2009/12/23
★映画通信シネマッシモ Vol.132「アバター」
★★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 映画通信シネマッシモ http://cinemassimo.livedoor.biz/ プロの映画ライター渡まち子が、本音で語る新作映画レビュー。 映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しんでください。 ネタバレなしのヒントあり。すべての映画好きを歓迎します\(^0^)/ ☆~~~ 発行者のひとこと ~~~☆ 2009年のメルマガは今回が最終号。年も押し迫った今、ものすごい映画が やってきました。美しすぎる映像は思わず息を呑むほど。3Dの技術は、 現時点ではこれが最高峰、まさに映像革命です。劇場の大画面でぜひ! 等幅フォントでお読みください。 Copyright (C)cinemassimo All Rights Reserved. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★★ 2009/12/23 Vol.132「アバター」 ◆プチレビュー◆ 深淵な世界観が見事なSF冒険物語。最新の3D技術で提供される美しい映像 に思わず息を呑む。 【90点】 22世紀。戦傷で下半身不随となった元海兵隊員のジェイクは、亡き兄に代わ ってアバター・プロジェクトに参加する。目的は、5光年離れた衛星パンドラ に眠る貴重な鉱物を得るため、先住民を排除すること。分身“アバター”によ り、再び身体の自由を得たジェイクは、未知なる星パンドラで任務につくが…。 「タイタニック」のジェームズ・キャメロンは、凝り性の完璧主義者として 有名だ。彼はこの「アバター」の構想に14年、製作に4年を費やしたという。 カメラやシステムすべてが新開発のデジタル3Dで撮影された驚愕の映像を見 れば、それだけの時間を要したのが納得できる。従来の3D映画は前方に飛び 出してビックリさせる見世物的要素が強かったが、本作の3Dは、奥行きと深 みに主眼を置く。また、実写とCGを融合したパフォーマンス・キャプチャー をさらに進化させ、限りなく実写に接近するテクノロジーとして3Dを活用し ている。映像革命とのキャッチフレーズは、決して誇張ではないのだ。 アバターとは、意識をリンクして得た分身のこと。パンドラは星全体が強い 磁気を帯び、人類には有害な大気に包まれているため、そこで活動するには、 人間と、パンドラに住む先住民ナヴィの遺伝子を組み合わせたアバターを遠隔 操作せねばならない。本作は、車椅子の主人公が、アバターによって再び縦横 無尽に駆け回るという設定がクレバーだ。これはそのまま、映画館の椅子に座 る“身動きできない”観客が、スクリーンで味わう解放感にスライドしていく。 SF、ファンタジー、アクション、ラブストーリーといったジャンルの垣根 を超える壮大な物語の前半は、パンドラの幻想的な光景に目を奪われる。熱帯 雨林のような大自然、多様で未知の生物たち、翼竜が空を飛び、山々は宙に浮 かぶ。細部まで作りこまれたそれは、緻密に構築された新世界だ。特に、夜に なるとあらゆる植物が、青やピンクに発光する神秘的な光景には、恍惚感を覚 える。聖なる木の精が浮遊する様は、夢を見ているかのようだ。ナヴィを立ち 退かせるため、部族の特徴や弱点を探るはずのジェイクが、パンドラそのもの に魅了されていくのが頷けた。やがてジェイクは、自然と調和し独自の文化を 育むナヴィに溶け込み、族長の娘ネイティリと恋に落ちる。しかし、後半はロ マンティックなトーンは一変。ジェイクは、人間のエゴと自分の任務に苦悩し た末に、ある決断を下すことに。終盤の壮絶な戦いには心を揺さぶられる。 物語は、人として成長するジェイクの心の旅だが、その裏側には、先住民を 排除して築かれたアメリカの罪や、今なお資源を求めて、民主主義の名を借り て他国で争いを続ける現政権への批判が透けて見える。異文化との共存や環境 保護を訴えること自体に新味はないが、ここまで先端的で美しい映像で語られ たら、そのメッセージは否が応でも力強く響く。加えて、アバターの理念には、 もはや肉体ではなく意識そのものが生命の絆だとする、一種の不死観がにじん でいた。パンドラの中心である母なる存在“エイワ”は、すべての生物の記憶 を蓄積する。ならば次世代に伝えるべき記憶こそが生の証となろう。まるで太 古の樹木の年輪のように、幾重にも重なる記憶。この映画で私たちは、今の自 分の存在意義を改めて自問せねばならない。 (シネマッシモ評価:★5つが満点)映像美度:★★★★★ □2009年 アメリカ映画 原題「AVATAR」 □監督:ジェームズ・キャメロン □出演:サム・ワーシントン、シガニー・ウィーバー、ゾーイ・サルダナ、他 ◆2009年のメルマガはこの号が最終号。1年間ご愛読ありがとうございました。 ◆次回は2010年1月09日以降に配信予定です。この号では2009年ベスト・ムー ビーを発表します。どうぞお楽しみに。それでは良いお年を! *~* 最後までお読み頂き、有難うございます m(_ _)m 良い一日を! *~* ★☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集・発行:映画ライター・渡まち子 machiko watari ご意見をお待ちしています(^0^)/ cinemassimo555@jcom.home.ne.jp 発行システム『まぐまぐ!』マガジンID:0000226121 http://www.mag2.com/ 登録解除・アドレス変更: http://www.mag2.com/m/0000226121.html *~* メールマガジンの相互紹介は行っておりません。*~* ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆★


