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2009/07/27

★実践プロマネ[費用の捕捉と配賦(2)]★

2009/07/27 No.118
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      ★ 実践プロマネのメールマガジン ★
     (プロマネ経験からの実践的なアドバイス)

   「実践プロマネのメールマガジン」で発行した情報は
   http://home.g00.itscom.net/project/index.html
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ITコーディネータのプロセスガイドラインでは、IT投資のライフサイク
ルは、経営戦略策定、戦略情報化企画、情報化資源調達、情報システム開発・
テスト・導入、運用デリバリーの5フェーズで構成されています。 

戦略情報化企画フェーズで作成した経営戦略と整合性のとれた情報化企画書
をもとに、情報化資源調達フェーズにおいて詳細に展開して情報化実施計画
書を作成します。

また、情報化実施計画書をもとに内部、外部から調達する資源を決め、その
調達に必要なRFPを作成します。

RFPでベンダーに提案を求め、それらを比較検討して自社に適したハード
ウェア、ソフトウェア、ネットワーク等の資源を選定します。

その後、選定した資源のベンダーと契約を締結します。

一般に、契約書の中に記述しにくいサービス品質をSLAとして別途締結し、
開発を委託します。

このSLAでサービス品質が詳細に明記されないと、費用を補足し、利用者
部門に適正な費用配賦ができません。

費用の捕捉と配賦には、SLAでのサービス品質の明確化が必須になります。



それでは、費用の捕捉と配賦のマネジメントガイドラインと成熟度モデルに
ついて確認していきます。


【マネジメントガイドライン】


費用の捕捉と配賦の達成目標とその評価指標を以下に示します。
(↑↓測定)は達成目標とその評価指標の関係を表します。
(↓設定)はIT、プロセス、アクティビティの関係を表します。

★IT
達成目標 
 ・IT運用にかかる費用、便益、戦略、ポリシー、およびサービスレベル
  についての透明性の確保と理解の実現
 ・ITの費用効率およびビジネス収益性へのITの貢献度の向上
 ・ITによる費用効率の高いサービス品質、継続的な改善、および将来の
   変更に対する対応力の保証
(↑↓測定)
評価指標
 ・ビジネス管理部門が承認した/支払ったITサービスの費用請求の割合
 ・サービスあたりの長期的な単位原価
 ・ITサービスの費用モデルに対するビジネス部門の満足度(調査)

(↓設定)

★プロセス
達成目標
 ・IT費用とサービスの適正かつ公平な定義付け
 ・ITサービスの費用の正確な捕捉
 ・ITサービス利用者へのIT費用の適正かつ公平な配賦
(↑↓測定)
評価指標
 ・予算、予測、および実費用間の不一致の割合
 ・同意された費用モデルに基づいて配賦されたIT費用の総IT費用に対
  する割合
 ・ビジネス部門の同意を得られなかった費用の割合

(↓設定)

★アクティビティ
達成目標
 ・ビジネス管理部門による配賦費用のレビュー
 ・提供サービスの質に見合う費用の調整
 ・完備された費用モデルの構築とそれに対する同意
 ・同意されたポリシーに基づく課金の実施
 ・費用のベンチマーク評価の定期的な実施
(↑↓測定)
評価指標
 ・費用モデルの定義に関与したビジネス部門の担当者の割合
 ・費用配賦モデルのレビュー頻度
 ・自動/手動で配賦された費用の割合


【成熟度モデル】


「IT費用の透明性と理解の確保、および十分な情報を得た上でのITサー
ビスの利用による費用効率の向上。」というITに対するビジネス要件です。

このビジネス要件を満たす上で、「費用の捕捉と配賦」プロセスにおける管
理の成熟度は、以下のとおりでです。


成熟度0 -不在-

提供される情報サービスに関する費用を特定し配賦するために認知可能なプ
ロセスがまったく存在しない。

組織は、原価計算に関して対処すべき問題の存在さえ認識しておらず、した
がってその問題に関する話し合いも行われていない。


成熟度1 -初期/その場対応-

情報サービスの全体的な費用について一般的な理解はあるが、ユーザ、顧客、
部門、ユーザグループ、サービス組織単位、プロジェクト、および成果物ご
との費用について個別に認識されていない。

