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プロの映画ライター渡まち子が仕事抜きの本音で贈る新作映画レビュー。ほどよい長さと鋭い批評は、映画を見る前と見た後と2度読んで楽しめます。★5つが最高のシネマッシモ評価も参考にどうぞ。

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2008/04/19

★映画通信シネマッシモ Vol.058「フィクサー」

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 プロの映画ライター渡まち子が仕事抜きの本音で贈る新作映画レビュー。
 ほどよい長さと鋭い批評は映画を見る前と見た後と2度読んで楽しめます。
 ★5つが満点のシネマッシモ評価も参考にどうぞ。

       ☆〜〜〜 発行者のひとこと(^0^)/ 〜〜〜☆
  
   セクシーでハンサムなジョージ・クルーニー。実は政治や社会問題、
   平和活動にも積極的な意識を持つリベラル派としても有名です。
  
                等幅フォントでお読みください。
      Copyright (C)cinemassimo All Rights Reserved.
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2008/04/19  Vol.058「フィクサー」

◆プチレビュー◆
俳優の演技合戦がたっぷり楽しめる大人の映画。硬派なジョージ・クルーニー
が魅力的だ。 【80点】

 マイケルは大手法律事務所の弁護士。しかし彼の仕事は不祥事を陰で処理す
るフィクサー(もみ消し屋)だ。重宝はされるが昇進もなく、私生活でもトラ
ブルを抱えて行き詰っている。そんな中、巨額の薬害訴訟担当の同僚弁護士ア
ーサーが企業の悪事の暴露を企て、マイケルが事態を収拾することになる…。

 社会の不正の中で自分は何をすべきか。ふと心がピュアになった瞬間にその
分水嶺は見えた。裏稼業専門のマイケルは、野生馬の姿に心を奪われ立ち止ま
る。“美しさに感動する心”を彼がまだ持っていたこと。これが主人公を変え
た。映画は、冒頭に車の大爆発という派手な場面を用意し、それから過去へと
遡って、いったいなぜ彼が命を狙われたかを解き明かしていく。これは、綺麗
事ではすまない現実の中で、個人の立場を問うスリリングな意欲作だ。

 物語は社会派サスペンスと人間ドラマの両面を持つが、いくらでも娯楽作に
なる題材を、あえて地味なスタイルにした点に、作り手の本気度が見える。キ
ャスティングもしかり。硬軟演じ分ける実力派で人気スターのクルーニー、演
技派のウィルキンソン、クセ者女優スウィントンと聞けば、映画ファンなら誰
もがうなるだろう。

 三人三様の個性は静かな火花が散る演技合戦となり、非常に見応えがあるが、
役柄の内面性という点では、スウィントンが抜きん出る。仕事に誇りが持てな
いマイケルの焦燥も、良心に目覚めたアーサーの苦悩も、巨大農薬会社の法務
部本部長で、企業の利益のためなら手段を選ばないカレンの、パニック寸前の
精神状態に比べれば、まだ救いがあるとさえ思えた。鏡に向かって何度もイン
タビューの練習を繰り返す異様な姿。脇にはびっしょりと汗。引きつった笑顔。
保身のために理性を無くしたことさえ気付かない人物を、冷徹さと脆さの両方
をにじませて演じたスウィントンの表情は、見事なものである。

 監督のトニー・ギルロイは脚本家出身だけあって人物描写が非常に丁寧だ。
だが丁寧すぎて前半がダレるのが惜しい。主人公の家族を登場させ人物像を掘
り下げるが、マイケルが暗い地下室でギャンブルに興じる場面とその憔悴しき
った顔だけで、彼がのっぴきならない状況にあることは、完璧に理解できる。
フィクサーとその同僚、そして女性企業弁護士。崖っぷちにいる3人の関係性
こそがこの映画の黄金率だ。それに絞って物語を語るべきだったと思う。

 それでもこの極めて地味な作品は単なるサスペンスに終わらず、人間の最も
弱い部分を炙り出すことに成功している。誰かが誰かに勝利するのではない。
追い詰めるのは他でもない自分自身だ。ここにこの映画の質の高さがある。自
分を見失っていた男が人生の軌道を修正するストーリーは、手垢がついたもの
かもしれないが、ラストの主人公の行動には胸がすく思いだ。劇中で2度登場
する野生馬の姿は、厳しい現実の中にもあるべき人間性の象徴なのである。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)大人向け度:★★★★

□2007年 アメリカ映画 原題「Michael Clayton」
□監督:トニー・ギルロイ
□出演:ジョージ・クルーニー、ティルダ・スウィントン、トム・ウィルキン
ソン、シドニー・ポラック、他

ボーン・アルティメイタム(脚本:トニー・ギルロイ)
価格:¥ 2,850(定価:¥ 3,990)
http://www.amazon.co.jp/dp/B0011XVU8G/ref=nosim/?tag=watari205-22

*〜* 最後までお読み頂き、有難うございます m(_ _)m 良い一日を! *〜*

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     編集・発行:映画ライター・渡まち子 machiko watari
ご意見をお待ちしています(^0^)/  cinemassimo555@jcom.home.ne.jp
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