2009/04/24
静岡銀幕週報 94
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>■■□ 静岡銀幕週報
>□■■ 第94号 2009/04/24
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┃N┃■┃作品レビュー
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┃■┃1位/2009年23作品中 グラン・トリノ
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静岡ピカデリー2で4月23日19:00からの試写会。
なにから書いたらいいか、よく分からないからストーリーから書いてみる。
日本語版の予告編。
http://www.youtube.com/watch?v=XXsVoJK0FyU
英語版のロングバージョンの予告編。
http://www.youtube.com/watch?v=sSqQUWez1aU
要するに白人保守ガンコジジイが息子世代の利己主義や孫世代のデタラメさに
あきれ返ってるわけ。隣の家にはワケの分からんアジア人一家が住んでるのもムカついてる。
そのアジア人の息子がその従兄率いる不良集団に脅されるようにしてジジイの
ビンテージカーを盗もうとして捕まるの。そこから隣の家の娘を橋渡しに接点が
生まれて、交流していくうちに、案外こんな関係もいいのかな、とか思っちゃう。
何度か従兄率いる不良集団を追っ払いながら、隣の家の息子の成長を見守ることに。
ところが追っ払ったはずの不良集団が隣の家を襲撃して、娘もレイプされちゃう。
そこでこのジジイが立ち上がるんだけど、このジジイは朝鮮戦争帰りで、メチャクチャ
強いんだけど、13人だか殺して心に傷持ってる。
で、予告編で言う「映画史上もっとも優しい衝撃のラスト」が待ってるんだけど、まあ、
大体どんなラストかは想像つくでしょ。
でも想像がつかないのが、この作品の感動のしどころ。
つーか、クリント・イーストウッド作品ってもっと殺伐とした暗惨たる雰囲気なんだろうと
思ってた割りに、実際のところ、笑える笑える。主に異文化コミュニケーションの笑い。
で、この笑いの時間こそ人物の成長の時間なのよ。笑っているうちに心証が変化してる。
この辺のつくりも上手い。
このジジイは朝鮮戦争帰りで、フォードで自動車を作る工員だった。
そのことに誇りを持つ愛国者。でもその愛する国を支え始めているのが、
アメリカ生まれの移民2世のアメリカ人だという現実と、今まで培ってきた偏見とのギャップが見所のひとつ。
移民のアメリカ人はいわゆる勝ち組・負け組がはっきりしてて、通う病院も医者・
看護婦ともに移民のアメリカ人。しかも女性。移民の地位と同様に、女性の地位も
ジジイの生きている間に大きく変わったものの一つだ。
一方でたちの悪いギャングをやってるのも移民、それも男。
こういう移民をめぐる社会の変化って、結局はアメリカの国内事情の話だから、
直接的にはアメリカ人じゃないと分からないのかもしれないけど、日本でも
移民問題として、あるいは時代によって移り変わる世の中の諸事の象徴として、
通じるものが年寄りには感じられるのかもしれない。
この映画は間違いなく年寄り向けの映画だし、年寄りは必見なんだけど、30代の俺が
なんでここまで感動したのか、はっきり言ってよく分からん。
つーかさ、今まで無理やり文章を書いてきたけど、ぶっちゃけ特記すべきことなんか
ないんだ、この映画。ここが良かったとか、ここはこうだとか、語るとっかかりも
まったくと言っていいほどない。
薀蓄を垂れたり、分析をしたり、自己体験を投影したり、そんな余地がまったくない。
もっと言えば、言葉での感想なんか何一つないんだ。
とにかく凄過ぎて、なにがなんだかよく分からない。
最後は自己犠牲で死んじゃうんだけどさ、あまりにもベタで笑っちゃうような
ストーリーなんだけどさ、主人公を美化してるわけでもないのにさ、なんで泣けるのか、
まったく分からない。お涙頂戴で煽ってる部分なんかどこにもないんだぜ?
不思議で仕方がない。
根気よく懺悔を求める若い神父の役割や、主人公自身がポーランド移民であること、
あるいはドンパチで勝って爽快感で終わるアメリカ映画の象徴とも言える
イーストウッドの最後の出演作でのこのラスト、決して後味がいいわけじゃないのに
なぜか吹き抜ける風を思わせるような爽やかな印象を残して席を立ちにくい終わり方。
もし年取ってこの映画の仕掛けを紐解くことが出来るなら、年を取る意味が
一つ増えるってもんだ。
4月25日より
静岡ピカデリー1
MOVIX清水
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┃M┃■┃もうひとつ作品レビュー
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┃■┃3位/2009年22作品中 おっぱいバレー┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
静岡ピカデリーZEROで4月18日20:00の回。客入りは20人ほど。
でもなー、おっぱいな青春映画で、30代後半の俺が最年少で、
客の平均年齢推定55歳ってのはどうよ?
