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2008/06/21

スクリーンに見つけた恋愛風景 〜栄光は愛の向こうに〜 【ウィンブルドン】

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スクリーンにはさまざまな恋愛風景が描かれています。熱く燃え上がるような恋
もあれば、相手を包み込むような深い愛もあります。このメルマガでは、実際の
セリフを織りまぜながら、映画の中の恋愛風景を紹介していきます。


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          Scene 59 「栄光は愛の向こうに」          

             【 ウィンブルドン 】             
                Wimbledon                

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いつも「スクリーンに見つけた恋愛風景」をご愛読いただき、
ありがとうございます。

第59号の今回は、スポーツをテーマにしたさわやかなラブロマンスをお届けしま
しょう。2004年製作、翌年日本公開の【ウィンブルドン】です。ウィンブルドン
選手権に出場するテニスプレーヤー同士の恋愛と葛藤を描いています。プレー
ヤーにとって、愛は栄光の障壁となるのか、それとも架け橋となるのか・・・
興奮と感動をぜひご一緒に!


−−◇◆ 目 次 ◆◇−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
                       
 1. 基本情報
 2. 見どころ
 3. 「栄光は愛の向こうに」の分析
 4. ヒロインのセリフから
 5. 裏話

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1. 基本情報

■主な出演:                   (★=男優/☆=女優)
★ポール・ベタニー    ・・・ ★ピーター・コルト
☆キルスティン・ダンスト ・・・ ☆リジー・ブラッドベリー
★サム・ニール      ・・・ ★ブラッドベリー氏(リジーの父)
★ジェームズ・マカヴォイ ・・・ ★カール・コルト(ピーターの弟)


■監督:
リチャード・ロンクレイン


■ストーリー:

ピーターはイギリス人プロテニスプレーヤー。現在世界ランキング119位の彼は、
もうすぐ32歳になろうとしており、気力と体力の限界を感じていました。ワイル
ドカード(特別出場枠)で出場するウィンブルドン大会を最後に、現役引退を考
えています。

大会前、宿泊先のホテルにチェックインすると、フロントの手違いでスイート
ルームに通されてしまいます。部屋では若くて美しい女性がシャワーを浴びてい
ました。彼女は目下売り出し中のアメリカ人テニスプレーヤーで、優勝候補のリ
ジーでした。2人は軽く言葉を交わします。

翌日、サーブの練習をしていたピーターの元へリジーがやって来ます。空き缶め
がけて交互にサーブを打ちながら、好印象を抱き合う2人。次に会ったときには、
恋愛関係になります。リジーとの恋がエネルギーとなり、ピーターは次々に勝ち
進んでいきます。

ところが、リジーのコーチを務める父・ブラッドベリー氏は、2人の関係を苦々し
く感じていました。リジーを試合に集中させるため、もう会わないでくれとピー
ターに釘をさします。リジーも父と努力してきた日々を思い出し、大会が終わる
まで会うのはやめようと言い出します。

しかし、どうしてもリジーに会いたいピーターは、夜中に訪ねていってしまいま
す。リジーはピーターを受け入れますが、翌日の試合には負けてしまうのでし
た。傷心のリジーは、ピーターの勝手な行動を激しく責めます。

こうして迎えた決勝戦。はたして、ピーターは栄光の座をつかむことができるの
でしょうか・・・


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2. 見どころ

今年もウィンブルドンの季節がやって来ました! 

テニスの四大国際大会の1つであるウィンブルドンは、120年以上の歴史と伝統を
誇ります。今回紹介する【ウィンブルドン】は、まさにこの大会をテーマにした
作品です。

実際の大会が行われるロンドン郊外の「オールイングランド・ローンテニス・ア
ンド・クローケー・クラブ」のコートを使用して撮影されているため、臨場感や
緊迫感は筆舌しがたいほどです。決勝戦のシーンでは、栄えあるセンターコート
まで使用されているのですから、テニスファンにはたまらないでしょう。


テニスは日本でも人気のスポーツです。今年(2008年)になってからは、37歳で
プロに復帰して先日優勝を果たした、クルム伊達公子選手や、彗星のように現れ
世界ランキング100位以内に入るという快挙を成し遂げた、18歳の錦織圭選手の活
躍がめざましく、テニス人気はますますヒートアップしています。

