2009/11/04
サステナブルCSRレター 2009/11/04(No.068)
■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□ サステナブルCSRレター 2009/11/04 (No.068) <ほぼ新月とほぼ満月に発行> ■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□ 《巻頭言》「企業と生物多様性(8)生物多様性は経済の課題」 こんにちは、レスポンスアビリティ(RAI)の足立直樹です。昨夜の満月 は東京では素晴らしく美しかったのですが、皆さんご覧になられたでし ょうか? 澄んだ秋の空に輝く満月はまぶしいほどでした。さて、それで は旬のCSR情報をお届けしましょう。 前回のメルマガを発行した翌日から、シンガポールに出張して来まし た。アセアン生物多様性センターが開催する国際シンポジウム、ACB2009 に参加するためです。400人近い出席者が、アセアンを中心に世界中から 集まり、この種の国際会議としては珍しく、日本の方の姿も多く見かけ ました。COP10に向けての関心が高まっているということでしょう。 今回のテーマは3つ、「気候変動と生物多様性」、「ABS(遺伝資源へ のアクセスと利益分配)」そして「生態系と生物多様性の経済学」です。 気候変動との関係は、REDD(森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削 減)のこともあって今かなり旬なわけですが、残り二つはいずれも経済 の問題であるということにご注目ください。 この「企業と生物多様性」の連載をお読みの方にはもうご理解いただ いていると思いますが、企業にとって生物多様性は経営上の課題です。 そしてそれ以上に、生物多様性は本質的に経済の問題なのです。 生物多様性条約の目的は、1. 生物多様性の保全、2. 生物多様性の構 成要素の持続可能な利用、3.遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ 公平な配分、です。一見、動物や植物など生物を保護するための条約の ように思えるかもしれませんが、私たちが生物資源を持続的に利用し、 利益を公平に配分することが必要であり、そのためにも様々な生物の保 全(保護ではなく)が必要だということが、条約の目的からも読み取る ことができます。 しかし実際には今回のシンポジウムでも、自国の生物多様性の危機的 状況を報告するような発表が多く、日本も含めて、多くの国々の参加者 が「生物多様性=珍しい生きものの保護」という図式から離れられない ように見受けられました。 今回私は、「生態系と生物多様性の経済学」のセッションで、企業に よる生物多様性の保全を進めるために日本の企業や行政が様々な取り組 みをしていることを紹介したのですが、そのことすら一部の参加者の方 からは「そんな動きもあるんですね」と驚かれ、こちらが逆に驚いたぐ らいです。ですから、アジアでは企業による自主的な保全の取り組みと いうのは、やはりまだまだ新しい話題なのだと思います。 しかし一方、同じセッションの中で、生物多様性や生態系を保全する ための経済的インセンティブとして、PES(Payment for Ecosystem Serv ices、生態系サービスへの支払い制度)がしばしば話題になり、しかも それが現金収入を生み出し、貧困削減にもつながる点が注目されていた のは興味深いことでした。またABSについても、この貴重な「金の卵」を なんとかして守りたいという各国の思いも、いくつかの場面で強く感じ ました。 つまり「生物多様性が実は経済の問題である」とか、「企業にとって の経営課題である」ということにたとえ人々が気が付いていなかったと しても、その経済的側面や可能性は、様々なところに既に顕在化してき ていると言えるでしょう。欧州や米国は既にそのことを十分に意識した 上で行動しているように思えますし、国際的にも、今後ますます経済的 側面が大きな論点になってくることでしょう。 生物多様性と事業の関わりの程度は、たしかに企業ごとに異なります。 しかし軽視していたために後から手遅れということにはならないように、 生物多様性が経済に関わる問題なのだという意識だけは、ぜひお忘れな く! サステナビリティ・プランナー 足立直樹 ※《CSR TOPICS》でもブログの関連記事を紹介しています。 ================================ □□□ 今号の目次 □□□ 《巻頭言》「企業と生物多様性(8)生物多様性は経済の課題」 《CSR TOPICS》 《RAIからのお知らせ》 《注目のセミナー》 ▼連続セミナー「人々の生物多様性」第3回特別セッション 『消える熱帯林はどこへ?