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公開中の新作を中心にわかりやすく、かつ踏み込んだレビューとコラムをお送りします。どちらかというと娯楽性より作品性重視の視点です。バックナンバーもご覧いただき、よろしければぜひ。

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  • 最新号 2009/11/18
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2009/08/15

シネマトコラムvol.99「コネクテッド」レビュー

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シネマトコラム vol.99 (2009.8.15)

 *新作レビュー「コネクテッド」
 *次号予告
 
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*新作レビュー
「コネクテッド」 ベニー・チャン監督 (香港)
ルイス・クー、バービー・スー、ニック・チョン、リュウ・イエほか出演

 米国以外で作られた映画をハリウッドがリメイクするのはよくあるが、
これは珍しくハリウッド作品を香港で逆リメイクしたもの。元作品の「セ
ルラー」を観ていないので比較は出来ないが、香港の社会と地形の特性が
ふんだんに生かされた意欲作で、やや劇画チックながらもアクション・サ
スペンスとしてのツボはしっかり押さえられている。

 ロボット設計技師のシングルマザー、グレイス(バービー・スー)は、娘
を学校に送った帰りに怪しい集団に拉致され、監禁される。男達は彼女に
弟を呼び出せ、と要求する。メカに強い彼女は壊された電話を配線し直し
、繋がった先は気の弱い会社員のアバン(ルイス・クー)。見ず知らずの女
からのコールに半信半疑の彼は、行きあった警官のファイ(ニック・チョ
ン)と替わるが、タイミング悪く警官は立ち去る。ただならぬものを感じ
て仕方なく彼女の言うとおり行動を始めたアバンは、犯罪組織との戦いに
巻き込まれていく……。

 映像も脚本も完成度は決して高いとはいえずアラも多い。思わず笑って
しまうほどチープな血糊、恐さより可笑しさが勝る犯人グループのボス(
リュウ・イエ)の芝居がかった大仰な演技、監視も付けない間抜けな監禁、
そしてどうみてもこの目的のために、こんな手の込んだことはしないだろ
うという犯人達の動機……。
 緻密でリアリティーのあるサスペンスを見慣れていると少し拍子抜けす
るが、序盤からド派手なカーチェイス(これもけっこう笑える)をかまして
くるので、ああ、こういうテイストの映画なんだ、と早めに気持ちをシフ
ト出来る。このあたりはある意味見せ方のテクニックかもしれない。
 アクションが売りの香港の映画にしては、本作は登場人物たちの人間模
様が複層的に織り込まれている。主役の2人が共に幼い子を持つシングル
で、特にアバンは海外に経つ息子を空港で見送る約束がある、という設定
で、メンタルに訴えかける要素も含んでいる。またかつての部下が昇進し、
自らは交通課に格下げされた後半大活躍のファイ刑事の境遇も、ストーリ
ーに厚みを加えている。
 断崖絶壁の切り立った山々、薬物の取引、マフィアと警察の癒着などの
「香港らしさ」は、良くも悪くも新鮮でインパクトがある。アバンの会社
とて決して品行方正ではなく、人には表と裏がある、というのも全編を通
してひとつのテーマになっている。

 本作の一番良いところは、だんだん緊張感が増し、クライマックスでど
んでん返しがあるという、サスペンス作品に最も重要な後半の作りがしっ
かりしていてキレがあることだ。これで前半のもの足りなさはかなり帳消
しになる。まあ元ネタがハリウッドなので、お決まりの形に落ち着くのだ
が、それでもちょっとキュンとさせるラストも悪くない。
 
 のび太クンのようなアバン役ルイス・クーは熱演で、役柄とよくマッチ
している。アイドル出身のバービー・スーはもう少し技量の幅が欲しいが、
時々犯人達に食ってかかるところがチャイナ系らしく、母親の強さを醸し
出していた。楽天の田中将大みたいなファイ刑事役ニック・チョンは、主
役級の活躍で、正義感の強いはつらつとした若い刑事を好演している。

 何を基準に観るか、で、一級の娯楽作とも、良く出来たB級作とも取れ
る。ただコンセプトも映像も作り手の意欲を感じることは確かで、なかな
か名リメイクだと思う。
 エンドロールの見せ方が洒落ていて感心してしまった。まさに携帯で始
まり、携帯で終る、のだ。

*↓「コネクテッド」公式サイト(予告編も見られます)
http://www.connected-movie.jp/

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*次号予告
次号新作レビューは未定です。

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シネマトコラム

 発行者 上間秀彦
連絡先 g-note.uema@nifty.com
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