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2009/04/27

★実践プロマネ[ソリューションおよびその変更の導入と認定(2]★

2009/04/27 No.106
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停止が極めて困難な業務システムがあります。

新システムへの切り替え、業務改善に伴うアップグレードに多くの配慮が必
要になります。

システム入れ替えでは5月の連休、8月の夏季連休、年末年始を利用するこ
とが一般的です。金融系業務システムでも年末年始を利用する場合が多いよ
うです。それでも1週間弱の作業期間しかありません。

この期間に実施すべき作業を最小限にし、それ以外の移行作業は事前、事後
に回すように計画します。特に事前作業は切り替え前日までに役割分担も明
確にし、手順通りに完了させます。

例えば、年末年始の切り替え作業であれば、データの移行、旧システム環境
の撤去、新システムの設置、セットアップ、運用テスト、運用教育、最終確
認、運用初期設定等を5日間程度で終わらせなければなりません。

これにはお客様の運用部門、システム部門、ベンダーのシステムエンジニア
が協力して当たらなければ成り立ちません。

運用が大きく変更になる場合、利用者のシステム習熟も考慮が必要です。
事前にテスト環境を準備して計画的に運用教育を実施する必要があります。

業務改善に伴うアップグレードでも、いきなり稼動している業務システムに
修正を施すことはできません。

このようなシステムでは、常時テスト環境を用意し、稼動システムと同一環
境を保証しつつ、事前テストを実施し、本番システムへのリリースを行わな
ければなりません。

これらは導入プロセスと認定プロセスの両方が機能して初めて成立するもの
です。



それでは、ソリューションおよびその変更の導入と認定のマネジメント
ガイドラインと成熟度モデルについて確認していきます。


【マネジメントガイドライン】


ソリューションおよびその変更の導入と認定の達成目標とその評価指標を
以下に示します。
(↑↓測定)は達成目標とその評価指標の関係を表します。
(↓設定)はIT、プロセス、アクティビティの関係を表します。

★IT
達成目標 
 ・自動化された業務取引および情報交換の信頼性の保証
 ・ソリューションとサービスの提供における不備と手戻りの削減
 ・ビジネス戦略と整合性のとれたビジネス要件への対応
 ・アプリケーションおよび技術的ソリューションのビジネスプロセスへの
  シームレスな統合
 ・アプリケーションおよび技術的ソリューションの適切な利用と成果達成
  の確保
 ・エラー、意図的な攻撃、または災害で生
(↑↓測定)
評価指標
 ・新規システムのデータインテグリティに満足している利害関係者の割合
 ・導入後プロセスでの測定において、期待される便益を実現したシステム
  の割合

(↓設定)

★プロセス
達成目標
 ・アプリケーションおよび技術的ソリューションに関する、本来の目的へ
  の適合性の検証と確認
 ・承認されたアプリケーションおよび技術的ソリューションのリリース
  および適切な配布
 ・アプリケーションおよび技術的ソリューションの使用に向けたビジネス
  ユーザおよび運用担当者側の準備
 ・新規ビジネスアプリケーション、および既存アプリケーションへの変更
  におけるエラーの確実な排除
(↑↓測定)
評価指標
 ・社内または社外の監査時に発見された導入プロセスと認定プロセスに関
  するエラーの数
 ・不適切な受け入れテストに起因する導入後の手戻りの作業量
 ・不適切な研修に起因するユーザからサービスデスクへの問い合わせ件数
 ・不適切なテストに起因するアプリケーションダウンタイムまたはデータ
  修正量

(↓設定)

★アクティビティ
達成目標
 ・稼働前に十分な受け入れテストを確実に実施するためのテスト方法の
  確立
 ・すべての構成管理アイテムに対する変更の追跡記録
 ・リリース計画の策定
 ・導入後レビューの実施
 ・ビジネス部門の管理者によるテスト結果の評価と承認
(↑↓測定)
評価指標
 ・導入プロセスおよび認定プロセスへの利害関係者の関与度
 ・文書化および承認されたテスト計画があるプロジェクトの割合
 ・導入後レビューから得られた教訓の数
 ・導入および認可された機能の品質保証レビュー時に発見されたエラー
  の割合
 ・導入前にマネジメント層から必要な承認を受けていない変更の数


