ピアノの常識・非常識!ピアノ講師のホンネ:chapter76.組み合わせを増やすこと
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ピアノや音楽が、なんとな〜く気になるあなたへ…
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『ピアノの常識・非常識!ピアノ講師のホンネ』 vol.76('08/10/6)
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このメルマガは、型破りピアノ講師、あんずのひとりごと。
ちょっと違う角度から見た、音楽の楽しみ方や練習方法などを、
少しずつご紹介するものです。
もしかしたら、あなたの中にあるかもしれない、
音楽への高い垣根を、低いものにできるかもしれません。
また、音楽に興味がなかったかたは、
ほんの少し興味が出てくるかもしれませんし、
ピアノを演奏するかたは、
試してみたくなる練習方法が出てくるかもしれません。
でも、『超自己中心的音楽雑記』ですので、
あなたの音楽生活に、必ずしもお役に立てるとは言えません。
特に、『正統派』の音楽関係者・愛好者のかたには、
あまり役に立たない内容です…。
あくまでも、一つの考え方だとお考え下さい。
「こういう考え方もあるかぁ。」
ってね。
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chapter76.組み合わせを増やすこと
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今日は、どちらかというと大人のかた向け、
の内容になると思われます。
もちろん、年齢の低いかたにも当てはまることですが…。
ピアノを弾くということは、
いくつかのことの組み合わせです。
目で楽譜を見る(読む)→脳が理解したことを指に伝える…、
というような、『順序』を考えないで言うと、
楽譜を見ながら、頭で考え、指を動かして、
耳で音を聴いて、足でペダルを踏み…、
というように、同時進行で、実に多くのことをしています。
その上ピアノは、多くの場合、
右手と左手がまったく異なった音を弾き、違う動きをし、
さらに、音も一つではなく、同時に弾く音が複数ある。
ピアノを弾いたことのない人の前で楽譜を開き、実際に弾いてみると、
自分がものすごいことをしている人のように褒めてくれます。
「なんでそんなことができるの?すご〜い!」
というように。
ところで私は、ピアノを弾くことを、
一度にいろいろなことをする、と考えるのではなく、
要は組み合わせだな、と思ったことがありました。ずっと以前ね。
楽譜を見ることと、指を動かすことと、音を聴くこと。
この3つの組み合わせが、初期の段階。
そこに、どう音を出すかを考えるだとか、
発想用語もきちんと理解して弾くだとか、
どう表現するかをイメージするだとか、
そういうことが加わったのが次の段階。
ちょっと乱暴なまとめかただけれど。
そして、たとえばピアニストが、
「このホールでこのピアノで、これだけの聴衆がいるのなら、
どのくらいの音量を出せばいいか。」
というようなことを考えるのは、もっともっと進んだ段階。
結局のところ、
幼児期に洋服のボタンをかけるのに、恐ろしく時間がかかって、
しかも『そのときにそれしか』できなかったのが、
さっさとかけることができ、しかも片手でかけることもでき、
空いているほうの手で、たとえば受話器を持つこともできる。
そういうことと、なんとなく同じなのではないかと。
同時進行できるということは、そのいくつかの組み合わせの中で、
無意識でできることがあるということです。
たとえば前述の『ボタンをかける』ということは、
「服のボタンをかける。」
という意識は働いていても、
かけること自体に意識が集中するわけではない。
そしてまた、空いているほうの手で受話器を持つことも、
それに意識を集中しているはずもなく、
『電話がかかってきたらから受話器を取る』という無意識の行動が、
ボタンをかけているという無意識の行動と組み合わさっただけのこと。
その状態で、意識が集中していることは、
『電話の相手と話をする』ことだけということになりますね。
人は、無意識の行動がとっても多いものなのです。
スーパーへ行くと、カゴを持ちます。
雨が降ると傘をさします。
寒いときは、何か羽織ろうとします。
これらは、ある意味無意識の行動です。
ピアノも、習い始めの頃は、
座る位置、姿勢、手指の形から意識しなければならず、
