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2009/03/16

★実践プロマネ[運用と利用の促進(2)]★

2009/03/16 No.100
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      ★ 実践プロマネのメールマガジン ★
     (プロマネ経験からの実践的なアドバイス)

   「実践プロマネのメールマガジン」で発行した情報は
   http://home.g00.itscom.net/project/index.html
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利用者に配慮したITシステムを開発し、導入することが重要です。

業務システムでは、導入前運用と導入後運用に大きな違いがでることが
あります。

意図的に業務改善を図ったり、ワークフローを意識したシステム設計を
行った場合、導入責任を負った情報システム部門等が利用者への教育を
確実に実施しなければなりません。

設計段階から移行に至る過程で運用教育を計画し、運用マニュアルを
整備して導入前教育を実施します。利用者が広範囲であれば、実施範囲
も考慮しなければなりません。

最後にITシステムに対する運用理解度の確認が必要です。理解度が
曖昧な状況で見切り発車すると、本来導入効果の高いシステムにもかか
わらず、総すかんを食ってしまいます。

既存システムからの移行であれば、組織でオーソライズされた稼働日を
厳密に意識せず、ソフトランディングができる環境を整えた上で、
新システムへの移行を決断すべきです。

このような社内調整ができる余裕をもっておきたいものです。



それでは、運用と利用の促進のマネジメントガイドラインと
成熟度モデルについて確認していきます。


【マネジメントガイドライン】


運用と利用の促進の達成目標とその評価指標を以下に示します。
(↑↓測定)は達成目標とその評価指標の関係を表します。
(↓設定)はIT、プロセス、アクティビティの関係を表します。

★IT
達成目標
 ・アプリケーションおよび技術的ソリューションの適切な利用と成果
  達成の確保
 ・提供サービスとサービスレベルに対するエンドユーザの満足の確保
 ・アプリケーションおよび技術的ソリューションのビジネスプロセス
  へのシームレスな統合
 ・ソリューションとサービスの提供における不備と手戻りの必要性の
  削減
(↑↓測定)
評価指標
 ・IT関連の手続がビジネスプロセスにシームレスに統合されている
  アプリケーションの数
 ・アプリケーションの研修およびサポート資料に満足しているビジネス
  オーナの割合

(↓設定)

★プロセス
達成目標
 ・アプリケーションと技術的ソリューションに関する効果的なユーザ
  マニュアル、運用マニュアル、および研修資料の提供
 ・適切なシステム運用に必要な知識の移転
(↑↓測定)
評価指標
 ・ユーザマニュアル、運用マニュアル、および研修の不備に起因する
  インシデントの件数
 ・サービスデスクへの研修に関する問い合わせ件数
 ・ユーザ手続および運用手続に関連する研修と各種資料に対する満足度
 ・ユーザマニュアル、運用手続、および研修資料の作成/保守コストの
  削減額

(↓設定)

★アクティビティ
達成目標
 ・知識を移転するための文書の作成および提供
 ・ユーザ、ビジネス部門の管理者、サポートスタッフ、運用スタッフに
  対する周知および研修
 ・研修資料の作成
(↑↓測定)
評価指標
 ・各アプリケーションの研修に対する、ユーザおよび運用スタッフの
  出席レベル
 ・研修、手続、および各種資料の変更から、実際の更新までに要する
  時間
 ・ユーザマニュアルと運用マニュアルの利用可能性、インテグリティ、
  および正確性
 ・適切なユーザおよび運用サポート研修が整備されているアプリケー
  ションの数


【成熟度モデル】


「提供サービスとサービスレベルに対するエンドユーザの満足を確保し、
アプリケーションおよび技術的ソリューションをビジネスプロセスに
シームレスに統合する。」というITに対するビジネス要件です。

