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公開中の新作を中心にわかりやすく、かつ踏み込んだレビューとコラムをお送りします。どちらかというと娯楽性より作品性重視の視点です。バックナンバーもご覧いただき、よろしければぜひ。

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  • 最新号 2009/11/06
  • 部数 558部
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2009/04/02

シネマトコラムvol.86コラム「演技は教えるな!?」

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シネマトコラム vol.86 (2009.4.2)

 *コラム「演技は教えるな!?」
 *次号予告

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*コラム「演技は教えるな!?」

先日、「キャラメル」を観た時にも思ったのだが、途上国や少なくとも映画大国
でない国の作品に出てくるキャストには、いわゆる大根役者がほとんどいない。
脇役を含め皆、その役に即した自然な演技でみごとに力が抜けている。それが作
品に輪郭を与え、知名度や予算のハンディーを補って余りある例がたくさんある。
昨年の「闇の子供たち」や、一昨年の「バベル」なども現地キャスト陣の飾らな
い演技が印象的だった。

対して特に近年のハリウッドや日本の映画は、テーマや話題性はともかく、役者
の演技がとてもわざとらしく、明らかに技量不足な抜擢が多く見受けられる。
キャストに誰を選ぶか、そしてどんな役どころを指示するかは監督のセンスに依
るところが大きいが、近年は監督も俳優もテレビ出身あるいはテレビと掛け持ち
という人もけっこういて、結果「テレビ的な映画」がたくさん輩出される。
テレビのバラエティー番組の延長線で作られる作品に、映画の演技力を期待する
のは無理な話かもしれない。

しかし、欧米でも日本でもみんな小さい頃から学校や地域で演技をする学芸会的
な経験をそれなりにしてきているはずである。なのに大人になって役者を志す者
がバラエティー程度の演技しかできないのはなぜか……?
考えてみると、子供の頃求められる「もっと感情を込めて!」といった一生懸命
さをアピールすること、ばかりを教え込まれてきた弊害ではないだろうか、と思
えるのだ。
子供の頃は確かにオーバー気味で一生懸命さを強調した演技が”良い演技”とし
て大人を喜ばせ、”表現力の豊かな子供”とされるが、いざ大人になると今度は
一転自然な演技や抑えた表現が”良い演技”といわれる。お手本の価値観がいつ
のまにか逆転することになかなか気付かないし、教えられることもない。

小さい頃に感情表現を教え込まれていないエリアの人たちは、なまじ「良い演技」
の予備知識など持っていない。それゆえ本番では普段の会話と同じに喋り、普通
に振舞う。結果的にそれが”映画大国”の観客や評論家の目と心を刺激し、高評
価につながる。逆もまた真なり、というが案外「逆こそが真なり」なのではない
だろうか。
スクリーンの中に息づく欧米や日韓以外の無名の、時に素人のキャストの混じり
気のない演技をみるにつけ、そんなことを感じる。

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*次号予告
次号新作レビューは「ザ・バンク」を取り上げる予定です。今月は意欲作の公開
が相次ぐので楽しみです。

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シネマトコラム

 発行者 上間秀彦
  連絡先 g-note.uema@nifty.com
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  http://form.mag2.com/trigawiowo

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