2008/11/07
ここは地の果てアルジェリア【第79号】
┌──────────┓ │ 第79号 2008.11.07 │ ┏──────────────────────────┴──┬───────┤ │ ここは地の果てアルジェリア 技術移転奮闘記 │ 永尾 良一 │ ┗─────────────────────────────┴───────┛ │ │ ☆私こと普通の日本人が、スイスの企業に雇われ外人部隊となって │ アルジェリアの工場建設現場に行き、現地の生徒を一から教育する │ ノンフィクション物語です。 │ │ ☆上司も同僚も外国人、生徒はもちろんアルジェリア人、 │ 日本人は私たった一人でした。 │ │ ☆とうとう最後の授業がやってきた。私は生徒たちに「セ、ビヤン!」と │ 挨拶をすると大きな拍手がわき起こった。これで終わった。 │ 満足感と共に寂しくもあった。 │ ┗─────────────────────────────────… *:...:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:...:*:..:*:..:*:..:*:...:*:..:* ┏────────┓ │ 別れの船旅1 │ ┗────────┛…………………………………………………………………… 地中海の船旅程、想像と現実が違った旅行もない。 想像では、白い定期大型客船に人々が優雅に乗り、甲板のプールサイドでは水着姿の美女が のんびりと日焼けを楽しんでいる。そんな光景であった。 最初の地中海船旅は、もう3年近くも前になるだろうか。 マルセイユからアルジェリアのアンナバという、東部地方の港町まで丸24時間の旅である。 マルセイユの街をさまよい、車でフェリーの中に滑り込んだのは、出航ぎりぎりだった。 車を船に固定し客室に上がっていったとき、なにか不思議な感覚に包まれた。 それは一種のなつかしさであったが、それが何かすぐ分かった。 よく見ると扉には「押」「引」と日本語で書いてある。 また二等船室は畳が敷いてあり、窓には障子模様のスリガラス戸がある。 この船は日本のフェリーの中古を引き取って使っていた。 一等船室は個室であるが狭い。 日本の狭さを感じさせるが、これも仕方のないことである。 さて地中海の旅の始まりは、フランス料理といきたい。 レストランでメニューを見てフルコースを注文する。最初はポタージュスープである。 スープを1口啜ったあたりから船が岸壁を離れ、陸から遠ざかっていく。 それを眺めながらビールを1口飲む頃には、横揺れが始まった。 これが地中海クルージングだと錯覚し、それとともにフランス料理で優雅な気分になったが、 5分と経たずに気分は怪しくなった。揺れはいよいよ大きくなる。 「こ、これはいかん。俺は船には弱い」 バスにも弱いし、飛行機さえ、最近ようやく慣れてきたが、離着陸はいまだに気分が良くない。 スープの後の料理は全てキャンセルし、早々と部屋に引き揚げた。 それからが大変だった。 気分がいよいよ悪くなり、吐き気を我慢しながら、とにかくベッドに横になり身体を休める。 寝ている間は少し楽になるが、店内の免税店でウィスキーを土産に買っていない。 アルジェリアは禁酒国だからウィスキーの持ち込み制限があり、確か1本までが無税、 2本目からはかなりの税金を取られたと思う。 マルセイユで買っている暇がなく、船の売店で買うことにしたが、店が開く時間が限られている。 時間を知るための腕時計はナポリで闇商人と交換したが、 彼のオメガまがいの時計は2時間後には動かなくなった。 ふらつく足どりで何度もホールに行き、暗い窓の外を眺めてはまだ朝が来ないのかと いらだちながら、病人のようにまたふらふらとベッドに戻ることを繰り返した。 翌朝売店が開き、ウィスキーを5、6本買ったと思う。 1本を残して、後は5リットルのポリタンクに詰め、税関では日本の特別調味料だと言って ごまかして入国する。 それを振る舞ったとき驚いて皆は私に言った。 *:...:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:...:*:..:*:..:*:..:*:...:*:..:* ─《★編集後記★》────────────────────────── 私が持つ地中海のイメージは「地中海クラブ」との宣伝から来ています。 そのイメージを持ってフランス、アルジェリア間のフェリーに乗ると かなりのギャップに驚くことでしょう。 それと日本製フェリーの中古を使っているような日本の雰囲気が あちこちにあるフェリーの船内から受ける雰囲気のミスマッチが 地中海で待ち受けていようとは思いもしませんでした。 …………………………………………………………………………………………… 最後までお読みくださりありがとうございます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集・発行 永尾良一 ここは地の果てアルジェリアweb → http://www.yoonnet.com/algeria/ 発行部数:124 └┬まぐまぐ:90 └メルマ :34 ☆本メールに直接返信するかたちでのお問い合わせはご遠慮ください。 ★メールマガジンへのご意見、ご感想はこちらへ → rnagao@mac.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright (c) 2008 Ryoichi Nagao All rights reserved.


