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  • 発行部数 1744
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2008/05/03

もろずみ総研メールマガジン 第139号

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 もろずみ総研メールマガジン 第139号 ======================== 2008/05/03
 
 『Tech-mobi 全天候4WDスポーツカー論』 出来ました!
 
 話題の新車情報をメカニズムや挙動で解説するメカニズムメンターテイメン
 ト誌です!
 話題の新車にはどういう仕組みが組み込まれているか、それはどういうパー
 ツの組み合わせで成立しているか、を豊富な図解と数多くの実地テストで解
 き明かしています。
 メカを知れば自動車はもっと愉しくなる!
 
 contents:
 ・ランサーEvo.X(トルクベクタリングの実地検証を含む)、GT-R、インプレッ
 サSTi徹底図解
 ・DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)最新動向
 ・スバル・ボクサー・ディーゼル詳説
 
 発売:4月15日
 商品コード:1860514200
 ISBN:4056051429
 サイズ:A4変型 128頁
 定価:1,680円
 
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 【新車・試乗分析】 タントvsパレット ▽4回シリーズに変更 3/4
 
◆「左右非対称」のクルマをまとめ上げる難しさ◆
 
  ノートブックPCを買い換えました。OSは、私にとって初めてのWindows Vi
 sta。いつもの使い勝手にまで仕立てるのにずいぶん手間と時間を食いまし
 た。デスクトップの表示から始まってGUI(グラフィカル・ユーザー・イン
 ターフェイス)をずいぶん凝ったデザインに変えましたが、そうした“進化”
 の本来の目的は「専門的な知識を持っていなくても“直感的”に操作できる」
 ことであるはず…。
 
  その昔、簡単なプログラムを組んでコマンドを1行ずつパンチカードに打
 って失敗を繰り返し、MS-DOSではコマンドをキーボードで“手打ち”して…
 という経験は私にもあります。あの時代からGUIへ。アップルのスティーブ
 ・ジョブスも、マイクロソフトのビル・ゲイツも、XEROXのパロアルト研究
 所で試作品を見てインスパイアされ(といえば聞こえはいいけれど)、まず
 Macが、そしてWindowsが始まった。これが伝説。
 
  結局のところ「パーソナルコンピューターって、いまだ今日的な“工業製
 品”にまでは進化していないのですね」と、自動車業界の旧知の技術者(複
 数)が言う。その状況はXP→Vistaでも変わらないまま(むしろ後退?)と
 いうのが私の実感です。セットアップ中に複数回のダンプ(クラッシュ〜再
 起動)も起こり…。たしかにこれはWindows Me以来の“駄作”かも。でもそ
 れを使いこなしてみよう、といじりまわしてしまうのも私流(笑)。
 
  これに対してクルマは「現代を代表する工業製品」。それだけに法規や各
 種基準への適合に始まって、乗って使う人々とのインターフェイス、さらに
 は日常領域から踏み出すような状況でどうなるか等々まで、幅広く詳密に目
 を配って作るのが当たり前、になっている。でも現実には、普通の人々の集
 合体による開発。神ならぬ身ですから「完全」はありえない。「最善」を目
 指すとしても、相当な知力と工数が必要なのです。
 
  例えばこのところのテーマ、先代タントが先鞭をつけた「ミニバンふう大
 空間・軽」にしても、カタログで見て、展示車両に触れる範囲では「広くて
 余裕があって、気持ちよさそう…」ということになるでしょう。だから軽乗
 用車の新しいジャンルとして浸透したのです。しかし…
 
  軽の枠の中でこれだけ背が高くて四角くて、すなわち重心が高くてトップ
 ヘビーになる「箱」の動質をまとめ上げるのは難しい。何より全長×全幅が
 決められていて、4つのタイヤはその中にしか配置できない、つまりホイー
 ルベースも、それ以上に背高車体にとっては重要なトレッドも、走りの資質
 の側から決めることはできない。この制約の中で、自然な動きで走り、しか
 も「あっ!」という瞬間にも挙動が安定していて運転操作に応答するクルマ
 を仕上げられるか…。この命題に、開発者たちは直面するのです。
 
