知らないことを境界線にして、
守れと言うのは酷でしょう。


(3)「お姉ちゃんは使っても良いけど、なっちゃんは
    だめよ」
→境界線は「お姉ちゃんが使う」と「なっちゃんが使う」
 の間に引かれています。

 ・わかりやすい:○
 ・納得できる :×
 ・実行しやすい:×(納得できないから実行したくない)

子どもの年齢・成長度を見て判断したことでも、子どもと
しては納得しがたいものです。

また、子どもの反発にも一理あります。
子どもというのは「大きくなったから安全に使えるように
なる」わけではなく、「何度も失敗する経験ができたから、
大きくなるにつれて安全に使えるようになってきた」と
いうのが真実です。

何をしようとしているかにもよりますが、お姉ちゃんに
許可できる程度のことであれば、妹にもやらせて(失敗の
経験を積ませて)あげた方が適切なケースが多いはずです。


(4)「机の引き出しに入っているのは、パパの大事な
    ものばかりだから、子どもたちは触らないでね。
    みんなが使って良いものは、こっちの棚に置く
    ようにしよう」
→境界線は「机」と「棚」の間に引かれています。

 ・わかりやすい:○
 ・納得できる :○
 ・実行しやすい:○

このような即物的でハッキリ分かれているものの間に
境界線を引くと、子どもにとっては非常にわかりやすく
なります。

なお、棚の「上の段」と「下の段」の間の境界線だと、
3歳以下くらいだと「実行」が難しいかも知れません。
(遊びに夢中になっているうちに踏み越えてしまいやすい)

できるだけ、「棚まるごと」くらいを単位に設定して
あげた方が良いでしょう。

同じ要領で、「この部屋にあるもの」と「向こうの部屋に
あるもの」との間の境界線もわかりやすい方法です。
ただし、ドアなどで仕切られておらず、開放してつながって
いる場合は「実行しやすさ:△」なのでご注意を。



今号の話をまとめると、

・極力「禁止」「制約」はしない。
・するなら、どこからが“ダメ”なのかを、
 ‐子どもが受け止めやすい所に境界線を定め、
 ‐境界線を、即物的・具体的に示す。

となります。

補足すると、なぜダメかの理由も添えられるとなお効果的です。
子どもの納得度も高まりますし、子ども自身が別な場面で
応用を利かせるための材料にできます。

余裕があれば「理由を添える」も併せて、心に留めておいて
ください。


────────────────────────────

今週もお付き合いいただきありがとうございました。

ご意見・ご感想・ご質問・ご相談など、皆さんの声をお寄せ
いただけたら嬉しいです。お気軽にメールください!

発行者 くろさわ
kuro@snow.email.ne.jp
(迷惑メール対策でアットマークまでを全角にしてあります。
 メール送信時は半角に直してご使用ください)

いろいろな事例を通じて、皆さんと一緒に『父親』として
進歩していけたら嬉しいです。
それではまた、来週!

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