今年のウィンブルドン大会は、6月23日(月)〜 7月6日(日)(現地時間)に開
催される予定です。錦織選手の出場も決まっています。楽しみですね。


さて、映画の見どころに話を戻しましょう。本作は、イギリス・ワーキングタイ
トル社による制作です。同社はこれまで、ロマンティック・コメディを中心に数
多くの名作を世に送り出しています。当メルマガで採り上げたものだけでも、第
17号【プライドと偏見】、第19号【ブリジット・ジョーンズの日記】、第33号
【ラブ・アクチュアリー】、第39号【ブリジット・ジョーンズの日記 きれそう
なわたしの12か月】があります。

各作品に共通する生粋のブリティッシュテイストは、本作にも感じられます。イ
ギリス人のウィンブルドンに対する特別な想いも、存分に描かれています。


主役ピーターを演じたのは、ポール・ベタニー。彼は舞台出身のイギリス人俳優
で、最近では【ダ・ヴィンチ・コード】で、自傷行為を行う信者として特異な演
技を見せています。

もう1人の主役キルスティン・ダンストは、子役時代から活躍する若さとバイタリ
ティが魅力の女優です。【スパイダーマン】シリーズをはじめ、出演作の多さに
は驚かされます。当メルマガでは、第27号【エリザベスタウン】を紹介していま
す。


撮影前はテニス経験が皆無だった2人。専属コーチに師事して、プロテニスプレー
ヤーに見せるべく、半年間猛特訓を受けました。実際のボールこそ使用しなかっ
たものの(ボールは後から合成)、鋭いショットに見えるようなラケットの振り
方を習得したり、ボールに飛びついたりするタイミングを体で覚え込んだりと、
大変な努力を要したといいます。当然怪我も絶えなかったとのこと。そうした頑
張りの成果が、作品にも十分反映されています。

引退を前に底力を発揮するポールの姿には、勇気づけられる人がたくさんいるこ
とでしょう。実力こそがすべてというシビアな世界にあって、男女の愛や家族の
絆がいかに大切なものであるかが伝わります。人が栄光をつかむとき、どれほど
多くの人の支えがあるかを感じとれる本作では、さわやかな感動に包まれること
請け合いです。


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3. 「栄光は愛の向こうに」の分析

31歳のピーター・コルトは、ワイルドカードでウィンブルドンに出場することに
なっています。かつては世界ランキング11位まで上り詰めた彼も、現在では119位
に甘んじていました。彼は、今大会を最後に現役引退を決意します。

会場近くのホテルにチェックインしたピーターは、最上階スイートルームのキー
を渡されます。疑問に思いつつ部屋に入ると、浴室のドアを開けたままシャワー
を浴びている美女の姿が目に飛び込んできました。

彼女はリジー・ブラッドベリーという、人気実力ともに急上昇中のプレーヤーで
した。『優勝のために来たわ』と言い切るリジーは、審判に過激な抗議をするこ
とでも有名でした。


翌日、サーブの練習をするピーターの元へリジーがやって来ます。一緒に練習す
る過程で、ピーターはリジーに食事をごちそうする約束をします。

後日、約束を果たすためピーターはリジーの部屋を訪れます。ワンピース姿で迎
えてくれたリジーは、『試合前のエッチについてどう思う?』と突拍子もない質
問をします。ピーターは驚きますが悪い気はしません。そして、積極的なリジー
のリードで、2人は夜を共にします。


翌日、ピーターの試合はボロボロでした。最後の試合がこれでは情けないと思い
つつも、体がついていきません。そのとき、観客席から『ピーター頑張って』と
いう声援が。リジーでした。ピーターは奮起します。突然動きがよくなり、一気
に劣勢を跳ね返し勝利します。ピーターは、恋の威力を感じるのでした。

リジーは、以前からピーターを知っていたことを告白します。ある大会で、ピー
ターはサーブを当ててしまったボールガールを会場の外へ運び出し、一気にリズ
ムを崩し負けてしまったことがありました。『忘れられなかった。会いたいと
願ったら部屋に現れた』。このときリジーは、温かい人柄を感じさせるピーター
に強く惹かれたのです。

2人は雨の上がった夜の公園を歩きます。空には、67年ぶりにやって来たアームス
トロング彗星が見えました。2人それぞれ、願いごとをします。試合の勝利を願っ
たのか、それとも・・・


