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  • 発行周期 不定期
  • 最新号 2009/11/15
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2009/11/07

もろずみ総研メールマガジン 第217号

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 もろずみ総研メールマガジン 第217号 ======================== 2009/11/07
 
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 JB press(Japan Business press)
 コラム『技術立国・日本論』始まりました。
 http://jbpress.ismedia.jp/category/automobile
 
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 【緊急考察】 トヨタF1撤退を考える ▽4回シリーズ 1/4
 
 ◆8月下旬には「状況証拠」が揃っていたトヨタのF1撤退◆
 
  トヨタF1撤退。
 
  それはこの夏過ぎにはすでに「既定事項」でした。様々な情報や周辺状況
 を組み合わせれば、言い替えれば「状況証拠」を読み解けば、8月下旬の時
 点で、トヨタが今年いっぱいでF1を止める可能性は「90~95%」と“読む”
 ことができました。今となっては“結果論”ですが、少なくとも私の周辺に
 いる人々には、その観測を(個人的に)お話ししていたのです。
 
  その「状況証拠」の主なところとしては…。
 
  8月下旬のヨーロッパGP(ニュルブルクリンク)の時に、トヨタのF1実戦
 活動部門であるTMG(Toyota Motorsport GmbH.在・ケルン)の社長であるジ
 ョン・ハウエットが「まだ来年の活動予算について、本社の承認が下りてい
 ない」と発言した、と報道されました。
 
  通常、モータースポーツ活動を1-12月の区切りで進めてゆくためには、年
 間活動予算は前年の半ばに組み立て、とくにトヨタのような大企業の場合は
 7~8月に承認、というパターンになります。そうでないと、来期のマシンや
 エンジンの開発、とくに「足の長い」、つまり準備に時間がかかる部品の発
 注などができません。ドライバーとの契約も「ストーブリーグ」ではなく
 「プールサイドリーグ」と俗称されるように、夏頃から交渉や駆け引きが始
 まります。
 
  そういう中で8月に来期の活動予算が承認されていない、というだけです
 でに異常事態です。
 
  それもバジェット・キャップ(活動費用の上限を決める)制度、つまりマ
 シンの開発・製作と実戦活動に投ずる費用については、2011年には1億1000
 万ユーロ(それでも今の為替レートでさえ、およそ150億円という巨費です
 が)に止め、それを守っているか専門の会計士による監査を行なう、とFIA
 (世界自動車連盟)が迫り、トップチームの方が「いくらなんでもそこまで
 突然削られては活動が続けられない」と抗議する…という状況の中で、です。
 
  それが強行されなかったにしても、F1活動の中で「湯水のように」使って
 いた毎年数百億円を、2010~2011年で半減させるのはF1全体の合意事項で、
 その予算組みも大変だろうけれども、この経済状況の中ではトヨタとしても
 受け入れやすい内容になる、はず。
 
  にも関わらず、もう来期の活動準備を本格的に進めなければならない時点
 で、その予算が“承認”されていない。ハウエットは「毎年、予算が確定す
 るのは11月で、ただ今年の経営状況を考えると、例年よりも難しいとはいえ
 る」と公式会見で語っているのですが、11月、つまり今シーズン終了直後に
 決めるというのでは、来期の活動予算云々ではなく、むしろ「撤退の発表を
 いつ、どのようにするか」でしかなくなってしまう。
 
  と、ここまでの観測が「予算が承認されていない」という一言から浮かび
 上がってくるのです。
 
  そしてもうひとつ、ほぼ同時期にウィリアムズがトヨタ以外のエンジンを
 使うことを検討している、というニュースも伝えられました。2007年に供給
 を始め、今年始めにはその契約延長もした。ニュースとしては「ウィリアム
 ズ側から『他のエンジンの使用を検討したいので契約を解放してほしい』と
 言っている」というニュアンスでしたが…。
 
  ウィリアムズは、数少ない“F1のプロフェッショナル”です。他のビジネ
 スを展開することもせずに、F1グランプリの中でしたたかに生き抜いてきた
 し、これからもそうしようというチーム。F1社会の中では浮き沈みが当たり
 前。今は自分たちが最強の地位に立つ手駒がそろわなくても、またいつかは
 その巡り合わせが来る。それまでは無理に動かない。それがわかって生きて
 いる人々です。
 
  おそらく、トヨタからのエンジン供給条件も彼らにとっては「リーズナブ
 ル」だったはず。パフォーマンス的にはメルセデスが最強だとしても、それ
 に明らかに劣るわけではなく、マクラーレンほどには潤沢な資金と工数を注
 ぎ込めない彼らでも、ロスベルグが一発の速さを見せるマシンを仕立てるこ
 とはできる。その状況から無理に「他により良いものは」と動くチームでは
 ない。
 
  それがあえて他のエンジン供給先を求めて動く。ということは「来年はト
 ヨタがエンジンを供給してくれない」か「その可能性が限りなく低くなっ
 た」と判断したから…以外には考えられないのです。
 
  トヨタは「我々は供給を続けるつもりだが、先方の判断を尊重する」と、
 これはF1では当たり前の政治的発言。
 
  ここまでが8月いっぱいに伝わってきたことだったわけです。
 
  並行して、トゥルーリとグロック、二人のドライバーについても、来期の
 話はまだ具体的にはしていない、とか、グロックはチームを離れる、とか。
 あるいはハウエットが、BMWの撤退とアロンソのフェラーリ移籍?(まだ噂
 の段階)によってルノー移籍が確実視されていたクビサに関して、突然「ト
 ヨタも獲得を希望している」と発言してみたり、さらに日本グランプリの時
 にアロンソの移籍が発表されて玉突き状態のライコネンとの交渉を匂わせる
 (ライコネンは彼らしくあっさり否定)など、来期の活動に向けて色々動く、
 という情報が飛び交いました。
 
  あるいはTMGが、ZF-Sachs(ダンパーとクラッチを供給)とテクニカル・
 パートナー契約を締結(10月1日発表)。
 
  このあたりは、親会社がかなり後ろ向きなのに対して、来期はもっとポテ
 ンシャルが上がるし、高いレベルを維持するのに必要な経費も切り詰められ
 る、という欧州子会社からのプゼンテーションだった。そういう可能性もう
 かがえます。しかし欧州であれば、モータースポーツ・アクティビティを継
 続するのに、そうした論理も有効ですが、日本の企業組織の中で「暗黙のう
 ちに」固まってしまったことは覆らない。それは、彼らには理解できないと
 ころでしょう。
 (つづく)
 
 
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 ★☆ 次号予告 ☆★
 
 アイドリング・ストップの話が途中のままですが、最新の注目話題、「トヨ
 タF1撤退」を、もろずみ総研流の視点から取り上げてみました(所長)
 
 【緊急考察】 トヨタF1撤退を考える ▽4回シリーズ 2/4
 
 ◆タイミングを逸した撤退決断◆
 
 「F1撤退の決断。それはいつか遠からず下すべきもの、下るはずのものだっ
 たわけで、しかしトヨタとしては遅すぎる、と言わざるをえません。」
 
 つづきは次号(配信予定 11月9日 月曜日)
 
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 ので、しばらくお待ちください。
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 編集長:もろずみ総合研究所所長 両角岳彦
 編集・発行:もろずみ総合研究所 編集部
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