2009/04/16
静岡銀幕週報93
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>■■□ 静岡銀幕週報
>□■■ 第93号 2009/04/16
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┃N┃■┃作品レビュー
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┃■┃1位/2009年20作品中 レッドクリフ2 未来への最終決戦
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日比谷日劇1で4月9日11:15から前後編通しの「イッキ見」の企画。
ジョン・ウー監督の舞台挨拶つきなのに客入りは700人ほどか、やや空席あり。
予告編はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=dQXXGQkvuMM
三国志を知らなくても、前作を見ていなくても、まったく問題がないように前編とは
別作品のように作られている。また、極めて単純化された
(ために魏や曹操びいきの人には反発必至の)
分かりやすい案内もあるので初見でもOK。
前作の時も書いたとおり、俺は三国志が大好きで、登場人物の中では趙雲が好き。
前作に引き続き大満足のいく内容だった。三国志を知らない人がこの映画を見たら、
蜀の序列は孔明・趙雲・劉備・張飛の順で、関羽なんか完全な脇役だもんなー。
一度赤壁から撤退したあとに、真っ先に赤壁に向けて立ち上がるなんざ、
義に堅い軍人の魅力爆発。
一応は前編後編の2部作ということで作られているんだけど、実際のところこの後編は
前編とは趣を異にする。
三国志自体が壮大なスケールの歴史劇で、しかもこの赤壁の戦いは魅力的な出来事が
凝縮した最大の山場。黄蓋が自ら望んで鞭打たれて偽装投降したり、孔明と周瑜が戦法を
互いに「火」と書いて見せ合う場面とかもないし、連環の計だって曹操軍で勝手にやっちゃう。
これは舞台挨拶でジョン・ウー監督が言ってたこと、史実よりも現代を投影する内容に
することを優先したためのこと。
どういうことかっつーと、これが前編との大きな違いでもあるんだけど、一人一人の
行動つーか人間が具体的に描かれている。
ともすれば「戦いで大勢の人が死にました」で終わってしまう歴史上の出来事が、
無名の一人一人の痛みと勇気と希望の積み重ねなんだ、ってことを嫌でも意識させられる。
ひいては同じ歴史の時間軸の上に立つ俺たちの喉元にも、どう生きるべきか、
という刃を突きつけてくる、極めてメッセージ性の高い内容になってる。
だからこそ、今までいろいろ見てきた三国志の中で、人物が一番人間らしかった。
もちろん金城武の孔明もいいんだけど、立場と役柄上やむを得ないとはいえ、
戦場を離れてるがために本作のテーマからは浮いた形になってしまった。
英雄物語としてではなく、人間物語としての三国志。
これは俺と三国志を引き合わせたNHKの「人形劇・三国志」で紳介・竜助の紳々・竜々が
表した特徴的な立場だった。
だから「人形劇・三国志」から三国志に入った世代の俺としては、どこか懐かしい
気持ちにさえなれたんだろう。前編で、人が死ぬのを描きたいがために、わざわざ
無駄死にするような場面があったのとは大違いだ。
もう一つ前編との違いをあげると、周瑜の奥さんの小喬と孫権の妹の孫尚香の活躍。
これは現代社会における女性の台頭を念頭に置いたそうだけど、ちょっとやりすぎ感は否めない。
ベッキー似で印象に残る孫尚香役のヴィッキー・チャオって、よその評論ではあまり
触れられてないけど「少林サッカー」の女の子だよ。私生活でも暴行事件とか
起こしたり、こういう役にハマリ役ではあるんだけどね。
ただ、活躍がリアリティを欠く方向に傾きすぎたのが惜しい。つーかハマリ過ぎなんだよ。
ところどころそんな感じのツッコミどころがあるとはいえ、日劇の特大のスクリーンで
あの赤壁炎上を見せられたら、もうなにも言えなくなる。
幸いなことに静岡だとオリオン座で上映されるので、このスクリーン映えする映像をぜひ
映画館で見て欲しいなぁ。
しかし、ほぼ同規模の日劇1で見ながらオリオン座だとどうなんだろう、って
考えてたんだけど、残念ながらオリオン座は音響は滅茶苦茶だよね。
音が割れたりすることもあるし、サラウンドだっつったって、離れたスピーカーから
音が出てます的な不自然さ丸出しだし。
でも地方で日劇1と比較するレベルのワガママを言えるなんざ、奇跡つってもいいんだけどさ。
公開中
静岡オリオン座(字幕版)
静岡有楽座(吹替版)
静岡東宝会館(吹替版)
MOVIX清水(字幕版・吹替版)
藤枝シネ・プレーゴ(字幕版)
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┃M┃■┃もうひとつ作品レビュー
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┃■┃16位/2009年21作品中 ラ・ボエーム
