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2007/05/05

映画情報・批評 黒獅子の眼 vol.6

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  黒獅子の眼  ☆vol.6★
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GW、みなさんどうお過ごしでしょうか。
もちろん映画三昧ですよね?わたしもそうです。
でも人でごった返している映画館に行くのも億劫だし、こういう時期は
家でカウチポテト(古い!)しながらDVDというのが吉だと思います。

さて、今回は最近のレンタルDVDから、初監督のアメリカ青春映画2作を
フィーチャーします。


□『トランスアメリカ』
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『トランスアメリカ』は『ロード・オブ・ザ・リング』だと、
ダンカン・タッカー監督は語っていた。

最近、マイケル・ベイが『トランスフォーマー』を撮ったが、これは、
性をトランスするということと、「トランスアメリカ(大陸横断)」の言葉遊び。
言葉を問題としているため、トランスセクシャルの父と、ゲイに春を売る息子が、
東海岸から西海岸までを車で移動するという、若干無理のある設定。

劇中で息子が唐突に『ロード・オブ・ザ・リング』の話をするので
違和感を持ったが、監督の述懐を聞くと、合点がいく。
「指輪を捨てに行く」旅ではなく、「男性器を捨てに行く」旅なのだそうだ。
『ロード・オブ・ザ・リング』を、「貧者のジャンル」である、ロードムーヴィーに
仕立て上げてしまうところは、なかなかのアイディアだ。

マイノリティであるがゆえの、かなり絶望的な状況が語られていくわけだが、
なんとなくのほほんとしている、かなり親しみやすい作風だ。

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⇒http://k.onodera.blog.ag/index.php/k.onodera/00000000000000004389



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映画トリビア(無駄知識)
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ブニュエルとダリの短編、『アンダルシアの犬』で、冒頭にカミソリで
切られる女性の眼球は、じつは牛のものだ。
そして、デヴィッド・リンチの『イレイザー・ヘッド』に登場する胎児の
正体は、未だ謎のままである。
一説には、出産前に牛の腹から取り出した仔牛ともいわれるが、
もっとやばいものの可能性もある。

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□『サムサッカー』
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いいじゃないですか、マイク・ミルズ。
映画は初挑戦だけど、NIKEやGAPなどのCMやMoby、
ヨーコ・オノなどのPV、マーク・ジェイコブズへのアートワークなどを
手がけてるんだって。
ロマン・コッポラ、ソフィア・コッポラを有する映像制作エージェンシー、
「ディレクターズ・ビューロー」の創設メンバーだというんだから
、今回の映画進出はむしろ遅すぎたともいえるだろう。

リチャード・リンクレイターの"Fast Food Nation"にも最近出演した、
主演のルー・テイラー・プッチのセンシティブさが素晴らしい。
ガラスの十代って感じだよね。
その赤ら顔とにきび面から、『エレファント』のジョン・ロビンソンのような
イノセントさを感じる。
年下好きの女性なんかはドキドキするんじゃないだろうか。

彼が演じる主人公は不安になるとサム・サッキング(親指しゃぶり)を
してしまう17歳。
「悪い癖」と周囲に注意され、精神的なよりどころを他に探すが、
それが抗鬱剤になったり、マリファナになったり、女になるだけで、
結局大きな変わりではない。
そういう状況下で、じつは両親や弟も、ある程度自分のように悩んでいる
ことを知り、「生きるうえで、イージーな答えはない」というところに気づく。
つまり、サム・サッキングをする自分は、素晴らしくもないが最低でもなく、
すべての人間が自分と同じく悩みながら生きているという、
当たり前な結論に行き当たる。
こういう時期は誰にでもある。
このラインを超えられるかどうかが、大人と子供の違いのひとつなんだろう。

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