2009/08/20
サステナブルCSRレター 2009/08/20(No.063)
■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□ サステナブルCSRレター 2009/08/20 (No.063) <ほぼ新月とほぼ満月に発行> ■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□□□□■□ 《巻頭言》「変わらないことの意味」 残暑お見舞い申しあげます。レスポンスアビリティ(RAI)の足立直樹で す。新月今日、旬のCSR情報をお届けします。 今回は久しぶりに生物多様性とは違う話をしようと思います。「ヨー ロッパの国々は、なぜ日本より豊かな生活ができるのか? 失業率が高 いなどいろいろ問題はあるにしても、夏ともなれば誰もが長い休暇を取 り、バカンスを楽しんでいる!」 そうした疑問に対して、「それは社会に良質なストックが蓄えられて いるから。長持ちする家や家財道具があれば、収入はそれほど多くなく ても、実質的な可処分所得は多く、豊かな生活ができる。」そう教えて くださったのはOさんで、長いイタリア駐在の間に、このことに気がつい たそうです。(そして実はこれが、200年住宅の基本アイディアになった のです!) 私も先日ベネチアを訪れ、いろいろなことを考えさせられました。7世 紀から19世紀まではベネチア共和国として独立し、地中海を制してきた 都市国家です。正確にはイタリアとは区別すべきでしょうが、古いスト ックを大量に残しているという点ではヨーロッパでも有数でしょう。実 際、14世紀頃に建てられた多くの建物が、少しずつ改修されながら、今 も大事に使われています。近代的な建物はほとんど見かけないと言って いいぐらいです。 こういう話をすると、「日本は地震が多いから」とか、「日本の家は 木と紙で出来ているから」という反論がすぐに出てくるのですが、本当 にそうでしょうか? イタリアも地震の多い国ですし、火事だって起き ます。ベネチアには、多くのオペラが初演されたフェニーチェ劇場とい う有名な劇場がありますが、そもそもが火災で焼失した他の劇場の後継 として建てられ、この劇場自身も2度も全焼し、しかしきちんと再建され、 今なお使われているのです。 木造でも数百年以上もってきた家はざらにあるわけですし、たとえ日 本家屋が災害に弱かったとしても、同じものを再建し、少しずつ現代風 にアレンジしながら、継続性を持たせることは出来たはずです。にも関 わらず今の日本の街並みが、あまりに過去と断絶し、混とんとしている のはなぜでしょうか? あるいはなぜ、コンクリート製の建物がわずか30年で取り壊されてし まうのでしょうか? これは私たちが伝統や文化を重視することを忘れ、 それとは正反対のやり方や価値観に急速に染まってしまったからなので はないでしょうか。 便利、手軽、簡単、そして経済的。そうした方向に動くことは楽です し、短期的に変化や成果を得ることができるかもしれません。しかし、 所詮それは薄っぺらなものでしかなく、長い目で見ると経済的でもなく、 要は持続可能でないのです。 ベネチアは商人の都で、経済最優先で運営されてきたと言われますが、 それでも昔からの生活や景観を維持しながら、数百年、場所によっては 千年以上続いてきたのです。そして今はその遺産が収入源にもなってい ます。どちらが持続可能であるかは明白です。 もちろん、今から数百年前に建てられた建物や街には、不便なところ がたくさんあります。なにせ自動車はおろか、自転車すら走ることがで きないのです。数日間を過ごす観光客にとってはちょっと変わった経験 ではあっても、毎日暮らす方々には、苦労も多いに違いありません。そ れでもこの街の方々は、古い街並みを残すことを、古い建物に手をかけ て住むことを、ずっと選んできたのです。 すべての変化を拒む必要はないと思いますが、歴史の中で発達し、残 って来た文化や景観には、それなりの意味があるかもしれない。時間に よる検証を信じ、ちょっぴり頑なになってみる。そうした考え方や生き 方が、豊かな暮らしの本当の理由かもしれません。 観光客で混雑する夏が終わると、バカンスに出かけていた地元の方々 が街に戻って来ます。そのとき、ベネチアではどんな日常の生活が繰り 広げられるのでしょうか。短い休暇しか取れない日本人はただそれを想 像してみるしかありませんが、きっと噛めば噛むほど味わい深い生活が あるにちがいありません。 