おっぱいっつえば、「おっぱい」って言いにくいから「おっぱいバレー」略してOPVでも
チケットが買えます、って、そっちの方が恥ずかしいだろ、普通。
その点、ピカデリーZEROはいいよ。なにせ単館だから、タイトルを言う必要がない。
「1枚」とかで済んじゃう。つーか1枚もクソもここ、そもそもチケット発券しないしな。
普通のレジで売上上げて、レシート渡してくる。
原作の舞台は静岡の三ケ日なんだけど、映画の舞台は北九州に変更されている。
これには重大な理由がある。
細かいところまで1979年になっていて、よく作ってあるというか、現代の要素を全て
抜いた絵になってるの。スクリーンに2008年の痕跡が一切ない。これ、すげーよ。
静岡県内が舞台じゃ絶対無理。いや、どうなんだろうね、伊豆の山奥とかなら出来たかも
しれないけど、でもスケールで言ったら取り残された炭鉱町につながる文化を持つ筑豊地方は、
こういうことに関しては最強だろうね。
「ALWAYS 3丁目の夕陽」以降、昔の日本を舞台にノスタルジーを煽るような邦画が
ずいぶんあったけど、昔のセットを作るか、適当に昔を混ぜてごまかすか、どっちかだった。
ここまで徹底的に現代を排除したリアルな昭和世界に、まずは最大限の喝采を送りたい。
鉄オタである俺から言わせれば、やっぱり昔の電車の釣り掛けモーター音ってのは
たまらないものがあってさ、とか、元古本屋の俺から言わせてもらえば、
昔のバレーボールマガジンにそんなに折り目をつけちゃってもいいの?!とか、
見る人の属性によってこの作品の時代考証のすごさはそれぞれに分かるはず。
強いて言えば、綾瀬はるかが現代っぽ過ぎなのが難点ではあるけど。
やる気のない、今で言うオタクの吹き溜まりとでも言うべき男子バレーボール部。
ガキの演技が素人に毛の生えた程度で序盤はグダグダなんだけど話が進むに
つれてしっかりしてくるんだ、これが。その辺も後半になるにつれて盛り上がるような
リズムを作ってるんだろう。
2時間に満たない映画、気がついたら夢中になって終わってた。
70年代後半から80年代前半の雰囲気を、当時のヒット曲を始めとする文化が盛り上げていく。
人によってハマるツボはそれぞれのようで、あちこちで苦笑いが起きてた。
俺のツボにハマったのは11PMというテレビ番組が昔あってさ、修学旅行なんかの時に
見ようとすると、決まってエロくないのな、それこそ釣り特集とかで。
つーかさ、俺の中学校の修学旅行のときに温泉のホテルのスイートルームみたいなところに
泊まったのよ。ツインルームに次の間がついててさ。豪勢じゃねーよ、その部屋に
10人だかで泊まったんだから。じゃんけんで勝った奴がツインのベッドで、負けた俺らは
次の間でごろ寝w
新婚旅行で泊まるような部屋で、ここでみんなセックスしてるんだぜー、みたいなノリの
中学3年生。
有料テレビで11PMを見ようとドキドキしながら売店で両替したら、そもそもテレビが
映らないように設定されてたw
そんなことを思い出しながら見てたよ。
この映画には女子に触れて欲しくない男子の聖域が、ものの見事に再現されてたよ。
で、その聖域をぶち壊すのは必ず女子に煽られた大人なんだけどさ。
予告編はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=_WNa46UumNI
俺よりはちょっと世代が上で(主人公は今45歳のはず)、音楽とか、ノレない部分は
あったんだけど、話としてオチもついて救いもあるし、明日につながる何かが残ったし、
東映・綾瀬はるかということでハードルを下げてたせいもあって結構満足した。
目的は何でもいいんだ、とにかく一生懸命頑張ってみることが大事なんだって。
http://www.youtube.com/watch?v=AgUm6rHhF5M
「道標ない旅」永井龍雲
ヒット曲が多く使われる中、初めて聞いたのがこの曲。
こういう雰囲気、苦手なんだけど印象に残る名曲がこの時代には多かったんだろうなぁ。
公開中
静岡ピカデリーZERO
MOVIX清水
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┃R┃■┃来週なに見ようかな
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┃■┃「スラムドッグ・ミリオネラ」「ミルク」
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金曜日から「バーン・アフター・リーディング」
コーエン兄弟がプラピやらジョージ・クルーニーやらのビッグネームを使って、わきあいあいと
作ったらしいからどうでも良さそう。
「レイン・フォール/雨の牙」は邦画アクションで評判は最悪。
シネギャラリーは入替週。今回の売りはアカデミー賞がらみの3本同時公開。
注目の「スラムドッグ・ミリオネラ」は県内他地域より遅れて公開。
「フロスト×ニクソン」はアカデミー賞にもノミネートされたニクソン大統領とテレビ司会者の
インタビュー対決。シナリオは難ありの模様。
同じアカデミー賞がらみでは「ミルク」の方が良さそう。ショーン・ペンのゲイの公民権運動。
リアルかつ希望を与えるような内容になってるようだ。
「ゼラチンシルバーLOVE」は宮沢りえとか天海祐希とか、いい役者を使って
どうしてこう90年代のダメ邦画っぽい雰囲気の作品を作っちゃうんだろう?
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┃Z ┃■┃雑記
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┃■┃シネギャラリーが込みそう。特に「ミルク」
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アカデミー賞キャンペーンつーことで会員以外でも
「スラムドッグ・ミリオネラ」「フロスト×ニクソン」「ミルク」
のうち1本を見ると、残りの2本は各1000円とのこと。
会員はポイント2倍。
http://www.at-s.com/html/sarnath/topics/index_2009oscar_cp.html
ゴールデンウィークだし、相当混雑しそうだ。
「スラムドッグ・ミリオネラ」は200人収容の1階ホールで3回上映するんだろうけど、それと
上映時間のかぶる「ミルク」は50人×3回だから1日150人。休日は相当早めに行かないと
売り切れ必至だろうね。平日だってヤバイ。
▽発行 RRD ◆3MranranlY
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