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2009/07/16

シネマトコラムvol.97「サンシャイン・クリーニング」レビュー

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シネマトコラム vol.97 (2009.7.16)

 *新作レビュー「サンシャイン・クリーニング」
 *次号予告
 *映画以外のコト

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*新作レビュー
「サンシャイン・クリーニング」 クリスティン・ジェフズ監督 (米)
エイミー・アダムス、エミリー・ブラント、アラン・アーキンほか出演

 06年にヒットした「リトル・ミス・サンシャイン」の姉妹版的新作。負け組
姉妹による意外な仕事の奮闘記と、家族それぞれのドラマが盛り込まれた軽妙
なヒューマン作品である。

 かつてチアリーダーで、学園のアイドルだったローズ(エイミー・アダムス)。
30代の今は、地味なハウスキーパーで生計を立てるシングルマザーで、昔の彼
氏と不倫を続けている。妹のノラ(エミリー・ブラント)は、根気がなく無職で、
同居する父親ジョー(アラン・アーキン)頼みの生活を送っている。
 学校で異常行動が続く息子オスカーを転校させる金を捻出したいローズに、
高額報酬の話が舞い込む。それはなんと事件現場の”クリーニング”の仕事だ
った。ノラを巻き込み飛び込んだ新規事業、初めは悲惨な現場に閉口するが、
場数をこなして要領を覚え次第に腕を上げていく。しかし、ある事件をきっか
けに姉妹は対立、小さな家族は再び試練の時を迎える……。

 「リトル・ミス~」ほどの鮮烈さはなくやや小さくまとまった感じではある
が、「リトル~」同様、うまくいっていない人たちにスポットを当てて息吹を
吹き込む基調と、脱線気味だが明るく奮闘する彼女らの姿には普遍的な清々し
さがあり、やはり雇用と景気に陰りのあるアメリカでヒットしているのもうな
づける。
 積極的だが八方美人で様子見が甘い姉と、消極的でシニカルな妹の設定はさ
ほど新鮮味はないが、独特のポジティブシンキングを披露する父親ジョーが、
実に効いている。ヤバそうな仕事を始める姉妹にも、問題児のオスカーにも常
に笑って、何でも都合の良いように解釈するブッ飛んだトークは、落ち込みや
迷いを吹き飛ばす最高のスパイスとなって降り注ぐ。オスカーに珍妙な商売論
を説くが、自身の怪しげな菓子や海産物の転売ビジネス自体も可笑しい。
 決して娘や孫を否定しない彼だけに、後半一度だけローズを叱りつける言葉
には重みがある。
 そしてもう一人、本作の陰のMVPは、清掃用具問屋のマネージャー、ウィ
ンストン(クリフトン・コリンズJr)だ。片腕のせいか内向的な模型オタクだが、
気が良く何かとローズの力になる彼の立ち位置が絶妙だ。ふとしたことから、
ノラの友人になる謎めいた女性リン(メアリー・リン・ライスカブ)も印象的だ。

 時折広角の背景に映し出されるアメリカ郊外(コネチカット州?)の、空の青
やうっすら雪を被った山波の風景も美しい。また背景や周囲のモノの色とキャ
ストの服の色を合わせるなど、映像の工夫も細部まで凝っている。
 もう少し笑わせて、もう少しストーリーを揺り動かしても良かったようにも
思うが、隙がなく、いかにもミニシアター向きの佳作である。

「サンシャイン・クリーニング」公式サイト(予告編も観られます)
http://www.sunshine-cleaning.jp/index.html

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*次号予告
次号新作レビューは、「アマルフィ 女神の報酬」を取り上げる予定です。

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*映画以外のコト
 梅雨が明け、一気に真夏がやってきたような暑さですね。さて去る7月12日、
皇太子殿下ご一家がプロ野球を観戦されました。皇太子さまのご観戦は実に21
年ぶりだそうですが、意外と異例に満ちたエピソードばかりでした。
 今春のWBC以降、野球に興味を持たれている愛子さまのご希望でもあったよ
うですが、ご観戦に選ばれたのは神宮球場でのヤクルト─横浜戦。東宮御所か
ら近いとはいえ実に地味なカード。で、注目の愛子さまのお気に入りは、なん
と横浜ベイスターズの内川選手。試合前、緊張のご対面をした彼は、4回にみ
ごと二塁打を放ち、愛子さまは大喜び。内川選手のブログまでチェックされて
いて、実家の犬のことまでご存知だったとか。大相撲の琴光喜といい、内川と
いい、通好みの実に渋いセンスだなあと感心してしまいました。
 さらにご一家は試合開始30分以上前にご来場され、予定時間を30分延長して
試合終了までご観戦されたそうです。厳密な時間管理で移動される皇室の方の
スケジュールとしてはかなり異例のようですが、野球というスポーツは最後ま
で何が起こるかわからない、その全部を愛子さまがご覧になられたことは、大
きな意味があると思います。愛子さまがより野球に精通され楽しまれるといい
な、と思いつつ、久々に微笑ましく新鮮なニュースに釘付けになりました。
 ところで、雅子さまはヤクルト高田監督のファンだとか。これも意外。

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シネマトコラム

 発行者 上間秀彦
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