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2008/11/20

今日も素敵にオネスティ VOL.74

まぐまぐを購読の皆様へ。
前回11月6日配信の74号がこちらの手違いで配信されていませんでした。
お詫び申し上げます。
遅れましたが74号を配信いたしますのでご笑読ください。

「100人いれば100通りのベターライフ」
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 ■☆★☆ 今日も素敵にオネスティ VOL.74☆★☆■
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こんにちは、NPO法人ベターライフ・スタイル事務局の岡田です。

 11月に入り、秋の深まりを感じますが、芸術の秋ということで絵
の話を少し。
 先日、東京駅にある百貨店でカミーユ・ピサロという画家の絵画展
「ピサロ展」に行ってきました。ピサロは風景画を得意とした印象派
の画家で、新印象主義の点描なども取り入れ自然や牧歌的風景を描い
てきた人です。私自身が好きなこともあって、それはそれは幸せなひ
とときだったのですが、予想に反して、その絵画展で私が一番感激し
たのは絵ではなく、ピサロが息子に宛てた一枚の手紙でした。

 その手紙にはこう書かれています。
『小さなデッサンは充分でないということを頭にたたき込みなさい。
対象に真剣に向き合い、より大きくしっかりとした輪郭線を持つもの
に取り組み、自分自身を鍛えることを始めなければいけない。全ての
物が描くべき価値を持っている。一本の木の普遍的な性質が分かれば、
その形を見ることができる。専門的になってはならない。なぜならそ
れは芸術を殺してしまうから。』(1883年6月25日)

 画家である父が画家である息子に宛てた手紙ですが、芸術やデッサ
ンの世界であっても、常に大きな視点の中で対象に向き合い精進する
ことを説いています。さらに一番惹かれたのは決して専門的になって
はならないということ。芸術という大きな命題を論じることは、私に
は荷が重すぎますが、専門的になればなるほど近視眼的で技巧的な画
風に陥ることを恐れていたのではないでしょうか。
 これはなにもデッサンの世界だけではないと思います。とかく専門
家は自分の土俵の上でしか議論が出来ず、スペシャリストとしての視
点から一歩も抜け出ようとはしません。
 私たちが求めるのはそのような些細な議論ではなく、混沌とした社
会の中で進むべき方向性や、どうバランスを取って生きていくべきか
といった指針やアイデアを求めているのであり、専門家自身にバラン
スが取れていなければ、結局、彼らの議論は実生活にはまったく結び
つかない虚無の話に終わってしまいます。
 ところが、報道番組や討論番組を見ていると、自身の専門的な見地
からのみコメントしている先生と称する人たちばかりで、このような
専門家が大手を振っているように感じてなりません。

 金融工学でならした投資家集団がサブプライムに端を発する金融恐
慌という沼にはまってしまったことを考えると、皆さんも専門家の見
識に疑問を感じずにはいられないのではないでしょうか。

 ピサロの風景画では、いつも人間は表情も読み取れないほど小さな
スペースしか与えられず、またほとんどの絵が後ろか下を向いていて、
自然の中のほんの一部と化しています。自然の中に生かされている私
たち人間を思えば、このほうが正しい書き方なのかもしれません。
 どのようなときも大きな視点から対象の輪郭線が描けるように、私
も大きな視点から物事を見極める力を持ってゆきたいと感じつつ、ピ
サロ展をあとにしたのでした。

 それでは、オネスティなひとときをどうぞ。

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     ☆ ベターライフ・スタイル活動報告 ☆
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今日は、今後行う予定の二つの活動についてお知らせします。

◆ 大手企業へのアンケート調査を今年も実施します。

 昨年は、「企業のオネスティ度(正直度)に関する緊急アンケート」
として、日経平均銘柄の中から146社を任意に選択してアンケート
調査を行いました。
 146社のうち7社から回答をいただき、ホームページで回答内容
を公表し、北海道新聞では昨年12月13日にこのアンケートに関す
る記事が掲載されています。
 このアンケートの趣旨は、各企業からの回答内容を通して、誠実に
事業を行う企業を応援しようとするものでしたので、回答の有無から
回答内容まですべて公表し、会員の方々に評価していただきました。

 さて今年のアンケートですが、意見交換会のメンバーより、食の安
全の見地から食品業界に対して行いたいとの強い要望がありました。
そこで、第二回目のアンケートでは、東証一部、二部及びジャスダッ
クに上場している食料品部門の合計128社を対象に、いまだ起こり
続ける食品偽装に関する問題と、安全な食品を提供するための取り組
みという二つの観点からアンケートを行います。

 アンケートの実施スケジュールは以下のとおりです。
・11月20日までにアンケート用紙を各社に送付。
・12月1日がアンケートの回答締め切り。
・12月15日にアンケート調査結果を公表。

 公表内容は前回と同様、アンケート内容に会員さんら消費者サイド
からのコメントを付加したものになる予定です。
 また公表方法も前回と同様ホームページ及びプレスリリースにより、
回答の有無まで含めた調査結果が公表されます。

