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  • 周期 不定期
  • 最新号 2008/12/03
  • 発行部数 1761
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2008/05/16

もろずみ総研メールマガジン 第143号

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 もろずみ総研メールマガジン 第143号 ======================== 2008/05/16
 
 『Tech-mobi 全天候4WDスポーツカー論』 出来ました!
 
 話題の新車情報をメカニズムや挙動で解説するメカニズムメンターテイメン
 ト誌です!
 話題の新車にはどういう仕組みが組み込まれているか、それはどういうパー
 ツの組み合わせで成立しているか、を豊富な図解と数多くの実地テストで解
 き明かしています。
 メカを知れば自動車はもっと愉しくなる!
 
 contents:
 ・ランサーEvo.X(トルクベクタリングの実地検証を含む)、GT-R、インプレッ
 サSTi徹底図解
 ・DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)最新動向
 ・スバル・ボクサー・ディーゼル詳説
 
 発売:4月15日
 商品コード:1860514200
 ISBN:4056051429
 サイズ:A4変型 128頁
 定価:1,680円
 
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 【モータースポーツ緊急レポート】
  今日のF1世界・考 ▽4回シリーズ 3/4
 
 ◆巨額の資金は本当に必要なのか?◆
 
  スーパーアグリF1チームの蹉跌。それは今日のフォーミュラ1がどれほ
 どに多くの資金を「飲み込む」ものになっているかを、改めて実感させる事
 態でもありました。それはまさに「湯水のごとく」なのです。
 
  しかし逆に、なぜそれほどまでの高コスト体質になっているのか。そうし
 なければ速いクルマができないから。戦いのシステムを組めないから。勝つ
 可能性に手が届かないから。本当にそうなのでしょうか?
 
  F1に関わる規則や約束事に様々な変化を作ろうと動いているFIA(世界
 自動車連盟)のトップ、その直属ワーキンググループからは、2010年頃から
 「バジェッツ(予算)キャップ制」を導入する、という提案も出ています。
 つまりマシンの開発や製造、各国への転戦などを含めた活動予算に「1チー
 ム/1年間でいくら」という上限を設ける。
 
  その指針か1億ユーロ。つまり現在の為替レートで160億円。しかもドラ
 イバーの契約料などは含まず、純粋にチームの運営経費だけで。
 
  基本的に、16〜18回のグランプリに2台のマシンを送り込むことが、グラ
 ンプリチームの役割ですから、単純計算では1レース・1台あたり5億円ち
 かいお金が費やされる。それか「予算削減のための上限抑制」なのですから、
 今はそれをはるかに上回る巨費が消えているわけです。
 
  なぜここまでの資金が必要なのかといえば、やはりまず、毎年、マシンを
 一から開発し、製造し、しかもレースごとに、サーキットごとに専用の外装
 やメカニズムを用意し、刻々とアップデートして行かなくてはならないから。
 そのための施設・設備への投資と稼働費用、それを動かす人(いまや200〜
 数百人規模です)のコスト…。それを積み上げてゆくとどうしてもそのくら
 いの額にならざるをえない、というのがF1界の論理。
 
  でも、そこまでしないとちゃんと走るF1マシンはできないのか。勝てる
 かどうか、よりもかなり手前のレベルの話です。それ以前に「F1グランプ
 リ」というモータースポーツの年間シリーズは成立しないのでしょうか。
 
  その答えはおそらく「そんなことはない」はずです。
 
  F1の「超高コスト体質」が加速したのは、ここ10年でしょう。
 
  ひとつの部品を作るのにも、知恵を絞るよりもまず最先端の素材を最先端
 の工作機械で加工する。C(カーボン)FRPの成形技術を細密化・高品質化す
 るのは当然として、金属部品の造りのほうがむしろ異様な状況に入り込んで
 います。
 
  車輪を保持し、サスペンションアーム(これもCFRP成形品の両端取付部は
 チタン合金のブロック、というのが定石です)と結合するアップライト(ハ
 ブキャリアともいう)を例にとれば、量産車では鉄の鍛造品が常識。競技車
 両ではかつてなら軽合金鋳造→機械加工。それベースの特殊合金薄板を精密
 溶接で組み上げる構造になって、ずいぶん手がかかるけれども機能と重量の
 両面ではたしかにメリットあり、と理解できました。
 
  それが昨今のF1では、チタン合金の素材(ブロック)から“放電ワイア
 加工”で複雑な形状をそっくり一体で“切り出す”。素材からしてとんでも
 なく高価で、加工機も高価で製造時間もかかります。しかし機械を休ませる
 ことなく、精密加工が必要な部品を次々に作り続ける、という使い方をすれ
 ば機械そのもののコストは回収できなくはない。たとえば銃砲などの少量連
 続生産ではそうしています。しかしF1の場合は、そうやって収支をコント
 ロールすることはないし、それ以前に様々な精密加工機を動かし続けるほど
 の量を作るわけでもないはずです。
 
  それでもなお、この種の最新超高級加工機を自チーム工場に備える、それ
 も何機も並べるのがトップチームのスタイル。それはたしかに「最良の技術」
 につながりはしますが、結局は多少の軽量化以外にあまり意味はなく、でも
 そこにとんでもないコストを投じる。それが今のF1のスタイルになってし
 まっているのです。
 
  ある部品が「もうちょっと良くなるかもしれない」、そのために何億円か
 する加工設備が要る、となればすぐに購入。金に糸目などつけていたらF1
 は戦えない。そういう強迫観念がF1を支配しているように見えます。市販
 車の世界ではコスト・マネージメントで世界の頂点に手が届いたトヨタでさ
 え、F1では現地で雇用した“F1の専門家”が「要る」といえば大枚を投
 じるのを厭わない、とも聞きました。
 
  何億円かをスポンサーフィーとして投じ、しかしその程度ではマシンのど
 こか狭いスペースを使えるだけで、しかもそれをPRするやり方などには契約
 で様々な制約がつく。そういうF1チームにとっての“パートナー”は、こ
 うした“先端技術”の氾濫を見せつけられて、F1の凄さを信奉するように
 なる。そういうショーアップ効果もじつはかなり大きいはずです。
 
  結局のところ今日のF1は「自動車競争の頂点」を離れて、庶民に夢を描
 かせるエンターティメント・ビジネスへと膨張を続けています。もはや「ヒ
 トとクルマによるスポーツ」があったとしてもそれはきわめて希薄なもの、
 「エフワン」というイリュージョンの表面を見るだけの大多数の人々には伝
 わらないもの…になってしまっている。そういう状況なのです。
 (つづく)
 
 
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 ★☆ 次号予告 ☆★
 
 【モータースポーツ緊急レポート】
  今日のF1世界・考 ▽4回シリーズ 最終回
 
 『ディテールをちょっと書きたくなって…(笑)。もう1回、「F1の明日は
 どこへ?」に話を進めようと思います(所長)』ということで、話しはさら
 に深く……。
 
 つづきは次号(配信予定 5月19〜24日 月〜土曜日)
 
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 すので、しばらくお待ちください。
 
 
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 編集・発行:もろずみ総合研究所 編集部
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