経済性だけを考えてもうまくいかないことが明らかになった今、過去 の伝統や文化をどう将来に手渡すか。百年先を思い、百年前を振り返る ことが、私たち一人ひとりにとっても、また企業や行政などの組織にと っても、大きな課題なのではないかと思います。 サステナビリティ・プランナー 足立直樹 ※《CSR TOPICS》でもブログの関連記事を紹介しています。 ================================ □□□ 今号の目次 □□□ 《巻頭言》「変わらないことの意味」 《CSR TOPICS》 《RAIからのお知らせ》 《注目のセミナー》 ▼FoE Japan 連続セミナー「人々の生物多様性」 第1回:ラオスの森林と開発、そして生物多様性 ▼PEM講座『生物多様性と企業』&川渡人工湿地視察会 ▼「エコロ・ジャパン」主催 第3回 サステナビリティ・セミナー 《季節の暦・月の暦》 《読者のこえ》 《編集後記》 =============================== ○《CSR TOPICS》―――――――――――――――――――――――● 足立直樹のブログ「サステナ・ラボ」からオススメ記事をご紹介します ▼マイクロファイナンス・バブル 飛行機でWall Street Journalを読んでいたら、「マイクロファイナンス がインドのスラムでバブルを生んでいる」。そんな衝撃的な記事が一面 に掲載されていました。 ※続きはこちらから... ↓ http://suslab.seesaa.net/article/125920478.html ▼特権階級のない社会、ある社会 一昨日の続き(?)です。法則という名前に適しているかどうかはちょ っと微妙なのですが、僕の好きな自製の「自然の法則」の一つに、「自 然は公平。特権階級もオールマイティーな生物も存在しない」というの があります。 ※続きはこちらから... ↓ http://suslab.seesaa.net/article/125476385.html ▼ニホンミツバチの誘惑 先日銀座でニホンミツバチに出会ってから、ミツバチを飼いたいなぁと ぼんやり考えています。そのときに説明をしてくださった藤原養蜂場の 藤原誠太さんによれば、実際、マンションのベランダでもミツバチを飼 うのは簡単なのだそうです。 ※続きはこちらから... ↓ http://suslab.seesaa.net/article/125244146.html ○《RAIからのお知らせ》 ――――――――――――――――――● 弊社は、8月31日(月)よりオフィスを下記に移転し営業いたします。 なお、8月28日(金)は、正午までの営業とさせていただきます。 ▼新住所 〒141-0021 東京都品川区上大崎1-1-4 ミルーム白金台402 電話・FAX番号は変更ありません。 ○《注目のセミナー》―――――――――――――――――――――● サステナビリティやCSRに関する注目のセミナーなどをご紹介します。 ▼FoE Japan 連続セミナー「人々の生物多様性」 第1回:ラオスの森林と開発、そして生物多様性 ラオスにおいて失われゆく森林と生物多様性に関して、住民に森林管理 をする権利を委譲するプロジェクトにかかわってきた 日本国際ボランテ ィアセンターのグレン・ハントさん、およびラオスの森林と人々の関係 の変遷について、地球環境戦略研究機関の百村帝彦さんにお話しを頂き ます。 ◆日時:2009年9月8日(火)14:00~16:30 ◆場所:地球環境パートナーシップ・オフィス(エポ会議室) 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F ◆参加費:1,000円(主催団体・協力団体のスタッフ、会員は無料) ◆主催:FoE Japan、地球・人間環境フォーラム、メコン・ウォッチ お申込みこちら http://www.gef.or.jp/form/index.htm ▼PEM講座『生物多様性と企業』&川渡人工湿地視察会 川渡の東北大学野外実験フィールドにおいて今年春に稼働開始いたしま した「 人工湿地システム」のお披露目をする視察ツアーを開催。視察前 に「生物多様性と企業」について弊社足立の講義があります。 ◆日時:2009年9月10日(木)10:30-12:00 ◆場所:東北大学多元物質科学研究所・材料物質総合研究棟1号館1階 会議室 ◆主催東北大学大学院 生命科学研究科 生態適応グローバルCOE お申込みこちら 東北大学大学院 生命科学研究科生態適応グローバルCOE 環境機関コン ソーシアム事務局(担当:このしま) eco-gcoe@bureau.tohoku.ac.jp ▼持続可能な社会のための政策ネットワーク「エコロ・ジャパン」主催 第3回 サステナビリティ・セミナー 参加者募集 サステナビリティ(持続可能性)を共通テーマとした、関連各分野の若 手中堅のスペシャリストを招き、連続講演セミナーを実施します。 ◆日時:2009年9月12日(土)12:00~17:00 ◆場所:地球環境パートナーシップオフィス(東京・青山)B2F EPO会 議室 http://www.geic.or.jp/geic/intro/access.html#epo ◆参加費:500円(資料代含む) ◆定員:60名(先着順) ◆主催:持続可能な社会のための政策ネットワーク「エコロ・ジャパ ン」 ◆プログラムおよび参加要領: 詳細は以下のページをご覧ください。 お申込みはこちら http://lp.jiyu.net/sustainable-seminar0912.htm ○《季節の暦・月の暦》――――――――――――――――――――● ●新月(朔)● 8月20日(木) 19時頃 ●処暑(しょしょ)● 8月23日(日) 二十四節気のひとつで8月23日ころ、およびこの日から白露までの期間を 言います。暑さが峠を越えて後退し始めるため、暑さが終わるという意 味です。また台風が発生しやすいため、台風襲来の特異日とも言われて います。 ○《読者のこえ》―――――――――――――――――――――――● 読者の皆様からのお便りをご紹介いたします。今回ご紹介するのは、 No.62に対するFさんからのご感想です。Fさん、ご感想ありがとうござ います。 ~~~~ CSRレター有難うございました。 記事が貴重であることは申し上げるまでもありませんが、季節の暦・月 の暦も楽しみです。更に、夏生まれの編集後記担当の方が暑さに弱いの で、早くこの暑さが過ぎ去るのを願っていらっしゃる由。私は4月の春 の生まれですが、へそ曲がりなのか、暑中見舞いを出さねばという頃に は立秋で、夏が過ぎ去る早さを惜しんでおります。真夏の暑さが待ち遠 しく、秋風の立ち始めると寂しささえ感じます。暑中見舞いを出し損な うのは、心がけの問題だと反省してはいます。いつも本当に有難うござ います。 ~~~~ ※句点、改行位置を一部変更してあります。 ※バックナンバーは、以下のURLからご覧いただけます。 http://archive.mag2.com/0000226055/ ○《編集後記》――――――――――――――――――――――――● 話題のベストセラー『1Q84』村上春樹著(新潮社刊)のラストは、館山 から東京へ向かう特急の中。私自身、この特急で故郷と東京を数えきれ ないほど往復し、車窓から海を眺め、夕日を眺め、月を眺め、小さな決 心を何度となくしたものです。そんな日々と重ね合わせながら、最後の 頁を閉じました。また一冊の大切な本と出会えた夏が終わろうとしてい ます。(さざなみ) ※このコーナーはレスポンスアビリティのスタッフが交代で書いていま す。 ○――――――――――――――――――――――――――――――● 今回のメルマガはいかがでしたでしょうか。よろしければご感想をお聞 かせください。いいただいたご感想は個人名を伏せて「読者のこえ」 コーナーでご紹介させていただくことがございます。 発行: 株式会社レスポンスアビリティ(http://www.responseability.jp) 〒141-0021 東京都品川区上大崎3-7-8 しろがねロッカス401 メルマガ担当:mm@responseability.jp ※8月31日からの新住所 〒141-0021 東京都品川区上大崎1-1-4 ミルーム白金台402 電話・FAX番号は変更ありません。 ※バックナンバーの参照、他のアドレスからの登録は、以下のページ からどうぞ。お知り合いにご紹介いただくときにも、ご利用下さい。 http://www.mag2.com/m/0000226055.html ※転送歓迎です。複製・転載時には事前にご連絡ください。 Copyright(c)2007-2009 Response Ability, Inc. 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