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主に発声訓練独習者へ向けて、具体的な練習方法や論理、訓練の考え方や進め方、一般的な常識やセオリーの真偽等を紹介します。号毎にいくつかののキーワードを挙げて、それを解説するかたちで話をすすめていく予定です。

  • 周期 不定期
  • 最新号 2008/09/18
  • 発行部数 158
  • マガジンID 0000225345
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2007/12/29

[VT]うそまこと其之十五〜高い声を出す一回目〜

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[VT]うそまこと其之十五〜高い声を出す一回目〜

やっぱりこれをやらねばならんですよな。
高音域へのチャレンジ。。
ただしまだ声区融合は扱いません。
声区(主として胸声区)の上限を押し上げるタイプのテクニックを紹介します。

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まずはっ、
高音域へのアプローチ手法を羅列してみやしょうか。
今回はほんとに並べるだけです。
コツとか留意点みたいのは次回に。。。
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1 声を「張る」………一番オーソドックでほとんどの人が実践しているはずです。
具体的にどういう所作なのかというと、
息を減らして。叫ぶ。。まーそれだけなんだよ。。。
(でもそこで、「叫べない」という人がでてくるから厄介なんですよねー。)
声帯レベルでは、
「内筋による声門閉鎖」を強く維持したまま「声帯の張力」を強くして
声帯を伸ばしています。
声帯はある程度伸びて薄くなるため音色は
起声がやや弱くなり、
サスティンが増し、
ほっそりした、声になります。
また、呼気圧(というか声門下圧か)が高くなり音量の効率が良く感じられます。
(「内筋閉鎖」と「引っ張り」は力を殺しあう関係にあるので、
内筋ががんばってると、込めた力の大きさの割りにあまり伸びません。
このため、「いくらでも高い音がでる」というわけにはなかなかいきません。)
更に声帯を伸ばしてより高い声を出すには内筋を緩めて閉鎖を弱くしなきゃならないが、
それは典型的な声区融合の手法です。


2 声を「張り上げる」………ただ「張る」よりもさらに頑張っちゃってるかんじですよね。
怒鳴り声や喚き声に近いものを指すこともありますね。
(ただ「張る」というときは、どちらかというと「叫ぶ」かんじです。)
無理やり大きい声を出すときとか、のどが上がってることが多いです。
声門の閉鎖が上手くいってないことが多いので息の効率はあまりよくないすね。


3 声を「回す」、「飛ばす」………「マワス」とか「トバス」というのは
「咽を迂回する」というイメージです。
似たもので「かぶせる」なんてのもあります。
合唱のテノールやソプラノやってる人に「常に回しっぱなし」の人がたくさんいるはずですが
想像つきますでしょうか。
これは「内筋での閉鎖を避けて張力を加えること」に相当します。
つまり声区融合の一端といえます。
力を込めずに「張る」。あるいはピアノ(p)のまま「張る」ことができるなら
それを「回す」と呼ぶわけです。
V系バンドのボーカル出す甘ったるい感じのは「回す」か「当てる」かしてるのがほとんどです。


4 「当てる」……… アンザッツ(ドイツ語)といって、
声をある特定の場所(高い音の場合頭頂が多い)に向けて、
そこに振動を感じる状態を維持することです。
「回す」、「飛ばす」とほぼ同義ですが、
こちらのほうが具体性があるので指導しやすいですね。


5 「押す」………声を押す、息で押す、胸で押す、、、いろいろ言い方はあるんですが
呼気を強くして少々無理やりに声帯をならしてやることです。
高い音域へいくと閉鎖が不均一になってうまく振動し辛くなるんですが
それを呼気量でカバーするというわけです。
これと「張る」との足し合わせが「張り上げる」ということになります。
訓練していない人がやってもノドが上がって詰まってしまうだけですが。
喉頭をしっかり牽引できれば、喉っぽいスピントな声が出ます。
呼気圧に押されるために閉鎖がやや緩くなります
つまり、息を多くすることで閉鎖を甘くしています。


