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私こと普通の日本人が、スイスの企業に雇われ外人部隊となってアルジェリアの工場建設現場に行き、現地の生徒を一から教育するノンフィクション物語です。上司も同僚も外国人、生徒はもちろんアルジェリア人、日本人は私たった一人でした。

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2008/10/10

ここは地の果てアルジェリア【第77号】

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                           ┌──────────┓
                           │ 第77号 2008.10.10 │
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│  ここは地の果てアルジェリア 技術移転奮闘記      │ 永尾 良一 │
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│ ☆私こと普通の日本人が、スイスの企業に雇われ外人部隊となって
│  アルジェリアの工場建設現場に行き、現地の生徒を一から教育する
│  ノンフィクション物語です。

│ ☆上司も同僚も外国人、生徒はもちろんアルジェリア人、
│  日本人は私たった一人でした。

│ ☆ガルダイアに旅行に出かけたが、いくつかの不運に見舞われた私は、
│  休暇中に帰る手だてを失った。仕方なく1000キロものヒッチハイクをして、
│  宿舎にたどり着いたのだった。
│  
┗────────────────────────────────────────…
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│ スペイン領メリリヤの旅 │
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 あれは11月の頃だったろうか、週末と祝日を利用し、西の隣国モロッコに入り
さらに約200キロメートル海沿いにいった街にスペインの飛び地、メリリヤがある。

セプタがジブラルタルを挟んだスペイン領であるように、ここも地中海を渡ったスペイン領である。

11月でも日中はまだ暖かく、行楽には最高の時期だった。
朝、オランを発ち、国境に昼前に着く。国境に近づくと必ず警備隊員がいて、
そこを抜けるとモロッコ入国となる。

メリリヤに入るときにもモロッコ国境があり、出国の手続きをする。
スペイン側にはそうした手続きはなにもない。

町はどこにでもありそうな港町だが、ここでの唯一の楽しみは、
ハム、ソーセージなど、豚製品が入手できることである。
レストランではスペイン料理を味わえ地中海の魚介が、日本人の口に合う。
もちろん生ハムを前菜に注文し久々のスペイン料理に舌鼓を打つ。

旅行はいい。
授業はストレスが蓄積し、たまの旅行は最大の気分転換であり日常生活からの脱出である。
スペイン語圏ということもあり、別の国に来た実感がわく。

アルジェリアからモロッコに来ても、別の国に来た気がしない。
フランスに行っても帰国したようなもので、旅行の気分になれない。
そんな理由からここも2、3度訪れた。

その頃でもクリスマスセールを思わせる、大売り出しの露天商や夜店があちこちに並んでいた。
ホテルのすぐそばでも少年がマイクを持って夜中、売り出しの声を張り上げ、
スピーカはそれを増幅して部屋のそばで騒々しくがなり立てていた。
おかげで翌日寝不足となったが、それさえも異国に来た実感と非日常性への脱出という効果があった。

町中を観光し、翌々日には帰る。
出発の朝、車で町中をドライブと思ったが、鍵を車中に閉じ込んでしまった。
色々試みるが、どうしようもない。

仕方なくホテルのフロントに頼み、市内の本田ディーラーに来てもらった。
作業員は大きな鍵束と、窓から差し込みドアを開ける道具とを持ってきたので
安心してホテルに一旦戻った。

ホテルから戻ったら無惨にも運転席側の窓ガラスが粉々に割れ、ガラスが運転席に散らばっている。
50過ぎの貧相な作業員も、申し訳なさそうに私を見ている。

彼を責めても仕方ないとは思いながら、ちらと見ると、
とたんに弁解がましく『アユダ、ソラメンテ』と繰り返す。
どうやら手伝っただけだから、俺には責任無いよ、あくまで好意でやっただけと言いたいらしい。
彼と話しても仕方ない。

取りあえず彼らの工場に持ち込み、どうなるか静観することにした。
あいにく同じ型のガラスはない。透明なプラスチックを切ってはめ込むつもりらしい。
結局2時間ほどかかったが、まあまあの出来である。さて次にどうなるか、
相手の出方を見る。

「セニョール、ところで費用は6000ペセタだ」

「な、なんだと。被害者は俺だ。何で俺が払う必要がある」
すると先程の従業員がまた繰り返す。

「アユダ、ソラメンテ。アユダ、ソラメンテ」
結局首を傾げながらも、半額の3000ペセタ払ってそこを発ち、オランに戻る。

プラスチックの窓から眺める光景もそう悪くはないが、太陽の光が少しきらきらするのと、
窓が開かないのには参った。

モロッコの町ウジュダでは、再入国する前にアルジェリアにはない果物と野菜を買っていく。

1つにはバナナである。バナナは輸入禁止らしくアルジェリアで見たことがない。
普段そんなに食べるわけではないが、全くないと無性に食いたくなる。
それにアボガドである。フランスではアボカといって、前菜によく出る。

夕刻にはオランに戻った。
セプタでの事件以来、国境で問題になったことはない。

いまだに信じられず、あれは何だったんだろうと思う。


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─《★編集後記★》─────────────────────────────────
オランに一番近いヨーロッパは結局スペインの飛び地であるメリリヤでした。
スペイン領だけあって町中はスペイン語があふれ、スペインの街角をおもわせる広告や
宣伝のアナウンスがそこここから聞こえてくるのでした。

わたしもにわか仕立てのスペイン語でなんとか買い物、ホテルなどはできたことを思い出します。
モロッコの町ウジュダには実はその後何年か経って仕事でまたやってくるのですが、
そうしたことがあろうとは思ってもいませんでした。
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最後までお読みくださりありがとうございます。

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編集・発行 永尾良一
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