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2009/11/30

★実践プロマネ[IT成果のモニタリングと評価]★

2009/11/30 No.134
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      ★ 実践プロマネのメールマガジン ★
     (プロマネ経験からの実践的なアドバイス)

   「実践プロマネのメールマガジン」で発行した情報は
   http://home.g00.itscom.net/project/index.html
   にタイトルをつけて掲載しています。こちらもご覧下さい。
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経営戦略の実現にはITシステムの活用が欠かせません。

ITシステムの活用目的が「業務の効率化」から「経営戦略の実現」に変化
しているからです。

経営戦略にかかわるITシステムの導入効果が上がらなければ、企業経営が
成り立たないことになります。

経営戦略の実現手段として導入したITシステムが、期待する効果をあげて
いることを定期的にモニタリングすることが重要です。

経営戦略は、長期的には経営3ヵ年計画のように設定されます。

その目的で導入したITシステムを3年後に評価するとどうなるでしょうか。

もし、十分な成果が現れていなければ、対策は手遅れになります。

ITシステムの導入効果は四半期または半期毎にモニタリングします。

効果が十分でなければ、運用に問題があるのか、ITシステムに改善が必要
なのか、ステークホルダーを中心に考察します。

運用で改善が図れるようであれば、即刻対策を打ちます。

ITシステムに見直しが必要であれば、システムベンダーとも相談し、改善
期間を考慮して、計画的な改善を図ります。



それでは、IT成果のモニタリングと評価のマネジメントガイドラインと成
熟度モデルについて確認していきます。


【マネジメントガイドライン】


IT成果のモニタリングと評価の達成目標とその評価指標を以下に示します。
(↑↓測定)は達成目標とその評価指標の関係を表します。
(↓設定)はIT、プロセス、アクティビティの関係を表します。

★IT
達成目標 
 ・取締役会の指示に従ったガバナンス要件への対応
 ・ビジネス戦略と合致するビジネス要件への対応
 ・費用効率の高いITサービスの品質、継続的な改善、および将来の変更に
  対する対応力実現の保証
 ・ITの費用、便益、戦略、ポリシー、およびサービスレベルの透明性の
  確実な保証と理解の保証
(↑↓測定)
評価指標
 ・ITプロセスの有効性指標と効率性指標に関する達成目標に対する変更
  の数
 ・成果報告に対するマネジメント層や管理部門の満足度
 ・未解決のプロセス上の不備の削減数

(↓設定)

★プロセス
達成目標
 ・ITと重要なプロセスに対する測定可能な目標の設定
 ・プロセス指標の測定、モニタリング、および報告
 ・成果改善策の明確化と実施
(↑↓測定)
評価指標
 ・測定プロセスに対する利害関係者の満足度
 ・モニタリング対象となっている重要プロセスの割合
 ・モニタリングアクティビティの結果を受けて実施された改善策の件数
 ・達成された成果目標の数(コントロール目標における指標に基づく)

(↓設定)

★アクティビティ
達成目標
 ・プロセスの成果報告の把握と照合、およびマネジメント層への報告への
  組み込み
 ・合意した達成目標に照らした成果のレビューと、必要な是正措置の実施
(↑↓測定)
評価指標
 ・プロセス上の何らかの不備が報告されてから対応策の実施までに要する
  時間
 ・実際の成果目標、測定指標、達成目標、およびベンチマークを測定項目
  に反映するまでに要する時間
 ・プロセスあたりの指標の数
 ・特定され、モニタリングに組み込まれた因果関係の数
 ・測定データの収集に必要な労力
 ・測定プロセスでは特定されない問題の数
 ・業界水準と設定された達成目標に照らしてベンチマーク評価が可能な指
  標の割合


