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私こと普通の日本人が、スイスの企業に雇われ外人部隊となってアルジェリアの工場建設現場に行き、現地の生徒を一から教育するノンフィクション物語です。上司も同僚も外国人、生徒はもちろんアルジェリア人、日本人は私たった一人でした。

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2008/04/25

ここは地の果てアルジェリア【第 57 号】

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                          ┌──────────┓ 
                       │ 第57号 2008.04.25  │ 
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│    ここは地の果てアルジェリア  技術移転奮闘記    │   永尾良一   │ 
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│ 
│ ☆私こと普通の日本人が、スイスの企業に雇われ外人部隊となって 
│  アルジェリアの工場建設現場に行き、現地の生徒を一から教育する 
│  ノンフィクション物語です。 
│ 
│ ☆上司も同僚も外国人、生徒はもちろんアルジェリア人、 
│  日本人は私たった一人でした。 
│  
│ ☆フランス流の食事の席では、世界情勢からジョークに至まで様々な 
│  話題で話が延々続く。ある時食事の話題がでた。 
│   
┗─────────────────────────────────… 
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┏─────────┓ 
│ フランスの食卓 2│ 
┗─────────┛……………………………………………………………… 
「ところでぼくは思うんだけど、世界の有名な料理というのはかなり残り物の 
 料理ではないかという気がするんだけどね」 

「フランス料理でいえばカスレという豆料理や、シュー・クルートという酢漬 
 けのキャベツに寄せ集めのソーセージ類はアルザス地方の代表的な料理だね。 
 ドファン地方のグラタン・ダフィノワなんかも、じゃがいもとチーズの残り 
 物で作ってこれがいける」 

「あれなんか、冬には暖かくて美味しいわよね」 

と誰かの奥さんが口を挟む。 


「世界にはまだまだある。炒飯なんかも残り物のご飯にクズ野菜を混ぜて炒め 
 たものだし、チャンポン、八宝菜、混ぜご飯、ポトフーにボルシチなどみん 
 なそんなたぐいに思える」 

「そうだそうだ、おまえさんの言うとおり。普段の生活でもあの色々混ざった 
 サラダが美味しかった、といっても2度と同じ物が出来ないときの悔しさは 
 ときどきあるよなー」 

「ところでこのお肉、とても柔らかいし、なんと言っても焼き方がいいね。 
 うん、とっても旨い。料理の名前をいくら覚えても、美味しい料理の一品 
 にはかなわない」 

「あらそう、口がうまいわね、じゃまた今度作るから食べに来てちょうだいね」 

かくしてまたまた美味しい料理を予約できたようなものだ。 


そうしてここ1週間ほどの出来事をあれこれ情報交換すると話題はつきる。 
誰も話をしない一瞬がたまにあり、そんなとき誰かが 
「天使が通り過ぎていく」とかいって、次の話題が出る。 

いよいよ話すことがなくなったらどうするか。皆、自分の十八番ともいえる小 
話を披露するのが毎度のことである。お喋りのモーリスの十八番は×(ばつ) 
という題で、もう2,3回聞いたが、何度聞いても面白い。彼独特の言い回し 
と間の取り方が絶妙である。 


さてその十八番が始まった。 

「ある時にな、トトという8つくらいの男の子がいてな、学校の図画の時間に 
 先生が課題を出したんだ。 

 『皆さん、今日はカタストロフという題で、絵を描いてもらいますよ。 
  身の回りで起こった事、あるいはテレビや雑誌で見たどんなことでも 
  いいですから、世界の悲惨なこと、破滅、災害など絵にして下さい。』 

 クラスのみんなはな、戦争や竜巻、列車事故の様子などを描いていた。 
 が、一人トトは画用紙一杯に×を描いたんだ。若くて美しいその先生は、 
 トトに訊いた。 

 『トト、それはどうしたの。みんな色々すごいことを描いてるけど、 
  トトのは×一つじゃないの。』 

 そこでトトは言ったもんさ 
 『でもね先生、このあいだ家ではもうひどかったんだよ。 
  この×ひとつで家中がメチャクチャになっちゃった。』 

 『どういうことなの。先生にちゃんと説明してちょうだい。』 

 『高校生のお姉さんがいるんだけどね、毎月カレンダーに×をつけて 
  いたんだ。』 

 『それで?』 

 『それが先月の前の月で×はお休みになって、先月もやはり×はなかった 
  の、そしたらそのことでお父さんが怒りだして、お姉さんを追いかけて 
  ひっぱたいたんだ。お姉さんは泣いて逃げ回るし、家中大騒動で、椅子 
  や机はひっくり返るし皿は割れて床は水浸し、お母さんはわあわあ泣く 
  し、もうあれ以上のすごいことはなかったよ。ぼくは世の中ひっくり返 
  るかと思っちゃった。』 

 その女教師は顔を真っ赤にしてうつむいてな、なにも言えなかったらしい 
よ」 

一同爆笑。 



私の十八番の小話もある。 
「あるバーのカウンターにな、たいそうな身なりをした男が拳を上げ、 
 皆に説教めいたことを言ってるんだ。 

 『人生はな、とにかくもらうよりやらなきゃいかん。やってやってとことん 
  やる、これが成功につながり、自分も幸せの道が開けるんだ。 
  もらっちゃいかん』 

 そこに来た新顔が、隣の男に尋ねたんだ。 

 『へーおどろいたね。ありゃ一体どなたさんかね。神父か銀行家とでも 
  いったところかな?』 

 訊かれた方の男は答えた。 

 『いいや、あいつは昔ボクサーだったんだ。』」 



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─《★編集後記★》────────────────────────── 
フランス小話はその3分の一がなぜその話がおもしろいのか分からない。 
残り3分の一が隣人のからかいである。 
たとえばベルギー人はあほでのろまな人々、スイス人は田舎者、イタリア、 
スペイン人は・・・と続く。 
何度聞いてもその落ちが分からないものもある。 
こうした話をしながらの会食は日本文化にはない。 
だからフランス人が2時間かけて夕食をするというのは全く当たっている。 
夜8時に始まり10時過ぎに終わるパーティーなんてない。 
たいてい12時か1時2時までが当たり前であった。 
…………………………………………………………………………………………… 
最後までお読みくださりありがとうございます。 
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編集・発行 永尾良一 
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