 度重なる食品に関する事件報道で、食品の安全性そのものに対して、
消費者の信頼が揺らいでいます。
 このアンケートを通して、誠実な企業や食品業界への信頼回復につ
ながる一助となれば良いと思っています。


◆ 経営のための勉強会が始動

 10月10日に無事開催された経営者のためのセミナーの続編とし
て、11月18日から隔週ごとに勉強会を開催することとなりました。
 この勉強会では、カンブリア宮殿でとりあげられた素材を元に、講
師である大野と勉強会参加者の討論を通して、経営に携わるものとし
ての考え方などを一緒に学んでいくものです。

 今年の日程は下記のとおりです。
・11月18日(火)午後6時〜8時
・12月 4日(木)午後6時〜8時
・12月16日(火)午後6時〜8時

 場所はいずれも事務局会議室で、法人及び個人会員さんを対象にし
ております。
 なお、夜の開催でおにぎりなど用意するため、会費制にさせていた
だきます。
 会費は、
・個人会員 2000円/1回
・法人会員 3000円/1回(なお、3名様まで参加可)
・法人会員さんで一人だけ参加される場合は2000円となります。

 また、開催場所が手狭なため先着順に定員10名となっています。
すでにお申し込みを頂いておりますので、あと若干名しかお席がござ
いません。参加をお考えの方は、恐れ入りますが、まず事務局へお問
い合わせをお願いいたします。


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 ☆ ちょっと気になるオネスティ&ディスオネスティなできごと ☆
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こちらのコーナーは「プレイバック あの事件」と隔週ごとに交互に
掲載いたします。今回はお休みです。

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     ☆   プレイバック あの事件     ☆
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(株)東横イン 不法改造問題・その後

 本年5月8日発行のメールマガジンで「(株)東横イン 不法改造問
題」を取り上げました。その東横インですが、先月29日に西田憲正
元取締役会長が逮捕されました。今回の逮捕は本年5月28日に東横
イン松江駅前店にて発生した硫化水素発生事故に関するもので、廃棄
物処理法違反(不法投棄)容疑ということです。

 この事件は5月28日、東横イン松江駅前店の地下に放置された廃
棄物が原因となり硫化水素ガスが発生したというものです。硫化水素
ガスは外部に漏れだし、周辺道路は通行禁止となり、近隣住民も避難
を余儀なくされ、病院で手当を受ける人も出ました。事故発生当日の
深夜11時30分頃から中和作業が行われたものの、翌29日も終日
の作業となり、交通規制は29日午後になってやっと解除されました。
 その後、地下内廃棄物の撤去作業により6月17日から23日にか
けて搬出された残置物などの量は、残置物10トン以上、汚泥11ト
ン以上、汚泥を含む水3トン以上にのぼっています。この事故により
東横イン松江駅前店は営業自粛を行い、再開したのは7月17日とな
りました。9月18日には廃棄物を放置及び放置を許可したとして当
時の工事責任者等が逮捕され、10月29日には上記のとおり西田東
横イン元会長の逮捕となりました。
 不法改造問題の際、東横インでは組織のガバナンス強化のため委員
会設置会社に組織変更がなされ、社内組織としては、ユニバーサルデ
ザイン対応化委員会が設置され、法令遵守委員会も組織され、また、
内部監査室が新設され、不正に対する内部通報制度も作られたはずで
した。
 今回の事故は平成16年に地下配管スペースに石膏ボードを放置し
たことが原因であり、西田元会長はこの不法投棄を行う意思決定に深
く関わっていたと報道されています。

 企業を構成する人間は代わっても企業そのものは存続します。不誠
実な行動をとったのがある特定個人だとしても、それを企業の一員と
して行った場合、当該企業が自己の問題としてこれに対処しなければ
ならないのは当然のことです。今後このような問題をおこさないこと
はもちろん、今までのありかたが正しかったのかどうか、振り返って
見る必要があるのではないでしょうか。特定個人が行った過去の問題
ではなく、まさに今、企業が直面している問題として真摯に取り組む
姿勢を示すこと、そのことだけが企業の信用回復の道だと感じます。

 5月8日のメールマガジンでは、ユニバーサルデザイン対応化委員
会の最終答申書から「休まず、継続的に改善していくことが肝要であ
る」との記載を引用しました。これに加えて、「過去に真摯に向き合
う」ことも付け加えていただきたいと思う事件でした。
                           (YY)

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   ☆    tha ’s(雑)学 法律用語     ☆
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ご近所トラブルの24回目。さてさっそく今日のトラブルをみていき
ましょう。

