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2009/06/01

★実践プロマネ[サードパーティのサービスの管理(2)]★

2009/06/01 No.110
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      ★ 実践プロマネのメールマガジン ★
     (プロマネ経験からの実践的なアドバイス)

   「実践プロマネのメールマガジン」で発行した情報は
   http://home.g00.itscom.net/project/index.html
   にタイトルをつけて掲載しています。こちらもご覧下さい。
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自社での導入、運用からサードパティのサービスに切り替える際には、導入
時の初期費用、ランニングコストに加え、そのサービスの信頼性に着目しな
けらばなりません。

サービス提供者は、同一サービスを複数企業に提供することで、コストを押
さえています。

ドキュメント標準、運用作業標準、トラブル時の対策(トラブルシューティ
ング、原因究明、復旧など)が確立していることが、サードパティのサービ
スに求められます。

一般に、ひとつの組織で多くのサービスをこなす場合、単体のサービスレベ
ルは分散して低くなります。

サードパーティは、このサービスレベルを落とさずに、コストを可能な限り
1単体分で済ませるように努力しています。

利用者側からは、サードパーティの質が問題になってきます。

サードパーティのサービスレベルを商談時に確かめることはほとんど不可能
です。

せいぜい、同業他社からの評判を聞いて判断する程度です。

サードパーティのサービスを利用する際には、自社にて評価基準を設定し、
契約時とサービス開始時に評価することが重要です。

また、リスクを明確にし、サードパーティの変更を余儀なくされることも、
考えておかなければなりません。



それでは、サードパーティのサービスの管理のマネジメントガイドラインと
成熟度モデルについて確認していきます。


【マネジメントガイドライン】


サードパーティのサービスの管理の達成目標とその評価指標を以下に示しま
す。
(↑↓測定)は達成目標とその評価指標の関係を表します。
(↓設定)はIT、プロセス、アクティビティの関係を表します。

★IT
達成目標 
 ・サードパーティとのリレーションシップについての相互満足の達成
 ・提供サービスとサービスレベルに対するエンドユーザの満足の確保
 ・IT運用にかかる費用、便益、戦略、ポリシー、およびサービスレベル
  についての透明性の確保と理解の実現
(↑↓測定)
評価指標
 ・契約されたサービスに関するユーザからの苦情件数
 ・購入費用のうち、競争調達の対象となっている費用の割合

(↓設定)

★プロセス
達成目標
 ・適格なサービスプロバイダ(サードパーティ)との相互責任を伴うリレー
  ションシップの確立
 ・サービス提供のモニタリングと合意内容との適合性の確認
 ・サービスプロバイダが、関連する内外の標準に準拠していることの確認
 ・サービスプロバイダの関係継続要望の維持
(↑↓測定)
評価指標
 ・明確に定義された要件とサービスレベルを満たす主要サービスプロバイ
  ダの割合
 ・サービスプロバイダとの正式な係争の件数
 ・サービスプロバイダからの請求書のうち係争の対象となったものの割合

(↓設定)

★アクティビティ
達成目標
 ・サービスプロバイダのサービスの特定と分類
 ・サービスプロバイダにかかわるリスクの特定と低減
 ・サービスプロバイダの成果のモニタリングと測定
(↑↓測定)
評価指標
 ・明確に定義された要件とサービスレベルが義務付けられた主要サービス
  プロバイダの割合
 ・モニタリング対象となっている主要サービスプロバイダの割合
 ・サービスプロバイダからのコミュニケーションの有効性に対するビジネ
  ス部門の満足度
 ・ビジネス部門からのコミュニケーションの有効性に対するサービスプロ
  バイダの満足度
 ・サービスプロバイダの契約不履行によって一定期間内