次の段階では、指の番号、音など、すべてのものを考えながら、
つまりすっと手が動くのではなく、一呼吸考える時間が必要だったはず。
しかし、いつの頃からか、しかもそれははっきりと意識したわけでなく、
いつの間にか音が読めていたり、すっと手が動くようになっていたりする。
つまり、無意識の行動が、一つずつ増えていったということです。
無意識の行動が増えれば増えるだけ、
意識できるものも増えていきます。
無意識の行動が増えた分、
それを考えていた時間や意識を、
新しい何か、自分が苦手なところだとか、初めて目にするものだとか、
そういうものに向けることができるからです。
人が常に注意を払えることがらなど、
非常に限られていますから、
一度に100も200もの何かに注意が向けられるはずもなく、
言ってみれば、
自分のキャパ以上のことに意識を集中することはできないのです。
無意識の行動が次第に増え、人は前進します。
そこに、まだ意識的に考えなければならない、
いくつかのことがらを組み合わせる。
これが、日常生活だと感じています。
しかし、ピアノを弾くということは、日常生活というわけではありません。
呼吸をするという行動を意識せずにできるのは、
それが日常生活に欠かせないものであり、切っても切れないものだから。
でもピアノは…。
全国民が弾くことを義務付けられたことでもなく、
しかも、1日のうちの一部の時間だけしか、そのために割かない。
繰り返すという行為のもとに、無意識の行動が増えるのだとしたら、
ピアノについて、それが格段に増えることは望めません。
そう考えると、少し気が楽になったりしませんか?
毎日、少しずつ、無意識の行動を増やしていく。
しかし、1日一つ増えていくことなどあり得ません。
ピアニストでさえ、日がな一日練習をしても、
それでもさらなる探求を続けているのですから。
無意識の行動を少しずつ増やし、
それに、意識的行動のいくつかを組み合わせる。
ピアノを弾くというのも、そういうことなのです。
その組み合わせの種類は無限にあり、
得意な組み合わせと苦手なそれがある。
それだけのことです。
一度にいくつものことができないと、
悩む気持ちはどなたにもおありだと思います。
でもそれは、そんなに気に病むことではありません。
ご自分の中では納得がいかないかもしれませんが、
決して、深く悩んだり、あきらめてしまったりなさいませんように。
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** 編集後記 **
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今日も、長いひとりごと、
最後までお読みいただき有難うございました。
たとえばあなたが、車の運転をなさるかただとしましょう。
今では、オートマティック車限定の免許もありますから、
マニュアル車の運転ができないかたもいらっしゃるでしょうけれど、
その昔、免許を取るには、
誰もがマニュアル車で運転できなければなりませんでした。
最初は、クラッチとアクセルのタイミングを(変な表現ですが)、
頭で考えなければできなかったかもしれません。
でもそのうち、自然に一連の行動となって運転できたはず。
これが、経験により増えた、無意識の行動です。
そういうことがいくつか積み重なってくると、
プロセスはいきなり飛びますが、
「車線変更のときには後方目視!」
と呪文のように唱えていたことが、
これまた無意識にできるようになる。
無意識とまではいかなくても、
もはや呪文のように唱えなくてもよくなる。
これが、無意識の行動の増加です。
そして、いよいよ路上に出た。
教習所の中では思いもしなかったアクシデントがあったり、
状況判断を迫られることが待ち構えていたり、
いろいろなことがあります。
これが、いろいろなことの組み合わせです。
必死で考えなくても運転できるようになっているから、
意識できるものが増えていて、
さらにいろいろな組み合わせの行動ができるから、
アクシデントにも対応できるのです。
つまり、無意識の行動の増加に伴い、
意識できることが増えてきて、
そしてあとはいろいろなことを組み合わせるだけ、
ということになるのです。
ピアノも同じ。
特別なことではないのです。
いつもとちょっと違う角度から、
ピアノというもの、音楽というものを、見てみませんか。
きっと、今よりもっと楽しくなる…かも。
ではまた来週の月曜日に、お目にかかりましょう。
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