その後、ピーターもリジーも順調に勝ち進んでいきます。ところが2人の交際は、
マスコミの知るところとなります。

リジーの父親でコーチを務めるブラッドベリー氏が、2人のいる部屋へやって来
ます。彼は隠れているリジーに聞かせるように、『試合に集中し、目標を再認識
するんだ。2人で目指してきた、何よりも手に入れたいものを』と口にします。

父の言葉は、リジーの胸を揺さぶります。『今でもそうよ。優勝したい』リジー
は、大会が終わるまでピーターには会わないと宣言し、帰っていきます。

しかし、リジーに会いたい気持ちが募るピーターは、彼女の新たな宿泊先を突き
止め、夜中に窓から忍び込みます。『君と離れていられない』そう言われたリ
ジーは、ついピーターの滞在を許してしまいます。


翌日、ピーターは絶好調で準決勝進出を決めます。一方リジーは、本来の力を出
しきれず、試合に負けてしまいます。

リジーの敗戦を知ったピーターは、すぐに彼女を訪ねます。リジーはカッカして
いました。自分勝手に訪ねてきたピーターを責め、今ここにいるのも決勝前に寝
たいからだろうと言います。『恋人同士だと思わせてあなたは勝利を愛した』

ピーターは何とか弁解しようとしますが、リジーには取り付く島がありません。
『私も勝利が好き。何よりも誰よりも』さらにリジーは、『“ラブ”は“ゼロ”
のことよ。負けるだけ』と言うと、別室に入ってしまうのでした。


それきりリジーと会えないまま、ピーターは決勝の日を迎えます。試合前、ピー
ターはTVのインタビューを受けます。数年ぶりに決勝に進出した英国人プレー
ヤーとして、国民から大きな期待が寄せられていました。快進撃の真相を聞か
れ、彼はリジーへの想いを語ります。『彼女を悲しませた。心から申し訳ない。
リジーのおかげで今日ここにいる』と。

アメリカに帰国しようとしていたリジーは、空港のTVでこのインタビューを見て
いました。真剣で誠実なピーターの言葉を聞き、胸がいっぱいになります。


いよいよ決勝戦。センターコートに向かうピーターは、想像を絶する緊張感に包
まれていました。決勝の相手は、アメリカ人プレーヤー、ハモンド。若く将来性
のある彼は、優勝候補の最有力と目されていました。スピードとパワーのある
サーブでピーターを圧倒し、試合はハモンド優勢で進んでいきます。

勝っても負けても生涯最後のウィンブルドン。ピーターが天を仰いだとき、雨が
降り始めます。やがて、試合が中断するほどの大降りになりました。

ロッカールームに引き揚げてきたとき、ピーターのやる気はすっかり失われてい
ました。そんな彼の目の前に、リジーが立っていました。ピーターははにかみま
す。帰国したものとばかり思っていたリジーが来てくれた。もうそれで十分でし
た。2人の気持ちは通じ合い、しっかりと抱き合います。

リジーは、プレーヤーならではの力強い励ましの言葉をピーターに贈ります。し
かも、ハモンドのサーブの意外な弱点も教えてくれるのです。


雨が上がり、センターコートにピーターが戻ってきます。リジーから愛と勇気を
もらい、新たに生まれ変わったピーターは、テニス人生のすべてを懸けて悔いの
ないプレーをしようとしていました・・・


ピーターは長年、並々ならぬ努力を重ねてきました。その努力は、生涯最後の大
会で報われます。栄光をつかむための自信とやる気を与えてくれたのは、リジー
でした。彼女を愛し愛されることで、生きる喜びを感じ、衰えた気力と体力を
補ってあまりあるパワーを得ることができたのです。

一生懸命生きている人には、幸せというご褒美があります。ベストを尽くし自ら
を誇りに思えたとき、最高の幸せはやって来ます。そして、それは栄光と呼ばれ
るのです。


*『 』は実際のセリフです。


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4. ヒロインのセリフから

雨で中断した試合。劣勢でロッカールームに戻って来たピーターを、思いがけず
リジーが迎えます。そして、次のような言葉をかけます。


Why are you British apologizing all the time?  Don't apologize to me, I 
love you.  Well, it turns out you've got company.  This is about you.  Go
out there and decide who you are.  That might be a winner.

