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2008/06/04

もろずみ総研メールマガジン 第147号

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 もろずみ総研メールマガジン 第147号 ======================== 2008/06/04
 
 【新車・試乗分析】 ボルボS40 ▽5回シリーズ 1/5
 
 ◆マイナーチェンジとモデルチェンジ、熟成と転成と◆
 
  しばらくF1の話が続きましたが、まだまだ“書き残した”ことは色々あ
 ります。(笑)
 
  自動車競争において、“スポーツ”としての重要な要素であるにも関わら
 ず、ほとんど語られない(見て、理解して、語ることができる観察者が皆無
 に近い…)ドライビングに関しての話もそうで…。
 
  たとえば「ハミルトンは、コースの上では(言い替えれば自動車競争のド
 ライバーとしては)“性格が悪そう”」とか、「アロンソはステアリングを
 切り込むのが速い、と言われるけれど、その前にちゃんと“タイヤに準備を
 させる”微舵を入れている」とか、逆に「マッサのほうが操舵は粗く、タイ
 ヤとクルマを“感じて”操るデリカシーが足りない(トップドライバーとし
 ては)」とか…。
 
  ま、そのあたりはまた追々。
 
  で、今回からは我々にとって身近なクルマの味見の話をしてゆきましょう。
 
 「なるほど、良くなったな」と感じさせてくれたのは、ボルボS40。
 
  この「なるほど」の伏線はC30でした。搭乗初見から「素直にまっすぐ走
 る」というクルマの基本がちゃんとできていることが伝わってきた。最近で
 は珍しい存在。ほんとはそれでは困るのですが。
 
  舵の中立〜動かし始めの応答がタイヤの存在感をきちんと伝えてくる。そ
 して1輪が路面のアンジュレーションを踏んでもそこの脚が突っ張らずスッ
 と動き、タイヤが素直に転がってゆく。こういう躾けができているクルマは、
 曲がっても四つ足がきれいに動いて自然な感覚で操れる。
 
  限界が高いとか、そこで強引なドライビングをしてもついてくるとかいう
 以前に、何気ない動きからタイヤのグリップ限界に踏み込むところまで幅広
 いプロセスが大切。人間の筋肉が動く感覚とシンクロするような素直な脚の
 動き、車体全体の動き、そして向きを変えてゆく、あるいはその動きを収め
 る4つのタイヤのグリップ・バランス…そういう挙動のディテールの中に
 「動質」の良し悪しが潜んでいます。それを感じ取り、読み取るのが、エキ
 スパートのお仕事。
 
  このC30との対話の中で私が考えたのは、S40/V50も同じプラットホーム、
 走りのためのエンジニアリングは共通。ということは…。
 
  そのS40/V50、内外装の充実感、とくにセンターコンソールの“臓物”を
 別に収めて操作系だけにし、曲面パネルを「宙に浮かせた」形にしたデザイ
 ンなどはなかなか魅力的なのですが、2004年の登場当初の動質は「平凡」と
 いう印象が残っていました。C30の動質は、それとはだいぶ違う…。
 
  そう考えが巡って、S40の日本におけるベーシックグレード、2.4アクティ
 ブを借り出してみたわけです。ちなみに欧州では直4のガソリン・エンジン、
 1.6L/1.8Lや直4/直5のディーゼルもある(当然)のですが。
 
  その結果は、ほぼ予想どおり。やや突っ張り気味だった脚は、路面の凹凸
 を踏む“刺激”が入ったところからスッと動き、当たりの角が丸い。もっと
 深く脚が伸縮して車体が上下に動こうとすると、ちょうどいいあたりで揺れ
 が収まる。ちょっとした段差を飛び下りる時に人間の脚が柔らかく膝を曲げ
 てショックを逃がし、筋肉に軽くテンションがかかりながら伸びて体勢を整
 える。そういう伸縮のリズムにちょっと似ている動き。
 
  ステアリングも、電動ポンプを使って必要な時だけ油圧を作る「電動油圧
 方式」のアシスト。これもじつは「使い方次第」なのですが、中立から切り
 込みに移り、その先で手を止めて一定のラインを描く…という動作の中で、
 手に返ってくる力の変化が自然です。
 
 「何気なくまっすぐ走る」という面では、ボディがやや大きく後部が重く、
 脚も柔らかめにしてある分、C30よりも少し揺らぎは多め。でもライントレ
 ースに神経を使わされる癖はありません。
 
  じつはボルボの良さは、こうした動きの「おっとり感」、タイヤが柔らか
 く路面を踏んでゆくようなしつけにある、という話に進むところですが、ち
 ょうどこれから彼らの主力製品、V70の新型を味見するところなので、この
 話はその後でまた。
 
  S40のベースモデルは、適度におっとりと、でも舵を切り込んでスッと向
 きを変えて…というところの身のこなしも素直で、つまりこうした万能型乗
 用車としてはバランスの良いフットワークに仕立て直されていたのでした。
 (つづく)
 
 
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 ★☆ 次号予告 ☆★
 
 【新車・試乗分析】 ボルボS40 ▽5回シリーズ 2/5
 
 ◆「熟成」を続けて資質を高めてゆく好例◆
 
 『市場投入から数年、最初は「悪くはないけど…」と生硬さを感じさせたク
 ルマが、いわゆる「熟成」を続けて資質を高めてゆく。その好例かも、と私
 に思わせたボルボS40。』
 
 つづきは次号(配信予定 6月6日 金曜日)
 
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 編集・発行:もろずみ総合研究所 編集部
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