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社会福祉士国家試験の共通科目についてプチ講義をします。作者は行政書士有資格者でもあるために「法学」が中心になるかもしれませんが、他の科目についても触れていきたいと思います。なお、精神保健福祉士国家試験の方も参考になるかと思います。

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2007/03/24

魁!社会福祉士合格塾

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     □□ 社会福祉士国家試験の共通科目対策 □□

          第19回試験・解説速報「法学」

2007年 3月24日                  第2号
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 目 次
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  1 はじめに

  2 第19回試験「法学」解説速報 その2

  3 編集後記

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1 はじめに
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読者の皆さん、こんにちは。
私が魁!社会福祉士合格塾塾長です。

第1号を発行してみて気になるところは改良していきました。
改行について勉強してこなかったせいで多少、見づらかった点があると思います
が、次第に改良したいと思います。

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2 第19回試験「法学」解説速報
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今回は問62からです。

問62
次の記述のうち、最高裁判所の判例の趣旨に即して正しいものに○、誤っている
ものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 憲法13条に基づく個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋
 の押捺を強制されない自由を有する。

B 宗教上の信念に基づき、自分自身への輸血を伴う医療行為を拒否する意思決
 定をする権利は、人格権の一内容として尊重される。

C 相続財産について、非嫡出子に嫡出子の2分の1の法定相続しか認めない民
  法の規定は、法の下の平等の原則(憲法第14条)に反する。

D 警察官が正当な理由もないのに、みだりに個人の容ぼう等を撮影することは
 憲法13条の趣旨に反して許されない。

(○×の選択肢は略)

第19回では憲法から3題出題されています。憲法は比較的得点しやすいので頑
張りましょう。

まず問題文の「判例」ですが裁判所が判決や決定を出すにあたって述べる見解と
いう感じで捉えてもらっていいと思います。この判例というのが法学の学習では
重要になってきます。判例についてはまた何度もお話しする機会があるのでここ
では割愛します。

さて、この問62では憲法13条と14条についての知識が問われています。
日本国憲法の10条から40条までは国民の権利と義務について書いてあります。
(ちなみに条文を一字一句まで覚える必要はありません。)
そして、具体的な権利、義務については14条以降に書いてあるのですが、時代の
変化とともに新たな権利ができることもあります。その新しい権利について憲法
上の根拠となるのが13条です。(「新しい人権」として説明がされていることが
多いです。)

ここで、スーパーのチラシを思い浮かべてください。店で売られている商品の写
真がずらっと並べられていますよね。でも、店で売られているのは写真の商品だ
けではありません。よくよくチラシを見ると「他にもご奉仕品を多数そろえてお
ります。」と書いていますよね。つまり、チラシに書いていなくても売っている
商品があるのです。 
この例えでいくと、きちんと写真が載っている商品が14条以下の条項に書いてあ
る権利で、「他にも多数そろえて」ある「ご奉仕品」が13条のことになります。
この13条があることによって憲法に直接書いてなくても保障されている権利があ
るということになります。
具体的には、プライバシー権、肖像権、自己決定権、環境権、日照権などです。

このなかで、もっとも有名なものがプライバシー権ですね。
憲法の条文のどこを読んでもプライバシーという言葉は出てきません。憲法が作
られた頃は、プライバシーの問題があるなんて想定外だったのでしょう。ところ
が、情報化が進むにつれてプライバシーの権利が構成されるようになりました。

プライバシーというとどうしても芸能人とフライデーという話になってしまいま
すが、問題文Aの「指紋」のような地味?な話もプライバシーの権利の問題です。
これは外国人登録制度において外国人が指紋の押捺(指紋を採られること)を強
制されることについて争われた裁判で、指紋の押捺を強制されない権利がプライ
バシーの権利に含まれると認められた判例です。したがってAは○となります。

つぎに問題文Bですが、これは自分にとって重要な私的事項を本人が決定できる
権利である自己決定権についての文です。社会福祉援助技術論でバイステックの
ケースワーク7原則というのがあるのですが、そのなかにも自己決定の原則とい
うものがあります。そこでも利用者の自己決定を尊重する原則があります。
あわせて確認してもらうとよいかと思います。 

問題文は「エホバの証人」という宗教の信者が宗教上の都合で輸血を拒否した事
件で、輸血拒否の意思決定は自己決定権にあたるかどうかを争われた裁判です。
判例では人格権の一内容、つまり自己決定権として認められました。したがって
Bは○です。今後、尊厳死や避妊・中絶などの議論のなかで自己決定権について
の問題が起こりうるかもしれませんね。