 70を過ぎたKさんは、健康のために毎朝5時30分から奥さんと
近くの公園周辺を散歩しています。散歩するコースは、幅2.5mあ
る歩道なので奥さんと並んで歩けますが、ジョギングをする人、犬の
散歩をする人、通勤通学の人や自転車などで、早朝からかなり混み合
っていることもしばしばあります。
 その日も良いお天気で、歩道を二人で散歩していたKさんですが、
前方から新聞配達の自転車がやってくるのに気付きました。奥さんは
道路側に、Kさんは側溝のほうへ自転車をやり過ごし、そのまま側溝
の上を2・3歩進んだ瞬間、いきなりなにかにつまづいて前方へ大き
く転倒してしまったのです。転び方がひどかったので、奥さんが救急
車を呼んでKさんを病院に搬送し、CTスキャンや点滴による痛み止
めをして帰宅しましたが、結局Kさんはこの転倒で右の腕を骨折して
しまいました。その後3ヶ月間、週に2回の通院と19回のリハビリ
を行ってやっと完治したものの、その間にかかった費用は交通費など
も含めると100万円を超える大損害になってしまいました。
 この転倒の原因が側溝のふたが5センチほど持ち上がっていたこと
によるものだったことがわかり、腹を立てたKさんは道路を管理して
いる市に対して、この治療費やそれに伴う交通費など総額111万円
の損害を請求する訴訟を起こしたのです。

 これに対して、裁判所は市に対して22万円の支払いを命じました。
側溝とはいえ歩くことが予想されていること、市はKさんの事故まで
に、その月だけで7回もパトロールをしていながら気付かず、ちゃん
と目視していれば持ち上がりを発見することは充分可能であり補修も
容易であったことが理由です。
 また一方のKさんについても自転車をやり過ごしたあとすぐ歩道に
戻ることはできたし、見通しもよく持ち上がっている状態を発見する
ことはできたとして、8割の過失が認定され22万まで減額されたの
でした。

 確かに側溝は崩れていたり持ち上がっていたりする箇所をよくみか
けます。骨折して完治までのリハビリに3ヶ月、100万円以上の出
費、さらには裁判までして、それでたった22万円しか戻ってこない
とは、Kさんの気持ちとしてはなんともやりきれないものではなかっ
たでしょうか。
 しかしこのように損害が全額補填されることは難しいのが現実です。
皆さんも、健康のためのウォーキングやメタボ対策のジョギングなど、
まずは怪我をしないよう十分に注意して行ってくださいね。


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今回の内容はいかがでしたか?

 活動報告でお知らせしましたが、今年も昨年に引き続いて大手企業
へのアンケート調査を行うことになりました。とくにこのところ食品
関連の重大なニュースが後を絶たず、食品業界への今回のアンケート
はとても注目されることと思います。

 わたしが直近で気になった伊藤ハムの化学物質混入事件は、どのご
家庭の冷蔵庫にも入っているほどの身近な商品だっただけに、不安に
思われた方も多かったのではないでしょうか。

 このような身近な商品で異物混入事件が起こり死者まで出した事件
として、ジョンソンアンドジョンソンのタイレノール事件を思い起こ
した方もおられると思います。
 この事件は、1982年に全米で35%のシェアを誇るタイレノー
ルという鎮痛剤に、何者かがシアン化合物を混入させ7名が死亡、全
米がパニックになった事件です。
 J&J社は商品を回収、その回収費用は1億ドルに達したともいわ
れています。もう誰もがこの商品に未来はないと思っていたのですが、
J&J社は異物混入を防ぐために当時としては画期的な三層密閉構造
の新パッケージで発売を再開し、医療関係者への丁寧な説明とPRに
よる信頼回復で2ヶ月後には事件前の80%まで回復させました。
 実はその後1986年にも異物混入があるのですが、これもさらな
るパッケージの改良と迅速な対応で困難を乗り切り、このタイレノー
ルは2000年に日本でも販売が開始され、現在46カ国で服用され
ています。

 この事件当時、J&J社には対応マニュアルがなかったといいます。
しかしながら、J&J社には「Our credo」(私たちのクレ
ド=我が信条)というA4用紙1枚の紙があり、このクレドには、第
一の責任として、顧客への責任が説かれていました。この難局を乗り
越えた事例は、全社員がこの第一の責任を全うした結果の成功例とし
て今も語り継がれています。
 クレドは企業理念や信条の書かれたもので、リッツカールトンホテ
ルのクレドカードは特に有名です。残念ながら、ホテルリッツに泊ま
るという経験は未だありませんが、そのクレドカードからにじみ出る
すばらしいサービスは本にまでなって讃えられています。

 結局のところ何か重大な事が起こったときの対応は、マニュアルが
あればできるということではありません。企業として、第一義的にな
にを使命とし責任とするか、その信条を常に全社で共有することで、
それぞれが迅速にそして的確に対応できるということではないでしょ
うか。それこそが、ロボットにはなしえない人間の本来の強みなのだ
と思います。
 経営に携わる方々にはぜひその点を肝に銘じていただきたいと思い
ました。

  
 それでは次回は11月20日(木)です。どうぞお楽しみに。


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