マネジメントに費用総計が報告されるだけで、費用のモニタリングは事実上
実施されていない。

IT費用は運用上の経費として配賦されている。

ビジネス部門に対して、サービス提供の費用もしくは便益に関する情報が提
供されていない。


成熟度2 -再現性はあるが直感的-

費用の集計と配賦の必要性が全体的に認識されている。

費用配賦は非公式または費用に対する基本的な前提(ハードウェア費用など)
に基づいて実施されており、価値要因への関連付けがほとんどなされていな
い。

費用配賦プロセスは繰り返し実施されている。

費用の捕捉と配賦に関する標準の手続について、正式な研修が行われておら
ず、また周知もされていない。

費用の捕捉と配賦の実行責任が割り当てられていない。


成熟度3 -定められたプロセスがある-

情報サービスの費用モデルが定められ、文書化されている。

ユーザに提供されるサービスとIT費用の関連付けプロセスが定義されてい
る。

情報サービスにかかる費用について、適切に認識されている。

ビジネス部門に対し、費用に関する基本的な情報が提供されている。


成熟度4 -管理され、測定可能である-

情報サービスの費用管理についての実行責任と説明責任の所在が明確化され
ており、すべてのレベルにおいて十分に理解されている。

また、これらの費用管理に関する正式な研修が実施されている。

タイムリーかつ自動化された方法を用いて直接費と間接費が捕捉され、マネ
ジメント層、ビジネスプロセスオーナ、およびユーザに報告されている。

費用のモニタリングと評価が概ね実施されており、費用の逸脱が発見される
と対応措置がとられる。

情報サービスの費用は、ビジネス目標とSLAに関連付けて報告されており、
ビジネスプロセスオーナによりモニタリングされている。

財務部門により、費用配賦プロセスの妥当性レビューが実施されている。

自動化された原価計算システムが存在しているが、このシステムではビジネ
スプロセスではなく情報サービス機能に重点が置かれている。

費用測定に関する達成目標と測定指標について合意が得られているが、その
測定方法は一貫していない。


成熟度5 -最適化-

提供サービスの費用が捕捉、集計され、マネジメント層、ビジネスプロセス
オーナ、およびユーザに報告されている。

費用は請求可能項目として捕捉され、提供されたサービスに対して、利用率
に基づいてユーザに適切に請求するチャージバックシステムで対応可能であ
る。

費用明細は、SLAに対応している。

サービス費用のモニタリングと評価結果が、IT資源の費用の最適化に活用
されている。

取得した費用の数値が、便益実現の検証、および組織の予算策定プロセスに
利用されている。

高度な報告システムを使用した情報サービスの費用報告により、ビジネス要
件の変化について早期警告を得ることができる。

提供されるサービスごとの処理量から導き出された、変動費用モデルが活用
されている。

費用管理は、継続的な改善および外部組織とのベンチマークの評価の結果、
業界のベストプラクティスレベルにまで高められている。

費用の最適化は継続的なプロセスとして実施されている。マネジメント層は、
費用測定システムの再設計における継続的な改善プロセスの一環として、目
標と指標のレビューを行っている。



次号では、「利用者の教育と研修」の詳細に触れます。


【以下は前号までを参照のこと】
 [COBITの歴史]
 [COBITの4つのドメインと34のコントロール目標]
 [ITCのプロセスガイドライン]

参考資料 COBIT 4.1 日本語版 (Japanese) 
     情報システムコントロール協会 (ISACA) 

参考資料 ITCプロセスガイドライン Ver.1.1
     ITコーディネータ協会


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