6 息を「流す」………「押す」のとは逆に、内筋を緩めて閉鎖を甘くして息を増やします。
閉鎖がゆるいので息を多くしても呼気圧はあがりません。
(圧が上がる場合を「押す」といってます。)
換声点を目立たなくできます。これも声区融合の一端として利用されます。


7 喉を「吹く」………息を「流し」ているところからさらに息を強く流し込みます。
鳴りの悪い笛(ボトルなんかでもいい)に息を大量に吹きこんで音を出すイメージでしょうか。
「吹く」と「押す」の違いは支え方の違いです。
声帯を気流の上流側に押し付けるか否か というところです。


8 息を「引く」………呼気圧を意識的に減らします。吸気気味に歌うなどともいいます。
呼気圧が減ると内筋の緊張も減ります。したがって伸展が楽に行えます。
積極的に呼気流量-音量の効率をよくすることです。


9 ノドを挙げる………ノドを詰めるなんて言い方もしますが、、
訓練していない人で不可抗力的に上がってしまうのは“舌周りで力む”からで、
それは結局、“声帯の伸展”に対して、拮抗する内筋が過剰に働いているからです。
構音のために舌と閉鎖筋が緊張しすぎることも影響していて、
大概、母音が崩れてそれを補正しようとしてさらに力むという循環が生じています。
一方、意識的にのどを挙げて子供っぽい声などを出す技法もありますし(voce finta)、
とりあえずノドを挙げてしまって、その状態でいかに母音を捌くか
をテクニックとしている人もいます。


10 顎を挙げる………顎を“上げる”というか、顎全体あるいは顎骨を前方へ突き出す。
そうすると甲状軟骨前転の手伝いとなるので、短時間ですが高音にアプローチします。
胸声区に声をたぐり寄せる様な効果もあります。


11 背をそらす  ………胸声区で高音にアプローチするとき有効で、
高等懸垂を強く誘導する動作です。
誰でも多かれ行ってますが、きちんと効果的にやれる人はあまり見ないなあ。
喉頭懸垂系がある程度はたらいていればかなり確実なアプローチ手段となります


12 口腔を縦に開く ………声を「回し」たり、「当てる」ことと関連しますが
声帯の進展を強めるかなり直接的な方法のひとつです。
特に甲状軟骨から口蓋帆へ続く“アーチ”を機能させるという意味合いが濃いです。


13 母音を変形………高音部(換声点付近)の構音をほかの音域と微妙に変えたり、
短母音を入れることがあります。
典型的なのは”オ”を“ア”に近づけたり(逆もよくあります)、“ア”を“エ”気味にしたり、、、
脱調を防ぎアプローチし易くなります。


14 有声化、無性化 ………音域によって有声子音が出せない、逆に無声子音が出しにくい
という場合に応じて言葉の発音をわずかにアレンジしてアプローチすることがあります。


15 鼻に抜く ………鼻腔へ流れる呼気の割合を大幅に多くしながら、息を「流す」
もしくは「押す」ことに相当します。
上顎歯列などへのアンザッツを同時に行うことも多いです。
息を鼻へと強く流し込むことで声帯の鳴りを強くできるのです。
声はノイジーにかつ明るくなります。ロック系のシンガーの殆どはこれを利用しています。


16 声を胸につける、喉を下げる………これらは胸へのアンザッツの一種といえます。
胸への懸垂を強くしたほうが高音に対応しやすいと教えられる場合がありますよね。
それは半分事実なのですが初心者がやってもなかなか結実しないやりかたです。
(それと 高音向けの手法といっていいのかが微妙でしょうか)
きちりと喉頭を支えられる人なら、
胸に一度声を落とすことで、声帯を引っ張るための土台を形成できます。
つまり、前述の諸所のアプローチ手法を補強できるということです。

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次回
は、、、

とりあえずですが今回列記したものを解説する形で送りたいと思っています。
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質問や要望が御座いましたら是非お寄せください。
ldz5zz@gmail.com


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