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  • 最新号 2008/10/06
  • 発行部数 1744
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2008/07/22

もろずみ総研メールマガジン 第156号

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 もろずみ総研メールマガジン 第156号 ======================== 2008/07/22
 
 【時事報道考】 日本のガソリンの値段の急上昇は“異様”じゃないのか?
  ▽3回シリーズに変更 2/3
 
 ◆「安売りスーパーに交通費使って買い物に行く」がごとく◆
 
  ガソリン(だけではなく、燃料油全般ですが)の値段が急騰しています。
 しかし経済紙レベルの情報をちゃんと組み合わせ、少し掘り下げて考えるだ
 けで、この価格の上がり方、とくに元売の製品価格の引き上げ方は「原油価
 格が急騰しているから、しようがない…」と諦めて我慢するレベルを越えて
 いるのではないでしょうか。行政も政治も、この諦めムードに乗じて値上げ
 を容認していますが、それでよいのでしょうか。これが前回のお話。
 
  この「原油価格の急騰→燃料油価格への転化→やむをえない…」というス
 トーリーを繰り返している日本のメディアですが、その一方で「庶民の自衛
 策」としてニュース種にしている内容もまた、いかがなものかと…(笑)。
 
  まず値上がりの前夜、スタンド前にクルマが列をなす。それをあおるよう
 な報道。もしそこでアイドリングしていれば、エンジン排気量1Lあたり・
 毎分10cc程度のガソリンを消費します。エアコン(冷房)が作動していれば
 さらに2割増しぐらい。排気量2Lのクルマで30分並んでアイドリングして
 いたとすれば、1.2〜1.5Lは消えます。ということはレギュラーで170円/Lが
 180円/Lに上がるとして、まず250円ほど無駄にしてしまうわけで、25L入れ
 てその無駄の帳尻は合うとしても、ほんとにそれで「節約」なのでしょうか?
 
 暫定税制復活直前以来、ここ3カ月それぞれの月末にスタンドに列を作った
 クルマの中で、数Lしか入れなかった人も少なくはないようです。タンク残
 量が半分を切っているようであれば、値上がり前に満タンにしておく、とい
 うのはたしかに1回給油分の防衛策にはなりますが。
 
  あるいは「何円か安いとか、ポイントがつく、というスタンドを見つけて、
 ウチから10分ぐらい走って入れに行きます」。10分走る、ということは市街
 地で片道4〜5km、郊外では7〜8km、往復ですからその倍は走る。ということ
 は、それなりの実用燃費が出るクルマ+運転でも、最小でも1L、平均的に
 は2Lぐらいはガソリンを消費する。これだけで昨今のスタンド価格なら30
 0円ぐらい。その「元を取る」には、5円/L安かったとして、その1回の給
 油で60L以上入れないと…。
 
  こうやって考えてみただけでも「安売りしているスーパーにバスに乗って
 買い物に行く」パターンが浮かび上がってきます。ごく簡単な計算もせずに、
 「節約する庶民」を伝えるメディアも同罪で、これはかつてのトイレットペ
 ーパー騒動に近いのでは…。
 
  私も、身近なところでできるだけ安く、しかもガソリンの“品質”にも信
 頼がおける給油所を見つけ、自分のその日の行動パターンを考えつつ、でき
 るだけ経路の無駄がない状況で立ち寄る、ぐらいのことはしています。
 
  あるいはまた、「燃費が良いクルマに買い替えないと」。これもトイレッ
 トペーパー騒動的。私のところにも、そんな相談が何件か寄せられました。
 でも、買い替えのために投入する資金と、燃料費の節減が釣り合うためには、
 どれほどの距離を走らなくてはならないか。
 
  それ以前に、クルマの環境影響、いわゆる「エコなクルマ」を構成する要
 素は、石油の消費とCO2排出だけではありません。多くの素材とエネルギー
 を使って作り、走り、さらに解体してリサイクルする。その全てのプロセス
 が「エコロジー」と深く関わっています。燃費削減だけのためにクルマを買
 い替えるのは、けして「エコ」ではありません。
 
  ところがその「短絡的思考」をそのままTV-CMで繰り返す自動車メーカー
 が出てきた。困ったものです。自動車を社会に送り出す企業の責任として、
 こういう時こそ「LCA(ライフサイクル・アセスメント)」を含めた環境と
 の関わりをちゃんと説明すべきなのに。
 
  ユーザーとしては、それぞれに思いを持って購入し、いま生活を共にして
 いる1台のクルマとしっかり付き合うべきでしょう。そして次の買い替えの
 時には、まず自分自身のそれから先の生活に「ちょうど良い移動空間」をよ
 く考え、その上で「実用燃費」はもちろん、ライフサイクル(クルマの生涯)
 全体での環境影響も選択の基準に加える。それが今日の「賢い」クルマ選び。
 (つづく)
 
 
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 ★☆ 次号予告 ☆★
 
 【時事報道考】 日本のガソリンの値段の急上昇は“異様”じゃないのか?
  ▽3回シリーズ 最終回
 
 ◆「燃費」の俗説にはじつは間違いが多い◆
 
 『ちなみに「燃費が良い(みたい)だから…」という日本人の俗説は、現実
 の燃費、そして機械としての効率、つまりある燃料の持つ熱エネルギーのう
 ちのどれだけを走るためのエネルギーに変換できるか、という面から見ると、
 「じつは間違い」というものが何とも多い。』
 
 つづきは次号(配信予定 7月24日 木曜日)
 
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 編集・発行:もろずみ総合研究所 編集部
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