【成熟度モデル】


「ガバナンス要件に従った、ITの費用、便益、戦略、ポリシー、およびサ
ービスレベルの透明性の確保と理解の実現」というITに対するビジネス要
件です。

このビジネス要件を満たす上で、「IT成果のモニタリングと評価」プロセス

における管理の成熟度は、以下のとおりです。


成熟度0 -不在-

組織にモニタリングプロセスが導入されていません。

IT部門は独自にプロジェクトやプロセスのモニタリングを行っていません。

有用で、タイムリー、かつ正確な報告は作成されていません。

明確に理解されたプロセス目標が必要であると認識されていません。


成熟度1 -初期/その場対応-

マネジメント層は、モニタリングプロセスに関する情報を収集し、評価する
必要があることを認識しています。

しかし、情報収集と評価の標準的なプロセスは明確にされていません。

モニタリングは実施されているが、指標は特定のITプロジェクトやプロセ
スの必要性に応じて必要の都度、場当たり的に選択されています。

通常、組織に何らかの損失や損害を与えるようなインシデントが発生してか
ら、それに対応する形でモニタリングが実施されます。

経理部門により、ITにかかわる基本的な財務指標がモニタリングされてい
ます。


成熟度2 -再現性はあるが直感的-

モニタリング対象となる基本的な測定項目が特定されています。

情報収集と評価の方法および技法は定められているが、モニタリングプロセ
スが組織全体で採用されていません。

モニタリング結果は、主担当者の専門知識に基づいて解釈されます。

情報収集用に一部のツールが選定され、導入されているが、計画的なアプロ
ーチに基づく情報収集は行われていません。


成熟度3 -定められたプロセスがある-

マネジメント層が標準的なモニタリングプロセスを周知し制度化しています。

モニタリングのための教育訓練プログラムが導入されています。

過去の成果情報が知識ベースとして正式に蓄積されています。

評価は未だ個々のITプロセスやプロジェクトのレベルで行われており、す
べてのITプロセス間で一貫した評価が実施されてません。

ITプロセスとサービスレベルをモニタリングするツールが定義されていま
す。

組織の業績に対する情報サービス機能の貢献度の測定指標は定められている
ものの、財務面、業務面における従来の基準が活用されています。

ITに特化した成果の測定項目、非財務的測定項目、戦略的測定項目、顧客
満足度測定項目、およびサービスレベルが定義されています。

成果測定のためのフレームワークが定義されています。


成熟度4 -管理され、測定可能である-

マネジメント層は、プロセス運用上の許容逸脱レベルを定めています。

モニタリング結果の報告は、標準化され定例化されつつあります。

すべてのITプロジェクトやプロセスにわたる指標が統一されています。

IT部門からマネジメント層への正式な報告システムが作られています。

自動化されたツールが組織全体で統合されており、さまざまなアプリケーシ
ョン、システム、プロセスに関する運用情報の収集とモニタリングに活用さ
れています。

マネジメント層は、利害関係者により承認された合意された基準に基づき、
成果を評価できます。

IT部門の測定指標は、組織全体の達成目標と整合しています。


成熟度5 -最適化-

継続的な品質改善プロセスが構築されており、組織全体のモニタリング標準
やポリシーを最新の状態に維持するとともに、業界の優れた実践方法(手法)

を取り入れています。

モニタリングプロセスはすべて最適化され、組織全体の目標の達成を支援す
る手段として確立されています。

ビジネス主導の指標が成果測定のために日常的に使用されており、ITバラ
ンススコアカードなどの戦略的評価フレームワークに統合されています。

プロセスモニタリングと継続的な改善は、組織全体のビジネスプロセスの改
善計画に沿って行われています。

業界や主要な競合企業に対する汎用的な(比較の)基準を用いたベンチマー
キングが行われています。



次号では、「内部統制のモニタリングと評価」の詳細に触れます。


【以下は前号までを参照のこと】
 [COBITの歴史]
 [COBITの4つのドメインと34のコントロール目標]
 [ITCのプロセスガイドライン]

参考資料 COBIT 4.1 日本語版 (Japanese) 
     情報システムコントロール協会 (ISACA) 

参考資料 ITCプロセスガイドライン Ver.1.1
     ITコーディネータ協会


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