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静岡シネギャラリー左側で4月15日17:20の回。客入りは12人。
オペラ映画。ミュージカル映画は好きでよく見るのに、オペラとは縁がなかったし、
興味もなかった。のになぜ見に行ったのかと言えば、映画にもなったミュージカル
「レント」の元ネタだから。
「レント」の舞台は1989年のニューヨーク、「ラ・ボエーム」は1830年のパリという
違いこそあれ、弱者である若者が夢だけを胸に無茶なことして、恋人を病で失う、
という筋書きは共通。「レント」の場合はミミが持ち直して大団円だけど、エイズを
発症しちゃってるんだから生き死にのことだけ言えば時間の問題。
予告編はこちらから
http://www.youtube.com/watch?v=L9FSrdvXaHo
筋書きなり細かな描写での共通点は多いものの、「レント」に限らず近代の
ミュージカルを見慣れてしまっているためか、この古典オペラの優雅さみたいなものが
どうも肌に合わなかった。
ぶっちゃけ、いつまでトロトロタラタラやってんだよ、モタモタすんな、早くしろ、って感じ。
オペラが好きな人にとってはそういうところが魅力なのかもしれないけどさ。
だめだ、俺、近代的で商業的ななにかに毒されてると我ながら思う。
最後にミミが死んじゃうところとか、え?そんな死に方なの?もっと盛り上げたほうが
いいんじゃないの?ちゃんとロドルフォの腕の中で死なせてあげようよ、
とか思っちゃったしなー。
起承転結で言うと転の最後のあたりで、ロドルフォとミミが好きあってるけど
サヨウナラ状態になっちゃって二重唱が続く。このあたりが恋愛経験値によって感じ方に
差が出るところなんだろうなー。
後ろのほうで60歳くらいのおばさんがボロ泣きしてたんだけど、さぞかし恋愛経験値を
積んで来たことだろうね。
俺?歌いながらくっついたり離れたり、フラフラすんな、早く決めろ、って思ってた。
だめだ、俺。
4月24日まで公開
静岡シネギャラリー
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┃R┃■┃来週なに見ようかな
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┃■┃「鴨川ホルモー」
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「コナン」と「クレヨンしんちゃん」は無視するにして。
やっぱり問題は「おっぱいバレー」なんだよな。東映だし、綾瀬はるかだし、気まずい
タイトルで話題を呼んだ挙句にコケるんだろうけどさ。原作読む限りは青春バカ爆発で
勢いのよさが印象的。綾瀬はるかのおっぱいも魅力的。でもなんかあの顔と演技は
青春ストーリーの持つ勢いを、ものすごい勢いで殺しまくっていそうだ。
個人的にはむしろ「鴨川ホルモー」に注目。松竹の意味不明の邦画、つーことで去年なら
確実にコケてたはず。でも今年の松竹は絶好調で、3月の興行収入は東宝を超えたとか。
で「鴨川ホルモー」これも青春バカ炸裂の内容。ホルモーという、式神を使ったスポーツ?を
描写してる原作はなんのこっちゃらよく分からん部分が多くて、これは映像で見なきゃ。
実は映画には向いてそうな内容なんじゃないかな。
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┃Z ┃■┃雑記
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┃■┃ノン子36歳(家事手伝い)/「ジョン・ラーベ」
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3位/2009年19作品中 ノン子36歳(家事手伝い)
函館シネマアイリスで。
「映画芸術」誌の2008年ランキング1なんだけど、静岡はこういうマイナー邦画が
公開されにくくて本当に困る。レビューは以下に。
http://d.hatena.ne.jp/RRD/20090407/p1
あとジョン・ラーベという人がいて、南京大虐殺のときに中国人を保護したドイツ人らしい。
この人を描いた「ジョン・ラーベ」という中国とドイツとフランスの合作映画があって
日本での公開が出来ない状態とのこと。
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20090407/p1
香川照之が出てるので見たいんだけどなー。この人の極限状態の心理描写って
映画史に残るべきものだと思う。
公開を求めるネット署名活動がありますのでよろしければご協力お願いします。
http://www.shomei.tv/project-897.html
▽発行 RRD ◆3MranranlY
▽ブログ http://d.hatena.ne.jp/RRD/
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