インドネシアから日本へのメッセージ』 ▼COP10に向け、企業の生物多様性保全に関するシンポジウム ~企業が語るいきものがたりPart3~ ▼「気候変動 国際シンポジウム 鳩山イニシアティブとCOP15」 《季節の暦・月の暦》 《読者のこえ》 《編集後記》 =============================== ○《CSR TOPICS》―――――――――――――――――――――――● 足立直樹のブログ「サステナ・ラボ」からオススメ記事をご紹介します ▼どこに行った、CSR? 最近、以前よりCSRという言葉を聞かなくなったような気がします。仕事 が生物多様性に関わるものが増えているせいなのかという気もしたので すが、CSRで検索してひっかかるニュースも減っているようです。 ※続きはこちらから... ↓ http://suslab.seesaa.net/article/131974711.html ▼ABSの争点 来年のCOP10の重要な議題の一つとされているABS、でもなんだかムズカ シくて、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。ABSとは、 Access and Beneft Sharingの略で、 日本語では「遺伝資源へのアクセ スとその利用から生じる利益の公正・公平な配分」などと訳されます。 え、余計訳がわからなくなりました? ※続きはこちらから... ↓ http://suslab.seesaa.net/article/131539873.html ▼対価を支払う意味 先週のACBで、僕は"Business and Biodiversity"というセッションで話 しをするつもりだったのですが、いつの間にセッションのタイトルは"Ec onomics of Ecosystem and Biodiversity"に変わっていました。まぁ、 こちらはどちらでもそれほど問題ないのですが、このタイトルを見てて っきりTEEBの話が聞けると思った参加者の方もいたようで...。 ※続きはこちらから... ↓ http://suslab.seesaa.net/article/131367994.html ○《注目のセミナー》―――――――――――――――――――――● サステナビリティやCSRに関する注目のセミナーなどをご紹介します。 ▼連続セミナー「人々の生物多様性」第3回特別セッション 『消える熱帯林はどこへ?インドネシアから日本へのメッセージ』 インドネシアからのゲスト4名を迎え、紙パルプ向けの伐採・植林やアブ ラヤシ農園開発により、急速に失われる熱帯雨林と、温暖化やオラン ウータンをはじめとする世界で最も豊かな生物多様性との関連、現地の 人々への影響、そして日本での生活とのつながりについて、昼・夜二部 制にてじっくりお話いただきます。コメンテーターとして弊社の足立が 参加します。 ◆日時:2009年11月12日(木) 昼の部:14:00~17:30、夜の部:18:30~20:30 ◆場所:総評会館201会議室 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11 最寄り駅:地下鉄新御茶ノ水駅B3出口(千代田線)から徒歩0分 都営地下鉄新宿線小川町駅2分、丸の内線淡路町4分。 http://www.sohyokaikan.or.jp/access/ ◆定員:90名 ◆受講料:各回1,000円、昼夜通し1,500円 ◆主催:地球・人間環境フォーラムほか →申込みはこちら http://www.gef.or.jp/activity/forest/biodiv/seminar2009_3.html ▼COP10に向け、企業の生物多様性保全に関するシンポジウム ~企業が語るいきものがたりPart3~ 第3部のパネルディスカッション(16:10~17:30)「COP10を来年に控え、 企業の役割を考える」に、ファシリテーターとしてRAI代表の足立が登壇 いたします。 ◆日時:2009年11月25日(水)10:00~17:30 ◆場所中央大学駿河台記念館 281号室(千代田区神田駿河台3-11-5) ◆定員:200名(先着順) ◆参加費:無料 ◆主催:三井住友海上火災保険株式会社 ◆後援:環境省 ◆提携協力:生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会 ◆特別協力:企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB) 詳細はこちら http://www.ms-ins.com/news/h21/pdf/1009_1.pdf →申込みはこちら kankyokoken@ms-ins.net ▼「気候変動 国際シンポジウム 鳩山イニシアティブとCOP15」 COP15を目前に控え、政策担当者・企業・NGO・研究者・マスメディア 等、多様なセクターからの参加を得てシンポジウムを開催いたします。 