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2009/08/24

★実践プロマネ[サービスデスクとインシデントの管理(1)]★

2009/08/24 No.121
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      ★ 実践プロマネのメールマガジン ★
     (プロマネ経験からの実践的なアドバイス)

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ITシステムはハードウェアの障害、ソフトウェアのバグ、運用者の操作ミ
スで停止または異常な動作をする場合があります。

利用者サイドでは、自社で保守体制を組んだり、ベンダーに保守を委託する
などして、事前対策を講じます。

自前体制にせよ、ベンダー委託にせよ、発生するインシデントがしっかり管
理されていなければなりません。

障害は類似性のある場合が多く、蓄積した情報でナレッジを構築することが
できます。

類似を検索して過去の最適な対処を参考に、障害の原因、対策を早期に見出
すことができます。

障害発生時には、早期に復旧させることが第一の命題です。

特に公共性の高い社会システムの停止したような場合では、じっくり原因を
調査して、時間を掛けて対策を講じることはできません。

事前に発生するであろう障害を予測し、予防保守、障害復旧訓練も必要にな
ります。

インシデント管理と並行して重要なことは、ステークホルダーへのエスカレ
ーションです。

問題は現場から発生しますが、ITシステムの障害は企業活動に大きな影響
を与えます。

内外にサービスデスクを設置し、インシデント管理、インシデントエスカレ
ーション体制を導入し、機動的に活動できる仕組み作りが重要です。



それでは、サービスデスクとインシデントの管理のプロセスの説明とコント
ロール目標について確認していきます。


【プロセスの説明】


ITユーザの問い合わせや発生した問題に対してタイムリーかつ効果的に対
応するには、適切に構成、運用されているサービスデスクとインシデント管
理プロセスが必要です。

このプロセスには、インシデント登録、インシデントエスカレーション、傾
向と根本原因の分析、および問題解決の機能を持つサービスデスクの設置が
含まれます。

ビジネス上の便益には、ユーザからの問い合わせに対する迅速な対応による、
生産性の向上が含まれます。

さらに、効果的な報告を通して、ビジネス部門はユーザ研修の不足といった
根本原因の追究に取り組むことができます。

サービスデスクとインシデントの管理のコントロール目標は、
エンドユーザからの問い合わせ、質問、およびインシデントを確実に解決お
よび分析し、ITシステムの効果的な利用を実現することを、ビジネス要件
とします。

重点をおくべきコントロールは、速やかな対応、明確なエスカレーション手
続、および解決策/傾向分析のプロフェッショナルな機能を持つサービスデ
スクの設置することである。

実現するための手段は、次の3項目です。

1)サービスデスクの導入と運用
2)傾向のモニタリングと報告
3)明確なエスカレーション基準と手続の策定

その成果の測定指標は、次の3項目です。

1)一次サポートに対するユーザの満足度
2)合意/容認された期間内に解決したインシデントの割合
3)放棄呼率: サービスデスクが応答する前に、ユーザが問い合わせを放棄
  (切断)したコール(呼)の割合



【コントロール目標】


DS8.1 サービスデスク

すべての問い合わせ、報告されたインシデント、およびサービスと情報に関
する要求を登録、伝達、処理、分析し、ユーザとIT部門とをつなぐ機能を
果たすサービスデスクを設置します。

該当SLAに関連する、合意されたサービスレベルに基づくモニタリングと
エスカレーション手続が存在し、報告されたすべての課題を、インシデント、
サービス要求、情報要求のいずれかに分類し、優先順位付けすることが可能
になっている必要です。

サービスデスクとITサービスの質に対するエンドユーザの満足度を測定し
ます。


DS8.2 顧客からの問い合わせの登録

問い合わせ、インシデント、サービス要求、情報要求を記録し追跡するため
の機能とシステムを確立します。

このシステムは、インシデント管理、問題管理、変更管理、キャパシティ管
理、および可用性管理といったプロセスと密接に連携する必要があります。

インシデントはビジネスとサービスの優先度に基づいて分類し、必要に応じ
て該当する問題管理担当チームに伝達します。

顧客に対しては、それぞれの問い合わせへの対応状況を常に通知します。


DS8.3 インシデントエスカレーション

速やかに解決できないインシデントを、SLAで定められている制約の範囲
内で適切にエスカレーションし、必要に応じてワークアラウンド(回避策)
の提示を可能にする、サービスデスクの手続を確立します。

インシデントの解決をどのITグループが担当しているかにかかわらず、ユ
ーザから報告されたインシデントの担当とライフサイクルのモニタリングは、
確実にサービスデスクが担います。


DS8.4 インシデントのクローズ

顧客からの問い合わせへの対応完了をタイムリーにモニタリングするための
手続を確立します。

インシデントが解決された段階で、サービスデスクが問題解決に向けて講じ
たステップを記録し、顧客と合意した対応が取られていることを確認します。

また既知のエラーやワークアラウンド(回避策)といった未解決のインシデ
ントについては、適切な問題管理に関する情報を提供できるように、記録と
報告を行います。


DS8.5 報告と傾向分析

サービスデスクのアクティビティに関する報告書を作成します。

この報告書により、マネジメント層がサービスの成果と対応時間を測定して、
傾向や再発性のある問題を特定できるようになり、サービスの継続的な改善
が可能になります。



次号では、
「サービスデスクとインシデントの管理(2)」の詳細に触れます。



【以下は前号までを参照のこと】
 [COBITの歴史]
 [COBITの4つのドメインと34のコントロール目標]
 [ITCのプロセスガイドライン]

参考資料 COBIT 4.1 日本語版 (Japanese) 
     情報システムコントロール協会 (ISACA) 

参考資料 ITCプロセスガイドライン Ver.1.1
     ITコーディネータ協会


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