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2008/07/17

もろずみ総研メールマガジン 第155号

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 もろずみ総研メールマガジン 第155号 ======================== 2008/07/17
 
 【時事報道考】 日本のガソリンの値段の急上昇は“異様”じゃないのか?
  ▽2回シリーズ 1/2
 
 ◆原油価格とGSスタンドでのガソリン価格の相関関係◆
 
  今年はじめのこのメルマガで「自動車社会はCO2削減に動くのか?」「日
 本に“実用燃費”の認識は生まれるか?」というお話をしましたが…。ここ
 半年の間、暫定税制の廃止と復活、そして毎月10円/Lずつ、というガソリン
 価格の高騰がニュースの主役のひとつに躍り出てしまいました。
 
  けれども、その「ガソリン価格また引き上げ!」「高いガソリンが庶民の
 財布を直撃!」といったニュースの内容、そしてそこて取り上げられる“庶
 民の対抗策”なるもののほとんどは、ピント外れもはなはだしい。ま、いつ
 ものことではあるのですが(苦笑)。
 
 「ほんとに燃費が良いクルマとは」「燃料消費を減らし、CO2排出を削減す
 るクルマの使い方、ドライビングは」など、長く見過ごされてきた重要なテ
 ーマに目を向け、切り込む良いチャンスなのに。
 
  そもそもニューヨークの先物取引で、WTI(ウェスト・テキサス・インタ
 ーミディエイト)という、じつはほとんど流通しない油種の取引価格が、従
 来の金融商品から“逃げ出した”投機筋の思惑買いでつり上げられてゆく。
 それが本当に「原油価格の高騰」なのか? そもそも「WTIのNYMEX|(ニュ
 ーヨークマーカンタイル取引所)における先物取引額」であって、これを安
 易に「原油価格」と表記するメディアに疑問を呈しておきます。
 
  それ以前に、  日本に輸入されてくる原油は、いわゆる「ターム買い」で、
 何年も前から契約を結んで量を確保してきたもののはずで、その契約が市場
 価格の上昇に対する調整を含むものだとしても、日本に今、輸入されている
 原油の価格が、1バレル(158.9873L)140ドル、為替レートにもよるけれど、
 1リットルで90円強に急騰しているわけがない。
 
  一方、ガソリンに課せられている揮発油税は、暫定税率が戻ったことで1
 リットルあたり53.8円。スタンドで私たちが実際に支払う金額は、石油元売
 会社が設定した価格に、この揮発油税が出庫時に上乗せされ、さらにスタン
 ドの利益を加えて、その全体に消費税5%が加算されています。
 
  ここから逆算すると…。
 
  去年、レギュラーガソリンが125円/Lだった時、元売からの出庫(製品)
 価格は60円強/L、原油の輸入時価格は50〜55円/Lぐらいだったと推測されま
 す。それが今は180円/Lへ。元売の出庫価格は単純計算では115円ぐらいか。
 暫定税率騒動の前後からの3〜4カ月の間に倍以上に引き上げたことが見えて
 きます。さらに8月にはまた10円/Lの値上げを予定している、とか。
 
  ちなみに、百歩譲ってWTIの取引価格が「原油価格の指標」だとしても、
 1年前は1バレル75ドルになったので大騒ぎ、年末から年始にかけて1バレ
 ル100ドルをはさんで乱高下、4月以降に投機筋の乱暴な動きで130ドルを越
 えるところまで上昇…という流れです。今、日本のスタンドに供給されてい
 る石油製品の原材料が、1年前の倍以上の価格になったのでしょうか?
 
  この「異常」とも言える「価格転嫁」に何も反応しない、策を講じようと
 しない行政(直接の担当は経済産業省)の動きも、よくわかりません。「こ
 れまで我慢してきたのだから、これからもっと原油価格は上がるのだから、
 今、稼いでおきなさい」と、石油業界を保護する立場を取っているかのよう
 にさえ思えます。
 
  ガソリンに限らず、農水産から物流にまで直接影響する軽油やA重油の価
 格高騰も放置されています。ガソリンに対する揮発油税・暫定税制の維持よ
 りも、はるかに大きな社会問題であるにもかかわらず、国政の場からもまっ
 たく声が聞こえてきません。それも新聞やTVを通じて、ですが。
 
 「原油価格がこんなに上がっているのだから、石油製品価格が上がるのはし
 ようがない」という“雰囲気”に流してすむ話ではないと思うのですが。
 (つづく)
 
 
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 ★☆ 次号予告 ☆★
 
 【時事報道考】 日本のガソリンの値段の急上昇は“異様”じゃないのか?
  ▽2回シリーズ 最終回
 
 ◆「安売りスーパーに交通費使って買い物に行く」がごとく◆
 
 『ガソリン価格の高騰を伝える一方で「庶民の自衛策」としてニュース種に
 している内容もまた、いかがなものかと…(笑)』
 
 つづきは次号(配信予定 7月21日 月曜日)
 
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