【成熟度モデル】


「新規システムまたは変更されたシステムを、導入後、重大な問題を発生さ
せずに実装する」というITに対するビジネス要件です。

このビジネス要件を満たす上で、「ソリューションおよびその変更の導入と
認定」プロセスにおける管理の成熟度は、以下のとおりです。


成熟度0 −不在−

正式な導入プロセスや認定プロセスはまったく存在せず、マネジメント層や
IT担当スタッフも、各種のソリューションについて本来の目的との適合性
を検証する必要性を認識していない。


成熟度1 −初期/その場対応−

導入されるソリューションが本来の目的に適合するものであるか検証および
確認する必要性が認識されている。

テストが実施されているプロジェクトもあるが、テストのイニシアチブは個
々のプロジェクトチームに委ねられており、採用されるアプローチにもばら
つきがある。

正式な認定および承認は、ほとんど実施されていないか、まったく実施され
ていない。


成熟度2 −再現性はあるが直感的−

テストと認定のアプローチにある程度の一貫性はあるが、特定の方法論に基
づいていないことが多い。

通常個々の開発チームがテストのアプローチを決定しており、多くの場合統
合テストは実施されていない。

承認プロセスは非公式なものである。


成熟度3 −定められたプロセスがある−

導入、移行、変換、および受け入れに関する正式な方法論が整備されている。

ITの導入プロセスと認定プロセスは、システムのライフサイクルに統合さ
れており、ある程度自動化されている。

研修、テスト、および本番環境への移行の状況とその認定については、個々
人が判断しており、定義されたプロセスから逸脱する傾向がある。

本番環境に導入するシステムの品質にばらつきがあり、新規システムの導入
後に深刻な問題が発生する場合が多い。


成熟度4 −管理され、測定可能である−

正式化された手続が適切に体系化されており、確立されたテスト環境や認定
手続において実用化できるレベルになっている。

実際に、システムに対する主要な変更はすべてこの正式化されたアプローチ
に従って実施されている。

ユーザ要件を満たすかどうかの評価が標準化され、測定可能になっており、
マネジメント層が効果的にレビューおよび分析できる測定指標が規定されて
いる。

本番環境に導入されるシステムの品質は、マネジメント層が満足できる状態
であり、導入後の問題も皆無と言えないまでも妥当な水準に抑えられている。

プロセスの自動化は場当たり的に行われており、プロジェクトごとに状況が
異なる。導入後の評価は実施されていないものの、マネジメント層は現行の
システムの有効性のレベルにおおよそ満足している。

テストシステムは、実際の環境を的確に反映している。主要なプロジェクト
において、新規システムに対する負荷テストと既存システムに対する回帰テ
ストが適用されている。


成熟度5 −最適化−

導入プロセスと認定プロセスは、継続的な改善と改良の結果、優れた実践基
準のレベルにまで最適化されている。

ITの導入プロセスと認定プロセスは、システムのライフサイクルに完全に
統合され、自動化が妥当な場合は自動化されている。

これにより、新規システムの研修、テスト、および本番環境への移行が最も
効率的に実施されている。

テスト環境、問題の記録プロセス、および障害解決のプロセスが十分に整備
されており、本番環境への効率的かつ効果的な移行が実現している。

通常認定後に再作業は発生せず、導入後の問題も軽微なものに限られている。

導入後レビューが標準化され、レビューから得られた教訓がプロセスに反映
されて、品質の継続的な改善が図られている。

新規システムに対する負荷テストと変更されたシステムに対する回帰テスト
が一貫して適用されている。



次号では、
「サービスレベルの定義と管理」の詳細に触れます。


【以下は前号までを参照のこと】
 [COBITの歴史]
 [COBITの4つのドメインと34のコントロール目標]
 [ITCのプロセスガイドライン]

参考資料 COBIT 4.1 日本語版 (Japanese) 
     情報システムコントロール協会 (ISACA) 

参考資料 ITCプロセスガイドライン Ver.1.1
     ITコーディネータ協会


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