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2009/03/30

★実践プロマネ[IT資源の調達(2)]★

2009/03/30 No.102
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      ★ 実践プロマネのメールマガジン ★
     (プロマネ経験からの実践的なアドバイス)

   「実践プロマネのメールマガジン」で発行した情報は
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業務改革を実現するため、パッケージソフトウェアを導入する場合があり
ます。いわゆるBPRの効果を狙ってのERPパッケージ導入です。

本来、業務改革とは、会社規模が大きくなり仕事量が増えた結果、現行業務
プロセスでは成り立たなくなったり、もともとの業務プロセスが非効率で、
業務最適化の必要性が明らかになったという場合に業務プロセスそのものの
見直しを行う活動です。

ITを導入することが目的ではなく、あくまで業務改革が目的です。

業務改革=(イコール)BPRではありません。自社の現行業務を分析せず
に、単にERPパッケージを導入しても成功はおぼつきません。

現行の業務プロセスの姿を捉え、どこに問題があり、どのような改善
が必要なのか、まずこれを見極める必要があります。

また、現行業務プロセスで既に最適化された部分もあります。これを明確に
せず、捨ててしまっては改革ではなく、改悪になってしまいます。

欧米先進企業のベストプラクティスを活用する近道はERPパッケージの
導入ですが、これでは日本で培われた企業風土や業務的な特色を活かすこと
ができません。

あくまで現行業務分析を最優先し、ERPについては考え方やテンプレート
の利用に留めることがリスクの少ない導入方法です。

一方、過去のやり方で通用するという考えからどうしても脱皮できないでい
る企業(あるいは経営者)に対して、ERPパッケージなどITの指導的な
導入は必要かもしれません。



それでは、IT資源の調達のマネジメントガイドラインと
成熟度モデルについて確認していきます。


【マネジメントガイドライン】


IT資源の調達の達成目標とその評価指標を以下に示します。
(↑↓測定)は達成目標とその評価指標の関係を表します。
(↓設定)はIT、プロセス、アクティビティの関係を表します。

★IT
達成目標
 ・統合および標準化されたアプリケーションシステムの調達と保守
 ・統合および標準化されたITインフラストラクチャの調達と保守
 ・IT戦略に対応するITスキルの獲得と維持
(↑↓測定)
評価指標
 ・調達契約に関する係争の件数
 ・購入コストの削減額
 ・サービスプロバイダに満足している主要な利害関係者の割合

(↓設定)

★プロセス
達成目標
 ・IT調達リスクの削減
 ・ITの調達に見合う価値の取得
(↑↓測定)
評価指標
 ・選択されたソリューションにより対処された初期要件の割合
 ・現行の調達ポリシーおよび手続を遵守した調達の割合
 ・調達商品またはサービスの単位原価の削減額

(↓設定)

★アクティビティ
達成目標
 ・専門家による法的見地からの助言および契約に関する助言の取得
 ・調達手続と標準の策定
 ・策定された手続に沿った、要求されたハードウェア、ソフトウェア、
  およびサービスの調達
(↑↓測定)
評価指標
 ・調達の要求から契約の締結または購入までに要する時間
 ・推奨されるサービスプロバイダのリストで対応可能な調達要求の件数
 ・サービスプロバイダからの回答を基に改善の必要がある提案依頼
  (RFP)の件数
 ・予定期間内に完了した調達要求の件数
 ・同種類の調達商品またはサービスプロバイダの変更回数
 ・提案依頼(RFP)に対する受信回答数


【成熟度モデル】


「ITのコスト効率およびビジネス収益性へのITの貢献度の向上。」
というITに対するビジネス要件です。

このビジネス要件を満たす上で、「IT資源の調達」プロセスにおける
管理の成熟度は、以下のとおりです。


成熟度0 −不在−

IT資源調達プロセスが定義されていない。

組織は、タイムリーかつコスト効率に優れた方法ですべてのIT資源を
確実に入手可能にするための、明確な調達ポリシーおよび手続の必要性を
認識していない。


成熟度1 −初期/その場対応−

組織は、ITの調達を全社の調達プロセスに関連付ける、文書化された
ポリシーと手続の必要性を認識している。

IT資源調達に関する契約は、正式な手続やポリシーに基づく形ではなく、
プロジェクト管理者やその他の個人による専門的な判断によって策定、
管理されている。

企業の調達および契約の管理プロセスとIT部門との間にはその場対応の
リレーションシップしかない。

調達に関する契約は、継続的にではなく、プロジェクトの終了時に管理
される。


成熟度2 −再現性はあるが直感的−

組織として、IT調達の基本的なポリシーと手続を保有する必要性を認識
している。

ポリシーと手続の一部は全社の調達プロセスに統合されている。

調達プロセスは、概して大規模かつ注目度の高いプロジェクトで利用され
ている。

IT調達と契約管理に関する実行責任および説明責任は、個々の契約管理
者の経験に基づいて規定されている。

サービスプロバイダ管理とリレーションシップ管理の重要性は認識されて
いるが、個人のイニシアチブに依存する形で実施されている。

契約プロセスは、概して大規模かつ注目度の高いプロジェクトで利用され
ている。


成熟度3 −定められたプロセスがある−

マネジメント層が、IT調達のポリシーと手続を制定している。

ポリシーと手続は、全社の調達プロセスに基づいて策定されている。

IT調達の大部分が全社の調達システムに統合されている。

IT資源調達の指針となるIT標準が存在する。

IT資源の供給者は、契約管理の観点から、組織のプロジェクト管理体系
に組み込まれている。

IT部門管理者は、IT部門全体に対して、適切な調達および契約管理の
必要性を周知している。


成熟度4 −管理され、測定可能である−

IT調達が全社の調達システムに完全に統合されている。

IT資源調達の指針となるIT標準が、すべての調達において適用されて
いる。

契約および調達管理に関する測定が、IT調達の取引に関する契約および
調達管理の測定が実施されている。

事業目標をサポートするIT調達アクティビティが報告されている。

マネジメント層は通常、IT調達ポリシーおよび手続に対する例外について
認識できる。

リレーションシップの戦略的な管理が整備されつつある。

IT管理部門は、成果の測定結果をレビューすることにより、すべての調達
において調達プロセスおよび契約管理プロセスの遵守を徹底させている。


成熟度5 −最適化−

マネジメント層が、IT調達に伴う完全な資源調達プロセスを策定してい
る。

マネジメント層が、IT調達に関するポリシーと手続へのコンプライアン
スを徹底させている。

契約および調達管理の測定が、IT調達の投資対効果検討書に関連する形
で実施されている。

長期にわたり、多くの供給者やパートナーとの間に良好なリレーション
シップが構築されており、リレーションシップの質が測定およびモニタリ
ングされている。

リレーションシップは戦略的に管理されている。IT資源調達のための
IT標準、ポリシー、および手続が戦略的に管理され、プロセスの測定
結果に対応している。

IT部門管理者は、IT部門全体に対して、適切な調達および契約管理の
戦略的重要性を周知している。



次号では、
「変更管理」の詳細に触れます。


【以下は前号までを参照のこと】
 [COBITの歴史]
 [COBITの4つのドメインと34のコントロール目標]
 [ITCのプロセスガイドライン]

参考資料 COBIT 4.1 日本語版 (Japanese) 
     情報システムコントロール協会 (ISACA) 

参考資料 ITCプロセスガイドライン Ver.1.1
     ITコーディネータ協会


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