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プロの映画ライター渡まち子が仕事抜きの本音で贈る新作映画レビュー。ほどよい長さと鋭い批評は、映画を見る前と見た後と2度読んで楽しめます。★5つが最高のシネマッシモ評価も参考にどうぞ。

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2008/01/26

★映画通信シネマッシモ Vol.046「テラビシアにかける橋」

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 プロの映画ライター渡まち子が仕事抜きの本音で贈る新作映画レビュー。
 ほどよい長さと鋭い批評は、映画を見る前と見た後と2度読んで楽しめます。
 ★5つが満点のシネマッシモ評価も参考にどうぞ。

       ☆〜〜〜 発行者のひとこと(^0^)/ 〜〜〜☆

  豪の若手俳優ヒース・レジャー、死亡。このニュースを最初に聞いたときは誤
  報じゃないかと思ったほど驚きました。将来を嘱望された若手実力派俳優の早
  すぎる死を、映画ファンとして悼みます。享年28歳。若すぎる…(涙)。

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2008/01/26  Vol.046「テラビシアにかける橋」

◆プチレビュー◆
ファンタジーというより子供の心の豊かさを描いた作品。原作は児童文学だが、映画
は大人向けだ。 【65点】

 いじめられっ子の少年ジェスは、風変わりな転校生レスリーと仲良しに。二人は森
の中に“テラビシア”という空想の国を創り上げる。この秘密の国で、彼らは王と女
王として国を統治し自由だった。だがそんな二人の楽しい日々を突然の悲劇が襲う…。

 正直に言うと、見る前は全く期待していなかった。例によって子供が主役のファン
タジーで、動物やクリーチャーがいっぱい登場し、大冒険の末のハッピーエンドだろ
うと軽く考えていたのだ。だがこの映画はいい意味で期待を裏切ってくれる。これは
ファンタジーではない。どんな子供も必ず持っている“想像力”で心を豊かにし、人
生の困難に立ち向かう勇気を培う方法を教えてくれる物語なのだ。

 主人公ジェスはわずか11歳にして負け犬根性がしみついたヘタレ少年だ。彼の家は
子沢山で女系家族、経済的にも貧しい。生活に追われる両親は、絵とかけっこが得意
なジェスを褒めてやる心の余裕などないのだ。家では姉妹たちの中でバカにされ、学
校でもいじめられているジェスが、レスリーと気が合ったのは、二人とも現実世界に
上手く溶け込めないという共通項があったからだろう。ただ、同じはみだし者でも、
二人には大きな違いがある。それはいじめに遭う場面でよく分かる。ジェスは最初か
らあきらめモードだが、レスリーはいじめさえ楽しもうとするのだ。個性的な芸術家
の両親から育てられた彼女には、物事すべてをプラスにとらえる特別な才能があった。
そんな彼女の提案で作り上げた想像の王国テラビシアは、単なる逃避の場ではないと
いうところがポイントだ。ここでは彼らは生きるために必要なガッツを学んでいく。

 言うまでもなく、いじめは、世界的に深刻な問題だ。だが、法規制や大人の介在で
解決しようとする日本と違い、アメリカには、自分のことは自分で解決すべきという
精神が根底にあるのではなかろうか。映画の中でも、二人の両親はもちろん、ジェス
の美術の才能を見抜く優しい先生でさえ、子供の問題には口出ししない。だからこそ
テラビシアは重要なレッスンの場となるのだ。魔法や不思議な生き物が助けてくれる
のではなく、自分で解決法をさぐり現実世界で実行する設定が、物語を地に足がつい
たものにした。それは、終盤に起こる悲劇のあとにこそ効力を発揮する。

 映画の軸となるレスリーを演じたアナソフィア・ロブのはつらつとした表情がとて
もいい。彼女は「チャーリーとチョコレート工場」で生意気な少女を演じていたが、
本作ではちょっぴり大人っぽくなっていて、どこかキーラ・ナイトレイを思わせる。
将来有望な小さな名女優に注目しておこう。監督は、ハンガリー出身のガボア・クス
ポ。本職はアニメーターというだけあって、テラビシアの造形が生き生きと魅力的に
撮れている。美しい谷や緑にあふれた森は、重層的な深みを持ち、子供たちの可能性
の広がりの象徴のように見える。だが、一番素晴らしいのは、終盤に登場するテラビ
シアの入り口にかけられた本物の橋だ。そこを渡れば幸せになるのではなく、それを
作ったものは少しだけ大人になり強くなる。小さな妹の手をしっかりと握るジェスの
顔が輝いているのがその証拠だ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ほろ苦度:★★★★

□2007年 アメリカ映画 
原題「Bridge to Terabithia」
□監督:ガボア・クスポ
□出演:ジョシュ・ハッチャーソン、アナソフィア・ロブ、ロバート・パトリック、他

 *〜* 最後までお読み頂き、有難うございます m(_ _)m 良い一日を! *〜*

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     編集・発行:映画ライター・渡まち子 machiko watari
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