2008/08/30
[VT]うそまこと其之弐十参~アンザッツ二回目:フースラー~
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[VT]うそまこと其之弐十参〜アンザッツ二回目:フースラー〜
こんにちはヰ崎です。
アンザッツの二回目です。
内容はフースラーモドキ。
もう少し小出しに分けたほうがよかったかな。
ちょっと量が、、、
時間も大分空きましたよね。
もっと頑張れ、私。
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1.フースラーと著書「singen(うたうこと)」
フレデリック・フースラーがどういう人物かはここでは割愛します。
(適当なこと言って読者に恥をかかせるわけにはいかない。汗)
関心がある人には悪いですが、おそらく需要も無いので。。。
ただ、「フースラー」ということばくらいは覚えておくといいのではないですか。
多分、コールユーブンゲンの次くらいに有名です。
「うたうこと」という書籍ですが
他の教本でもそうですが、特にこの本は結構値が張るので
先ず地域の図書館で探してみることをお勧めしたりしてます。
(最近は自宅でも検索できるところが多くなって、かなり便利になりましたよね。)
買ったからといってすぐに内容を理解できるとは思いません。
ページ数以上に内容の詰まった本です
(といっても初心者向けの具体的な練習方法だとか、
スコアだとかが付いてるわけではないので。「普通の人」は読んでも全く無意味です。)
仮に店頭を探すとした場合ですが、
楽器店の書籍コーナーよりも、大きな書店(紀伊国屋みたいな全国チェーンの大型店舗)
のほうが見つかるようです。
楽器店でもヤマハやカワイのような硬派(?)なお店だと期待できます。
割と大きめの文字で案外読みやすい本ですが、
さすがに一度に全部読もうとすると苦痛ばかり勝るでしょうから、
先ずは、図入りで説明されている喉頭機構の部分と、アンザッツの部分に目を通せば
ひとまずは十分です。
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2.フースラーのアンザッツ
フースラー式のアンザッツは、7つのアンザッツポイント(:独英折衷なことばつかいだ、だが気にせぬよう)
をあげていることから
「7色の声」などとも呼ばれています。
順に1番、2番・・・と呼ぶことが多いと思います。
ホントはローマ数字で書くことが多いのでそうしたいのですが
メールでは文字化けする可能性があるようで(ホントに駄目なのかな?)
不本意ですが本書ではアラビア数字や漢数字で書いていきます。
以下にアンザッツポイントのそれぞれを説明しますが、
本書筆者の解釈が多分に含まれているので、フースラー流そのものだとは思わないでください。
フースラーのオリジナルが知りたい方は、
やはり一度「うたうこと」を読んでいただきたいのですが、
他にもwebページ等で紹介しているところがあるので探してみください。
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3. 〜7つのアンザッツポイントの技法と効用〜
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3.1 AP1―「門歯」
AP(アンザッツポイント)の1番は、「門歯」つまり前歯です。
良い効果:内筋による声門閉鎖を促す
悪い効果:喉が上がる、習慣的にも詰まる原因になる、理想的な声区融合の妨げになる
やりすぎると慢性のトレモロ(顎が揺れたり、痙攣したり、、、)を引き起こす。
当てやすい母音:イ
当てやすい声種と音域:仮声(白い声)、中音域、
注:胸声でも当てられますが避けるのが無難です。
初心者は仮声やファルセットで軽く、小さな声で行う。量も少なめ気持ち程度で良い。
当てやすい母音は「イ」や「エ」。
鼻音にしないほうが当てやすい。
(逆に、AP1番のアンザッツにならないようにするためには鼻音化を強調すること)
1番は多くの場合最も当てやすく、指導しやすいものです。
これが特に苦手な人というのは内筋があまり働いてない人です。
喋り声からして裏声のようなアタックのかからない声しか出せない人がまれにいますが
そういうケースです。
このアンザッツポイントに限っては、難なく当てられる人は殆どやる必要はありません。
多くの場合、全くやらなくてもいいのですが、
それでは心配という人は、効果や作用を十分把握した上で、
最小限の量を施すようにしましょう。
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また、このAP1は舌骨周辺部の緊張を促します。
得られる音色は細く狭く浅く、母音も崩れやすく、高音では詰まりぎみになり、
はっきりいっていいことは何もありません。
声が「前に出る」のが利点と説明する人もいるかとおもいますが、
細い声が前に出るのは当然のことで、「いい声かどうか」とは別の話です。
「ボーチェフィンタ」というテクニック
(男性が女性的な声を狙ったり、子供っぽい、やや仮声的な声を狙って出すもの)
では意識的に喉を狭くし軽く詰めた声を出すためにこのアンザッツを利用します。
それは、他のアンザッツや声種を十分訓練した人の場合には、音色の幅を広げるのに有効ということです。
発声の経験が不十分な人(これは「声種のバリエーションが無い人」と言い換えてもいいです)
の殆どが、
1番だけはしっかり当てられます。
喉頭―舌骨―顎骨 と続く筋群は、嚥下の際に強く働くので
他の喉頭懸垂筋に比べて衰えないからです。
また日本語の普段の発音は、このAP1のアンザッツから大きく離れないところで喋っています。