【成熟度モデル】


「効果、費用、およびリスクに関する透明性を維持し、サードパーティによ
る要件を満たすサービス提供を実現する。」というITに対するビジネス要
件です。

このビジネス要件を満たす上で、「サードパーティのサービスの管理」プロ
セスにおける管理の成熟度は、以下のとおりです。


成熟度0 −不在−

実行責任と説明責任が定義されていない。サードパーティとの契約締結に関
する正式なポリシーと手続が規定されていない。

マネジメント層は、サードパーティからのサービスについて、承認もレビュ
ーも実施していない。

成果測定が実施されておらず、サードパーティによる報告もない。

契約上、報告義務が定められていないため、マネジメント層は、提供される
サービスの質を認識していない。


成熟度1 −初期/その場対応−

マネジメント層は、契約の締結を含め、サードパーティ管理に関するポリシ
ーと手続を文書化する必要性を認識している。

サービスプロバイダとの契約に盛り込むべき標準的な契約条項は定められて
いない。

提供サービスの成果測定は非公式かつ事後的に実施されている。

実施方法は、各担当者とサービスプロバイダの経験に依存しており、たとえ
ば要求された場合などに限り実施されている。


成熟度2 −再現性はあるが直感的−

サービスプロバイダ(サードパーティ)についての関連リスク、およびサー
ビス提供状況の監督プロセスは非公式なものである。

標準的なベンダーとの契約条項(提供されるべきサービスについての記述な
ど)が規定された出来合いの契約書が締結され、使用されている。

提供サービスに関する報告は実施されているが、ビジネス目標の達成に役立
っていない。


成熟度3 −定められたプロセスがある−

ベンダーの審査とベンダーとの交渉に関する明確なプロセスを含む、サード
パーティのサービスを管理するための手続が適切に文書化され、整備されて
いる。

提供サービスに関する合意が存在する場合、サードパーティとの関係は純粋
に契約に基づくものである。

契約には提供されるサービスの性質が詳述されている。

これには、法的要件、運用上の要件、およびコントロール要件が含まれてい
る。

サードパーティのサービスの監督実行責任が割り当てられている。

契約条項は、契約の標準テンプレートに基づいている。

サードパーティのサービスに関連するビジネスリスクについて評価し報告さ
れている。


成熟度4 −管理され、測定可能である−

契約条項の定義に関する正式かつ標準化された基準が確立されている。

この契約条項には、作業範囲、提供されるべきサービス/成果物、前提条件、
スケジュール、費用、請求処理、および実行責任が含まれる。

契約とベンダーの管理の実行責任が割り当てられている。

ベンダーの適格性、リスク、および能力が継続的に確認されている。

サービス要件が定義され、ビジネス目標と関連付けられている。

サービスの成果を契約条項に照らし合わせてレビューするプロセスが確立さ
れている。

これは、現行と将来のサードパーティのサービスの評価へのインプットとな
る。

調達プロセスにおいて、振替価格設定モデルが利用されている。

関係者全員がサービス、費用、および各工程で期待される成果について認識
している。

サービスプロバイダの監督における目標と指標について合意が得られている。


成熟度5 −最適化−

サードパーティとの間で締結された契約が、事前に定義されている間隔で定
期的にレビューされている。

サービスプロバイダ管理と提供サービスの品質管理の実行責任が割り当てら
れている。

運用、法律、コントロールに関する契約条項へのコンプライアンス状況が、
常にモニタリングされており、必要な場合に是正措置が講じられている。

サードパーティに対する独立した定期レビューが実施されており、成果に関
するフィードバックが提供され、サービス提供の改善に役立てられている。

ビジネス状況の変化に対応する形で測定方法も変動する。

成果測定により、サードパーティのサービスにおける潜在的問題を早期に発
見できる。

サービスレベル達成状況の包括的かつ明確な報告は、サードパーティに対す
る支払いに関連付けられている。

マネジメント層は、測定結果に基づきサードパーティからのサービスの調達
とモニタリングのプロセスを調整している。



次号では、
「性能とキャパシティの管理」の詳細に触れます。


【以下は前号までを参照のこと】
 [COBITの歴史]
 [COBITの4つのドメインと34のコントロール目標]
 [ITCのプロセスガイドライン]

参考資料 COBIT 4.1 日本語版 (Japanese) 
     情報システムコントロール協会 (ISACA) 

参考資料 ITCプロセスガイドライン Ver.1.1
     ITコーディネータ協会


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