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2007/12/24

映画情報・批評 黒獅子の眼 vol.11

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  黒獅子の眼  ☆vol.11★
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なんだかんだでもうクリスマス・イヴですね。
もちろんこのメルマガの読者は、家族団らんや、恋人とのディナーなどではなく、
何ぴとにも邪魔されず、一人で映画を楽しんでるんだろうと思います。
そうでなければいけません。
ちなみに今日わたしは、家でフレッド・ジンネマンの『山河遥かなり』を鑑賞し
ます。
楽しいなぁ。

日本人と違って、欧米では「クリスマス」は、本当に重要なイベントであること
が、映画を観ると、とてもよく分かります。
例えば、『ロッタちゃん はじめてのおつかい』。
「長くつ下のピッピ」で有名なアストリッド・リンドグレーン原作の、愛らしく
も腕白な女の子が活躍するスウェーデン映画なのですが、ストーリーの中で、
「クリスマスツリーが手に入らない!」という事件が起こります。
クリスマスツリーがないだけで、ロッタちゃんの家庭は、まるでこの世の終わ
りかのような絶望的な雰囲気に包まれます。
怖いですねぇ。
一体どれだけツリーが重要なのですか。

□最近の批評 『箱根山』
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以前、箱根山の小さな駅の、ひなびた旅館に一泊して、登山列車に乗ったんだ
けど、さすが「天下の険」というだけあって、ものすごい斜面だった。
狭いスペースに民家が密集していて、「ここらの旅館の子として生まれたら地
理的に何かと不便なことが多いだろうな」と思った。
電車やバスなどで、とりあえず小田原に出るだけでもひと苦労だもの。とにか
く山々に囲まれ、見通しの利かなさもすごかった。
この映画の舞台の閉塞感は、すごくよく分かるところである。
成瀬巳喜男も監督した、川端康成の『山の音』のテーマの通り、人間とは
"VISTA"を求めてしまうものなのではないだろうか。
ただ、この『箱根山』においては、「山から出ない」ことがテーマなのであ
る。
ラストのカウントダウンは、まるで受刑者の刑期のように聞こえるほどだ。

川島雄三監督の充実作、『箱根山』は、星由里子と加山雄三の青春アイドル色
が後半からせり出してくるものの、冒頭から前半にかけては川島雄三カラーが
強く、べらぼうに面白い。
とくに序盤のスピード感は邦画最速のテンポかもしれない。ハワード・ホーク
スの半分ほどの速度は出ていると思う。
ただ、終始落ち着いたテンポの『花影』は別として、フランキー堺の『幕末太
陽傳』や『しとやかな獣』などの比較的評価の高い作品においても、途中より
何となくたるんでしまう印象を受けるのは、この「速度」の配置にありそうだ。

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http://k.onodera.blog.ag/index.php/k.onodera/00000000000000006516

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では、また次回!

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