このため日本人の声は浅く、細く、甲高く聞こえます。
多くのアマチュアシンガーが素人臭い声から脱却できないのは、
AP1から離れられないことが主要原因になっています。
つまり、自分の声が素人臭く、凡庸だと思うならば、
AP1へのアンザッツは一度捨て去ってしまう必要があるのです。
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3.2 AP2―「胸」
2番は胸です。
トルソ(胴)の前面全てが対象範囲ですが、
基本になるのは胸骨の上端(鎖骨の付け根といったほうがわかりやすいでしょうか)です。
指で触れながら行うとわかりやすいですね。
良い点:発声の下地、土台作りの効果、音色改善
胸声区高音域の音色を良くするために絶対必要です。
中音域から高い音域では、「胸につける」ことで声に広がりが出て明るくなり
余計な癖が取れます。(方向づけとしては万人受けする音色になります)
いかにして高い音を胸に向けるかというのは一つの至上命題ですね、ボイトレの。
悪い点:低音域では声が胸っぽく暗く重くなる
ですが、やりすぎて問題になることはほとんどありません。
胸声の弱い人は重点的にやる必要があります。
当てやすい母音:ア、ウ、オ(舌を下げて口腔を空ける動きが相乗効果を生みます)
当てやすい声種と音域:胸声、低音域
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頭声区でも低音で胸に当てる練習を続ければ、
男性の地声と見まがうような唸るような声を出せるようになります。
この実の詰まった裏声(「頭声区での完全な胸声」と見做せます)は
ファルセットインペットともいわれ男声として扱える声種です。
音色が非常に安定している上に換声点を隠すのにもすごく有用で、
扱えるとものすごく巧く聞こえる声種です。
どういう声を目指せばいいのか解らないという人がインペットを目標にするのは
とても建設的なことです。
また、頭声や仮声を胸に向ければ全てインペットだと思っている人もいますが、
胸声の質感が伴わなければファルセットインペットとして別扱いする意味がありません。
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胸へ当てるとき、喉頭は下がり理想的なポジションに近づきます。
見逃されがちですが喉頭が下がることで引き上げ筋(喉頭の後ろ側を持ち挙げる筋)も
実は働きやすくなります。
一度胸へ向けたほうが高音も出しやすいのですね、本来は。
これは頭声開発だとか最高音域の訓練にも重要な意味をもっています。
(初心者はなんのことか想像もつかないでしょうがわすれないでいてほしい)
逆に一度上がってしまった喉頭を無理やり下げようとするのは
あまりいい結果を生みません。
胸へのアンザッツは舌骨周囲の脱力の手伝いになりますが、
あくまで起声の瞬間から胸へと意識しながら歌いだす場合
(声を出す前から胸を意識するのですよ。それだけで喉頭が下がるようになります。)
の話です。
もしくは「胸へつけながら高音へ移って」いかなければなりません。
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胸へつけながら高音へ移るときのポイントは呼気の量です。
高音へ移っていくと序序に閉鎖が弱くなって息に対する抵抗も少なくなりますよね。
(これは「声帯が伸びて薄くなっている」と捉えるのが合理的なイメージでしょう。)
そこで発音そのもので無理やり息を支えようとすると、閉鎖筋に力が入って喉が上がるわけです。
対処策ですが、、、
「息を引く」のも一つの手ではありますが、
胸へ向けることを考えるときは、むしろ息を増やして「喉を吹く」ような感覚が得られると
かなりの高音(男声のハイCとか)まで胸へ向けることが可能になります。
その直接的な訓練としては
断続的に息を吐き出しながら喉頭を下へ引く動作を繰り返すというやりかたがあります。
このとき腹式呼吸よりも胸式呼吸を強調したほうがうまくいきます。
喉頭を下げる機構は胸式呼吸と密接に関わっています。
この連携を促すには肋骨を閉じて(腹筋を軽く締めてあばらを正中線へ向けて寄せる)
そのまま胸郭の上の方に息を入れるように吸気すると、
自然に喉頭が下へ引き付けられます。
そこから肩や腕を落とすようにして息を吐き出すと、
呼気の上流(喉から見て胸のほうです)へ喉頭を押し付けるような
状態が得られるわけです。
勿論ご存知のように、下手な胸式呼吸はかえって舌を硬直させますから、
顎の下に触れて力みがないことを確認しながらやってみてください。
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3.3.1 AP3(a)―「鼻根」
フースラーは3番の(a)としていますのでAP3(a)と書くことにします。
マスケラの回にも触れました。
古典声楽では、流儀によってですがこのアンザッツをとても大事にします。
場所は鼻根から硬口蓋にかけて。
AP1と間違えやすいのですが
AP3(a)は鼻に息を流したほうがあてやすい
(もしかしたら「鼻音化してAP1へ当てる」ことがAP3(a)なのかもしれません)
ので慣れないうちは鼻音化を強調して行ってください。
良:声帯の閉鎖を強調、とくに頭声区の音色を磨くために重要
悪:1と間違えやすい、鼻にかかる、やや喉が上がりやすい、声帯を消耗しやすい
当てやすい母音:エ
当てやすい声種と音域:弱声、中音域から高音域の胸声
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音色の改善ですが、AP3(a)で得られる音色は鳴りが割りと強いのですが