このビジネス要件を満たす上で、「運用と利用の促進」のプロセスに
おける管理の成熟度は、以下のとおりです。


成熟度0 −不在−

ユーザマニュアル、運用マニュアル、および研修資料の作成に関する
プロセスがまったく存在しない。

購入製品に同梱された資料のみ存在する。


成熟度1 −初期/その場対応−

プロセスの文書化の必要性が認識されている。

文書は時折作成され、一貫性のない少数の限られたグループに配布
されている。

文書および手続の大部分が更新されていない。

研修資料は1回限りの使用のために作成される傾向があり、品質に
ばらつきがある。

異なるシステム間および部門間で手続がほとんど統合されていない。

研修プログラムの策定において、各部門の意向が組み込まれていない。


成熟度2 −再現性はあるが直感的−

手続や文書の作成において類似したアプローチが使用されているが、
体系化されたアプローチやフレームワークに基づいていない。

ユーザ手続および運用手続の策定について、一貫したアプローチが
存在しない。

研修資料は個人またはプロジェクトチームごとに作成され、作成者に
よって品質にばらつきがある。

ユーザサポートの手続や質の優劣の差が大きく、組織全体で一貫性や
統合性がほとんど見られない。

ビジネス部門やユーザ対象の研修プログラムが提供または促進されて
いるが、研修の普及や提供に関する総合的な計画は存在しない。


成熟度3 −定められたプロセスがある−

ユーザマニュアル、運用マニュアル、および研修資料に関するフレーム
ワークが、明確に定義および承認され、周知されている。

手続は正式なライブラリで保管および保守されており、すべての利用者
が必要に応じてアクセスできる。

文書や手続への修正は、事後的に行われる。手続はオフラインで参照
可能で、災害時でもアクセスおよび保守可能である。

プロジェクト変更が、実際の手続の更新と研修資料に明確に反映される
ようにするプロセスが存在する。

定義されたアプローチがあるにもかかわらず、標準へのコンプライアンス
を徹底するコントロールが存在しないため、実際の内容にはばらつきが
ある。

ユーザは、非公式な形でこのプロセスに関与している。

手続の策定と周知の過程で、自動化されたツールの使用が徐々に増加して
いる。

ビジネス部門とユーザ向けの研修が計画および予定化されている。


成熟度4 −管理され、測定可能である−

手続と研修資料の保守のためのフレームワークが定義されており、
IT管理部門がサポートしている。

手続と研修マニュアルの保守に利用されるアプローチは、すべてのシス
テムおよび部門に適用可能であり、各プロセスをビジネスの観点から評価
できる。

手続と研修資料が相互にリレーションシップや接点を持つように統合され
ている。

すべてのプロセスについて標準が遵守され、手続が整備および保守される
ことを確実にするコントロールが存在する。

継続的な改善プロセスの一環として、文書と研修に対するビジネス部門
およびユーザからのフィードバックが収集され、評価されている。

文書および研修資料の信頼性と可用性が、通常予測可能な高いレベルに
保たれている。

自動化された手続の文書化および管理に関する新たなプロセスが導入され
ている。

自動化された手続の整備が、アプリケーションシステムの開発と徐々に
統合され、一貫性とユーザアクセスが促進されている。

ビジネス部門とユーザ向けに実施されている研修は、ビジネス上の必要性
を臨機応変に組み込んだ内容である。

IT管理部門が、文書、研修資料、および研修プログラムの整備と実施の
ための指標を策定している。


成熟度5 −最適化−

ユーザマニュアルと運用マニュアルの作成プロセスが、新たなツールや
方法を採用することで継続的に改善されている。

手続文書と研修文書は、常に進化するナレッジベースとして扱われており、
最新の知識管理、ワークフロー、配布技術を用いて電子的に保守されてい
る。

これにより、資料の可用性と保守の容易性が確保されている。

文書および研修資料は、組織、運用、およびソフトウェアの変更を反映し、
常に最新の状態に保たれている。

文書と研修資料の整備や研修プログラムの実施は、ビジネスやビジネス
プロセスの定義と完全に統合されている。

これにより、ITに焦点を当てた手続だけでなく、組織全体の要件に対応
するものとなっている。



次号では、
「IT資源の調達」の詳細に触れます。


【以下は前号までを参照のこと】
 [COBITの歴史]
 [COBITの4つのドメインと34のコントロール目標]
 [ITCのプロセスガイドライン]

参考資料 COBIT 4.1 日本語版 (Japanese) 
     情報システムコントロール協会 (ISACA) 

参考資料 ITCプロセスガイドライン Ver.1.1
     ITコーディネータ協会


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