次に問題文Dから先にお話します。
これはみだりに容ぼう・姿態を撮影されない自由、つまり肖像権についての文で
す。容ぼうの撮影というとアイドルやグラビアアイドルたちだけの問題となりが
ちですが、一般人にも当然に肖像権が保障されています。
問題文になっているのは、学生運動はなやかなりしころ、学生のデモ行進を警察
官が撮影していたという事件のことです。
問題文にあるとおり、警察官が正当な理由もないのにみだりに個人の容ぼう等を
撮影することは、憲法第13条の趣旨に反し許されません。
しかし、裏を返せば「正当な理由」なるものがあれば許されるということになり
ます。この裁判でも、肖像権を認めつつも、今回の警察官の撮影は「正当な理由」
があると認めました。

憲法の勉強をするとき、裁判の争点とその結論を押されておけば何とかなるとい
う話を聞いたことがあります。確かにある程度のレベルの問題では何とかなりま
す。しかし、今回の肖像権のように争点と結論だけを覚えていても歯が立たない
問題も増えてきているのも事実です。判例でどのような理由で結論づけが行なわ
れたかまでを押さえておく必要があります。もちろん、このメルマガでは、その
点を意識して講義していくつもりです。

最後に問題文Cです。この問題文だけが憲法第14条からの出題です。
どの本かは忘れましたが、出典が異なる資料や法律は意味があるというような解
法テクニックを解説している本がありました。この問題文のみが×ですので、そ
のテクニックで正解できた問題かもしれません。(こういう解法テクニックはど
うしてもわからないときだけ、鉛筆ころがしで正解を選ぶよりまだマシという感
じで使うにとどめたほうがいいでしょう。)

さて、憲法第14条では法の下(もと)の平等について保障しています。(くど
いようですが、条文を一字一句まで覚える必要はありません。)
国民に対して法律の適用や法律の内容について平等であるべきということです。

平等といっても何から何まで平等であるべきではないと考えられています。人の
事実上の差異に注目した合理的な差別は許されるとなっています。
昔、サラリーマンが主人公の4コママンガで、「男女平等」を訴えるOLたちに
主人公が「男女平等には賛成だ……。だから更衣室に僕も入らせて」という、今
の時代では充分セクハラとなる内容のマンガがありました。
男女平等はいうまでもなく法の下の平等に入ります。(現状はともかく…。)
しかし、なぜ男性が女子更衣室に入れないのでしょうか。
差別(この場合は区別といったほうが適切ですが)することが合理的だからです。
ここでの「合理的」は能率がいいというよりも、道理に合っているという意味で
考えてください。

さて、問題文に入ります。嫡出子というのは婚姻関係(結婚している)夫婦の子
という意味です。非嫡出子というのは反対に婚姻関係にない(結婚していない)
男女間の子という意味です。これらは原則であり、いろいろな例外があるのです
がこの問題を解くにあたってはこの程度で充分です。
この嫡出子と非嫡出子について相続で差別があるのです。(詳しくは民法で学習
します。)

Aさんには内縁(同棲していたけど婚姻届は提出していない)の方との間に子ど
もが一人いました(非嫡出子)。その後、別の方と婚姻して子どもが一人できま
した。そしてAさんがなくなりました。
子どもには1500万円分の遺産相続が行なわれることになりました。
法律どおりに遺産を分配するならば1500万円÷2ということで750万円づ
つということになるのですが、非嫡出子は嫡出子の2分の1という規定があるた
めに、嫡出子は1000万円、非嫡出子は500万円となってしまうのです。
そりゃ、あんまりだ…ということになるのですが、民法上はそうなるのです。

裁判で争われた結果、民法は法律による婚姻をとっている(婚姻届提出によって
婚姻が成立する)ので、その法律による婚姻を尊重することと非嫡出子の保護の
調整をした結果、差別には合理的な根拠があるとしました。
したがってこの問題文は×です。

結論が腑に落ちない方もいらっしゃるかと思います。(私もそうです。)
特に家族の形が多様化し、婚姻、離婚にも多様化している現在に合っていないと
いう指摘もあります。
実際には、法改正に向けて動きがあり、注目していく必要があります。

今回はここまでにしたいと思います。


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3 編集後記
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今回の講義はどうだったでしょうか。
解説を書いているうちに自分がのってきて、ついつい解説が長くなってしまいま
す。気がつけば、1問の解説で1号分の内容ができてしまいます。
原則1号で1問の解説ということにして、発行回数を多くしたほうがいいかもし
れませんね。検討してみます。

それでは次号もよろしくお願いいたします。

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