第一部は、「気候変動に関する国際交渉(仮題)」遠藤和也氏(外務省 国際法局経済条約課条約交渉官/国際協力局気候変動交渉官)と、「国 際排出量取引制度/CDMの課題(仮題)」Axel Michaelowa 氏(Perspect ives GmbH)からの報告。 第二部は、ディスカッション 〈司会〉古沢広祐(國學院大学教授)、足立治郎(JACSES事務局長) ◆日時:2009年11月26日(木) 18:15~21:30 ◆場所:ベルサール飯田橋 1階 HALL A,B 〒102-0072東京都千代田区飯田橋3-8-5住友不動産飯田橋駅前ビル http://www.bellesalle.co.jp/bs_iidabashi/ ◆定員:25名程度 ◆参加費・軽食代:2,000円(JACSES賛助会員:無料、サポーター:半額) ◆主催:「環境・持続社会」研究センター(JACSES) 申込方法・詳細はこちら http://www.jacses.org/form/form_event.html ○《季節の暦・月の暦》――――――――――――――――――――● ●満月(望) ●11月3日(火) 4時頃 ●立冬(りっとう)●11月7日(土) 二十四節気の1つで、この日から小雪までの期間をいいます。冬の気配が 現われてくる日で、『暦便覧』では、「冬の気立ち始めて、いよいよ冷 ゆれば也」と説明しています。この頃から木枯らしも吹き始め、朝夕と もに冷え込んできます。 ○《読者のこえ》―――――――――――――――――――――――● 読者の皆様からのお便りをご紹介いたします。今回ご紹介するのは、 No.67に対するNさんからのご感想です。Nさん、ご感想ありがとうござい ます。 足立様 お世話になっております。 メールをいただき、どうもありがとうございます。 アクションの原点は、まず自分の身の回りを把握することからかと思い ます。会社の環境マネジメントシステムをまわすセクションに在籍して おりますが、日々の業務がどう環境に影響を与えているか、小さいなが らも影響評価を行うたびにその実感を持ちます。生物多様性も同様と痛 感しております。自分たちの経済活動、生産活動が自然の資源とどうつ ながっているのか、深く考察することで自ずと実行すべきことが見えて くるのではないかと思います。課題発見からソリューションへのフロー の雛形づくりに関われればと希望しております。なお、いただいたメー ルマガジンはすでに購読させていただいております。飛び交う環境情報 の整理に大変役立っております。今後ともどうぞよろしくお願いします。 ※句点、改行位置を一部変更してあります。 ※バックナンバーは、以下のURLからご覧いただけます。 http://archive.mag2.com/0000226055/index.html ○《編集後記》――――――――――――――――――――――――● 都市における生物多様性は、COP10の重要なテーマの一つです。とはいえ、 日常生活で「生物多様性」を感じることのできる機会は少ないもの。そ んな中、都会を元気に飛び回るトンボやミツバチに出会う機会に恵まれ ました。工業地帯に設けられた緑地やビオトープの池を飛び回るトンボ たち、銀座のビルの屋上でおいしいハチミツをあつめるミツバチたち、 ふだんは目にとめることのない小さな生き物たちの姿に、思わず夢中に なってしまいました。貴重な機会をご提供くださった皆さまに感謝申し 上げます。(野) ※このコーナーはレスポンスアビリティのスタッフが交代で書いていま す。 ○――――――――――――――――――――――――――――――● 今回のメルマガはいかがでしたでしょうか。よろしければご感想をお聞 かせください。いいただいたご感想は個人名は伏せて「読者のこえ」 コーナーでご紹介させていただくことがございます。 発行: 株式会社レスポンスアビリティ(http://www.responseability.jp) 〒141-0021 東京都品川区上大崎1-1-4 ミルーム白金台402 メルマガ担当:mm@responseability.jp ※バックナンバーの参照、他のアドレスからの登録は、以下のページ からどうぞ。お知り合いにご紹介いただくときにも、ご利用下さい。 http://www.mag2.com/m/0000226055.html ※転送歓迎です。複製・転載時には事前にご連絡ください。 Copyright(c)2007-2009 Response Ability, Inc. All Rights Reserved.


