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  • 発行周期 不定期
  • 最新号 2009/11/11
  • 部数 2,034部
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2009/11/11

もろずみ総研メールマガジン 第219号

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 もろずみ総研メールマガジン 第219号 ======================== 2009/11/11
 
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 プリウスやインサイトなどのハイブリッドカーをはじめ、いわゆる「エコカ
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 宝島社新書
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 【緊急考察】 トヨタF1撤退を考える ▽4回シリーズ 3/4
 
 ◆撤退理由は「お金の問題」だけ?◆
 
  11月4日夕刻に行なわれた、トヨタのF1撤退発表記者会見。私も一応、日
 本モータースポーツ記者会に所属しているのですが、案内はなかったのでTN
 のニュースで拝見しました。豊田章男社長(およびTMG会長の山科忠専務)
 の会見でもあり、トヨタの広報部の中でも新聞・テレビなどメガメディアを
 受け持つグループが“仕切った”のではないか、と思いますが、それはどち
 らでもいいことで…。
 
  この記者会見の内容、そこにトヨタとしてどんなメッセージを込めるか、
 それは企業としても、また経営者としても、非常に重要であったはずです。
 
 「苦しい経営環境を踏まえ、苦渋の決断」
 「今の経済状況を考えると撤退せざるをえなかった」
 「応援していただいたファンの期待に応えられなかった」
 
  つまり、経済状況が悪化し、経営が苦しい状況に立ち至ったから撤退する。
 「お金の問題」だった、というだけの話になってしまっています。そうであ
 れば、なぜここが撤退のタイミングなのか。
 
  1年前、世界バブル崩壊から一気に経営環境が悪化した、その瞬間に撤退
 を決めたのがホンダでした。
 
  この時の会見で、当時の福井社長は今回のトヨタとほぼ同じ内容のステー
 トメントを語りました。しかしその後、後任の伊東社長も「F1は今、企業
 (自動車メーカー)が様々な挑戦ができる場ではなくなっている」という意
 味の発言をしています。
 
  ホンダ撤退の時に、私がこのメールマガジンで書いたように、今日のF1は
 自動車技術の進化のメインストリームから逸れてしまっています。特殊な技
 術集団が作った特殊なクルマで、きわめて高価なエンターティメント・ビジ
 ネスを展開している。
 
  ところが、その特殊化とコスト膨張が急速に進んでいる只中、タバコ広告
 が段階的に、しかも急速に規制されて、最大の資金源が失われました。他の
 業種にとってはあまりに高価で、しかも広告効果はなかなか見えてこない。
 次の資金源をどうするか…というところで、それ以前はエンジンを主に、周
 辺技術を提供することで「ドライバーとチームのための選手権」に関わって
 きた、自動車メーカーの関与を深める方向にチームも、そしてF1ソサエティ
 も動いた。
 
  つまり、この巨額ビジネスを支えるスポンサー、資金源として自動車メー
 カーを引き込んだ形になりました。しかし、そうなると自動車メーカーにと
 っては“本業”であるだけに、負けるわけにはゆきません。技術競争、それ
 も目に見える所以上に、ディテールへ入り込む競争が激化し、そのために投
 じる資金は底無しになってゆきました。その競争を押さえ込むべく、FIAは
 エンジンの基本諸元に制約を増やし、さらに開発を凍結するなど、規制を強
 めましたが、その結果は「見ても分からない所」に工数とコストを注ぎ込み、
 微細な差の積み重ねで結果を競う状況に入り込んで行っただけでした。
 
  その行き着く先は「参加し続けるだけでは意味がない」。いつかは次々に
 撤退…。それが世界バブル崩壊によって、どのメーカーにとっても同じタイ
 ミングで、誰の目にも見える形で現れた。それだけのことなのです。
 
  つまりもっと違うルールで競っていたら、自動車メーカーにとっても意味
 のある戦いになるはずなのです。それを見る人々に、技術や組織を磨くこと
 に対する敬意(リスペクト)が生まれれば、勝ち続けることだけが唯一の目
 標にならずにすむわけですし。ただ、今日のF1ソサエティにそういう発想は
 ありません。
 
  こうした背景を、そして自動車メーカーにとってのF1の意味と価値を冷徹
 に、しかも深く考えてゆけば、撤退の決断も明確にできますし、他にやるべ
 きこと(モータースポーツ)も見えてくるのです。
 
  それを踏まえた発表、記者会見であれば、今回のトヨタのような「残念…」
 「ドライバーたちを何とかしてやりたい…」という、エモーショナルなもの
 にはならないはずです。そしてもちろん「金銭的に苦しいから止めます」と
 いうだけの安直なメッセージにも。
 
  もちろんそれを言うなら、トヨタの場合は撤退の判断が遅すぎた。だから
 同じ「経営環境の悪化」という理由も「苦しさ」と受け止められてしまう。
 なぜこのタイミングまで引っ張ってしまったのか。トヨタで経営に関わる上
 層部はいかにも人数が多く、しかもF1の複雑な状況に対する理解が浅い人が
 そのほとんどを占めていて、判断が遅れたのではないかと思います。
 
  逆に「毎年何百億円も使って、勝てないし、企業イメージも上がらないか
 ら止めてしまえ」という人々も少なくはなかったでしょう。それもただ、何
 百億円の支出を減らせる、という見方だけで。今回のF1撤退にしても、その
 前の、もっと小さな事象てしたが「富士スピードウェイ、F1開催中止」にし
 ても、当事者がまだ努力を続けている間に、一般紙に観測記事が掲載されて
 います。ということは、経営陣の中で「止める」雰囲気が濃くなったところ
 でリークし、それが全社的な流れになってゆくという、政治的な(と言って
 は語弊がありますが)動きがあったこともうかがえます。露骨なだけに、あ
 まり気持ちのいいものではありません。
 (つづく)
 
 
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 ★☆ 次号予告 ☆★
 
 【緊急考察】 トヨタF1撤退を考える ▽4回シリーズ 最終回
 
 ◆そもそもトヨタはF1に打って出るべきだったのか?◆
 
 「もともと、トヨタはF1に自らチームを組織して打って出るべきではなかっ
 た。私はずっとそう考えていました。」
 
 つづきは次号(配信予定 11月13日 金曜日)
 
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 編集長:もろずみ総合研究所所長 両角岳彦
 編集・発行:もろずみ総合研究所 編集部
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