「あなたたちイギリス人はどうしていつも謝るの? 謝らないで。愛してるの。
そう、あなたは1人じゃないのよ。今は自分のことだけを考えて。コートに立っ
て、何になるかを決めて。優勝者にだってなれるかもしれないのよ」


◎恋に破れたと思い込み、試合にも負けそうになっていたピーターにとって、何
より嬉しい言葉でした。同じテニスプレーヤーとして、リジーにはここでどんな
言葉をかけたらよいかがわかっていたのですね。


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5. 裏話

【ウィンブルドン】のもう1つのお楽しみは、TV中継の解説者として、かつての名
プレーヤー2人が出演している点です。その2人とは、ジョン・マッケンローとク
リス・エバートです。

ウィンブルドンにおいて、マッケンローは1981年、83年、84年の3回、男子シング
ルスで優勝を果たしています。また優勝こそ逃したものの、1980年のビヨン・ボ
ルグとの決勝戦は3時間55分にも上る死闘となり、歴史に残る名勝負として今でも
語り草となっています。さらに彼はキレやすい性格の持ち主で、審判の判定が気
に入らないと暴言を吐くことでも有名です。そのせいで「悪童」(SuperBrat)と
いうニックネームまで付けられましたが、彼の豪快なテニスは世界中の人々から
愛されていたのです。

一方のエバートは、ウィンブルドンでは1974年、76年、81年の3回、女子シングル
ス優勝を飾っています。ウィンブルドンで、マッケンローはライバルであるボル
グを抑えて優勝したことがありますが、エバートはライバルであるマルチナ・ナ
ブラチロワを1度も破ることができませんでした。でも、エバートは四大大会女子
シングルス決勝進出34回という、歴代1位の輝かしい記録を持っています。

現在、マッケンローはイギリスBBCの、エバートはアメリカNBCの解説者として活
躍中。本作での解説者役は、演技ではなく地のままでいけたと言います。実際は
どうかわかりませんが、本作中の2人のコメントは実に辛口。主人公ピーターを悪
く評価するものばかりです。

たとえば『コルトの活躍はまぐれだ』『まさに崩壊直前だ』など、“もっと応援
してよ〜”と思わず叫びたくなるほど。でも試合が進むにつれ、『ベテランの執
念を見せた』など、酷評が絶賛へと変わっていきます。

現役時代の2人をはじめ、名プレーヤーたちの雄姿を思い浮かべながら鑑賞するの
も、本作の楽しみ方かもしれません。


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いかがでしたか? この週末、ぜひ【ウィンブルドン】を観てくださいね。
次回はどんな映画の中に恋愛風景を見つけましょうか。

どうぞお楽しみに。


◇◆ バックナンバー ◆◇

※今号の中に登場したメルマガです。

第17号 〜愛は真実の姿を知ることから〜【プライドと偏見】 2007.8.17発行
http://archive.mag2.com/0000232371/20070817115825000.html?start=40

第27号 〜歩く力をくれた愛〜【エリザベスタウン】 2007.10.27発行
http://archive.mag2.com/0000232371/20071027100659000.html?start=20

第29号 〜がんばれ!私〜【ブリジット・ジョーンズの日記】 2007.11.11発行
http://blog.mag2.com/m/log/0000232371/109145665.html

第33号 〜愛がいっぱい〜【ラブ・アクチュアリー】 2007.12.8発行
http://archive.mag2.com/0000232371/20071208232518000.html

第39号 〜ハッピーエンドのその先は・・・〜
【ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月】2008.1.19発行
http://archive.mag2.com/0000232371/20080119190834000.html


◇◆ 今回紹介の映画 ◆◇

※商品の金額は、メルマガ発行日現在のものです。後日変更になる場合がありま
すのでご了承ください。

☆★ DVD ★☆

ウィンブルドン
価格:¥ 1,459(定価:¥ 1,800)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000EZ82TW/ref=nosim/?tag=dreamer312-22



発行者: 
dreamy(翻訳家)

発行者サイト: 
http://ivory.ap.teacup.com/dreamer312/ 

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採り上げてほしい作品もお知らせください。
メールは下記のアドレスまで: 
soup710@yahoo.co.jp


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