  そのための基本は人間と同じように“下半身”。先代タントがそれまでの
 軽の常識を超えた大きく背の高い「箱」を形作りながらも、不安感を覚えな
 いおっとりした動きにまとめあげることができたのも、ダイハツが、世代交
 代の度に手を入れ、進化させてきたダイハツ軽の下半身があったから。先代
 ミラ/ムーヴで導入したたプラットホームを元に後輪をぎりぎりまで後ろに
 もってゆき、ホイールベースを延ばしたものがタント用。ソニカもこれを元
 に作って、06年登場のムーヴ/ミラで下半身も再び次の世代へ。今回のタン
 トもその上に構築しているわけです。
 
  この種の「背高ミニバンふう空間」の難しさは、大きくてトップヘビーに
 なることだけではありません。背高空間へのアクセスや使い勝手を考えると、
 ドアの開口部は大きくしたい。初代タントは通常の前ヒンジ・スイングドア
 で、でもほぼ90度まで開く機構を組み込みました。が、それは他の車種にも
 展開。さらに「ミニバン」らしい資質、商品性を持たせよう、となると誰も
 が考えるのが「スライドドア」です。期せずして、というか、当然のように、
 同じ商品企画、市場検討から動き出した今回のタントとパレットは、後席乗
 降部にスライドドア、それも電動方式を採用してきました。
 
  ところがこれがまたまた難しい。まず開口部が大きくなり、大きな箱を細
 い柱で組み立てる構成になります。ということはもともと車体骨格の剛性を
 確保するのが難しい。さらにスライドドアはレールで“吊り下げる”機構な
 のです。スイングドアなら閉じた状態では前のヒンジ(回転軸)とキャッチ
 (噛合部)で車体に固定されて、ドアも骨格の一部に加わることが可能です
 が、スライドドアは“吊り戸”状態。剛性への寄与は期待できません。
 
  ここでタントは、商品としての魅力をさらに加えようと側面開口部を「ピ
 ラーレス」にすることに決めたのです。前席側スイングドアと後席側スライ
 ドドアを全開にすると、車体側面がぱっくり開口した状態になる。乗降や荷
 物の積み下ろしにはいかにも便利“そう”に見えるデザイン。
 
  しかし「箱」の中央を支える柱、いわゆるBピラーがない。ドアを閉めて
 走り出した時に必要な剛性をどうやって確保するか。例えばRX-8は“観音開
 き”のピラーレス形態ですが、後ろ側ドアを閉めると上下で車体骨格に噛合
 し、そこにパイプ骨格を通してピラーに近い骨として機能する設計にしてあ
 ります。しかし前・スイング+後ろ・スライドのドア構成でそこまでやるの
 はかなり難しい。タントの場合、前側ドア後部にパイプを縦に通しています
 が、これは側面衝突対策としての意味が大きい。
 
  そして新型タントは、車体両側側面ともにピラーレスの全面開口とするの
 はさすがに無理、とピラーレス+スライドドアは助手席/左側面だけにして、
 運転席/右側面は前後スイングドアにしました。つまり右側は中央ピラーあ
 り。ということは、どう作ってみても車体左右の剛性が違う。つまり前後の
 タイヤを結び力を受け止める骨格の強さ、硬さが左右で違うクルマにならざ
 るをえない。同時に重量もスライドドア側が重くなります。ドアとその支持
 構造も重いし、電動スライドだとそのためのモーターや巻取り装置が10kg前
 後(軽でも)、そして骨格そのものの補強もありますから。
 
  こういう「左右非対称」のクルマを“ふつうに”走る資質にまとめあげる
 のは至難の技。例えばトヨタ・ポルテなどは直進していても、微妙に“カニ
 走り”する感覚で、それ以上に片側のタイヤが路面の凹凸を踏んだ時の揺れ、
 その中から起こる進路のズレが左右同じようには現れず、ロールや旋回のリ
 ズムも違う…というクルマになってしまっています。ラウムも多少は癖が少
 ないとはいえ、やはり普通にまっすぐ走ることも仕上げられず…。
 
  2世代目のタントとの初対面、そして対話の中でまず伝わってきたのは
 「これは、ダイハツの実験部隊も苦労したな…」ということでした。
 (つづく)
 
 
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 ★☆ 次号予告 ☆★
 
 またまたまた…配信間隔が開いてしまいました。ごめんなさい! なんとか
 週2〜3回は配信したいところなんですが…。頑張ります!
 さて「軽ミニバン」編ですが、この後もう1回「軽乗用車が直面する難しさ」
 をお届けすることになりました。お楽しみに!
 
 つづきは次号(配信予定 5月5日〜5月10日 月〜土曜日)
 
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 すので、しばらくお待ちください。
 
 
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