クラシックでも使えるような、クセの強くない、さらっとした「鳴り」です。
これもあらゆるジャンルあらゆるシンガーに求められる音質です。
AP2で得られる音よりも装飾的な部分ですが高音域では「実」になる部分です。
女声でパンチのある声が欲しいならまずこれが必要です。
ミックスボイスで声に喋り声っぽさだすために
「鼻に共鳴させる」という風に言っている人を最近よくみかけます。
これはまさしく鼻根のアンザッツのことです。
鼻音化したときに閉鎖が分厚い感じになるのは呼気圧の支え方によるところが大きく
アンザッツとは別の要素でありますが、
最初は区別する必要もないでしょう。
とにかく鼻に息を送りながら唸って鼻根にびりびりくればいいのです。
鼻をつまんでビービーいっていみるのも有効です。
声帯を消耗しやすいので一度やり方がわかったら小さい音量で訓練を進めてください。
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3.3.2 AP3(b)―「歯列」
場所は歯列から硬口蓋、上顎にかけてです。フースラーは硬口蓋としていますが
筆者は歯列を強調しておきます。AP3(c)とかしてわけて考えてもいいかも。
良:AP3(a)からさらに閉鎖が進む、音色の大幅な変化
悪:やや喉が上がる、声帯が消耗する
当てやすい母音:ア、エ
当てやすい声種:弱声気味の胸声、中音域、喚声点近辺、鼻音化したほうが当てやすいが
逆に鼻音を無にして「下顎を落とす」のも適しています。
声帯を十分に鳴らすために重要なのですがそれを優先するあまり
極端に鼻にかけすぎたり喉が上がって狭い声になっている人が多いです。
(アマチュアは皆、「きちんと鳴ってない」か「鳴ってるけどクセ声」のどちらかですが、、、
そこのバランスを考えてる人ってほとんどいませんので)
このアンザッツが本格化しているときは声帯がほんとによく鳴ります。
特に胸声区ではバリバリいう感じ(?)で、ノイジーなくらいです。
クラシックではテノールの著名なソリストでよく見られ、
「トランペットボイス」と形容される声などはこのアンザッツで得られるものです。
ソリストでなければあまり認められませんし、他のパートや合唱では使われない音です。
頭声区でも非常に明るく、実があり、広がりのある音が得られます。
ポップスやロック、フォークでは非常に威力のある武器になります、飛び道具といってもいい。
でも嗜好によって受け付けないこともあるでしょうね。かなり癖も出る音です。
小奇麗な、いわゆる「美声」を得るには必ずしも必要ではありません。
ドラマティックな声、スピントな声を目指す場合はこれがベースになりますし、
売れ筋の男性シンガーには、このアンザッツを利用している人が
挙げればキリが無いほど存在します。
(かならずしも常に前面に出るわけではなく隠し味のように鳴っている人も多い)。
逆にクラシックで日本人歌手の声が暗い、白いといわれるのは
AP3(b)を使わないところが大きいのです。
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AP3(a)にもいえることですが「アンザッツポイントに当てたら鳴る」というよりは
「鳴ったら当たる」のほうが最初の感覚としては近いでしょう。
胸声区では息が流れていたほうがわかりやすいでしょう。
ですがある程度の声帯閉鎖も必要です。
実はAP3(a)もAP3(b)も
声種融合がある程度進んでいなければ本格的にアンザッツできない場所なンです。
息を引く場合はエッジサウンドを使って
声帯をごりごりすり合わせるようなことを意識的にやる必要があります。
AP3(a),AP3(b)ともに声帯の縁の働きを良くするといわれ、閉鎖を強化しますが
あくまで強化であって 0を1にする働きは期待できません。
息が抜けきってスカスカしたところからはこれらのアンザッツに至りません。
(閉鎖を失くさずに息を流すというのは声区融合の最初の段階で必要になるスタイルです。
胸声区で息を流すには一度喉を下げてAP2=胸へアンザッツするとよいです。
そして息が流れてからAP3へ移ります。
喉が上がると息を流すのは難しくなります。
やりかたとして、
「声を出しながら息を増やす」のではなく、
「息を流しながら完全に軟起声する」ことを考えるべきです。
全く解らない場合、起声だけの訓練を少し齧る必要があるかもしれませんね。
それらを踏まえて声種、音域を少しずつ変えてしていけば進捗するはず。)
AP3(b)へのアンザッツを導くためには母音アで、下顎を「落とす」動きや、
逆に上顎を上へ(即ち頭蓋を上へ)持ち上げる動作が有効です。
奥歯のあたりを上下に空けるようなニュアンスの口の開け方が重要です。
割り箸を奥歯で噛むウォーミングアップのやり方が有名ですがあれです。
唇を真横に引く動作もきっかけとしてよいでしょう。
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結構な量になったのでここで一端きります。
続きは近日中にお送り致します。
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質問や要望が御座いましたら是非お寄せください。
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ボイストレーニングの嘘真うそまこと
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
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