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ジャズは本当に楽しい物です。ジャズ喫茶を経営していた私Sonnyさんが真実のジャズの楽しさをお送りします。ジャズのお勉強、歴史、理論、楽理、もろもろの薀蓄不要。ついでに団塊の爺さんも不要。あなたのジャズの固定概念を取り払います。

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2008/01/12

【おとうふジャズ】昨今の日本でのジャズ市場

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■ジャズを楽しむ、おとうふジャズノススメ

■昨今の日本でのジャズ市場
        
                            発行日:2008.01.12
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こんにちは、Sonnyです。

年もあらたまり年頭に当たり
少しばかり最近の日本でのジャズ市場について振り返っておこうと思います。

このメルマガをお読みの皆さんやブログをお読みいただいている皆さんには
もう何度も言っていることばかりで恐縮です。



もう今更といった感さえあるのですが
ジャズジャーナリズムやレコード店を見回しても
実際に今日生み出されている活きのいいジャズと言うものが
紹介される機会はますます減ってきているようです。

大規模量販店のレコード屋さんでも
ジャズの売り場はドンドン縮小され片隅に追いやられています。

量販店ですらこの有様ですから
街のレコード屋さんではジャズのコーナーが無いことなど
当たり前といった状況です。


レコード店で目に付くアルバムといえば
ブルーノート プレスティッジ リヴァーサイド コンテンポラリーといった
50年代から60年代初頭にかけてのいわゆる名盤がほとんどです。

その他にはレコード制作会社からの広告が見込める
日本人ミュージシャンの新譜といったところでしょうか。


これは何もレコード店の店頭だけではなく
ジャズ専門誌やジャズの入門書などでも似たりよったりといったところです。




ちょっとこれらのアルバムリストをごらん下さい。


Steve Khun         "Pastorale"            Sunnyside
Sonny Fortune      "You And The Night And The Music" 18th & Vine
McCoy Tyner        "McCoy Tyner Quartet"   Half Note
Dave Brubeck       "Indian Summer"         Telarc
Houston Person     "Thinking Of You"       Highnote
Art Ensemble Of Chicago/Don Pullen "Fundamental Destiny"  Katalyst
Lalo Schifrin      "Lalo Schifrin and Friends" Aleph Records
Bobby Hutcherson   "For Sentimental Reasons" Kind Of Blue


これらのアルバムをご覧になって見覚えや聞き覚えがありますでしょうか。
いずれも去年に発売された知名度のあるミュージシャンのアルバムです。

足しげくジャズ専門店に足を運ばれたり
インターネット上で新譜チェックを欠かさない方には言わずもがなといった
アルバムたちでしょう。


ですが新譜情報を通常の雑誌やレコード店の店頭で確認されている方には
初めて見るアルバムを多いのではないでしょうか。

実はこれらのアルバムには共通点があり
日本盤としての発売がされていません。

日本盤としての発売が無い限り
ジャズ誌での紹介もほとんど無く
有っても小さな紹介が掲載されるに過ぎません。


もちろん新譜ですから
歴史の上で検証され淘汰されてきた名盤たちとは異なり
これら全ての作品が佳作であるとは限りません。

ただ知名度のあるミュージシャンの作品ですら紹介されない事実を
まずは知っていただきたいのです。

そしてなかには将来においても充分評価されうる佳作も少なくありません。

残念なことに現況ではこういった新譜たちはなかなか一般の人たちの耳に
届くことが難しいというのが事実です。



どうしてこれらの新譜がジャズ雑誌で紹介されないのでしょうか。

答えはとても簡単です。
   お金にならないからそして大変だから


名盤として確立しているアルバムは
すでに知名度がありますので
それほどの努力をしなくとも
ある程度のセールスが見込めます。

ブルーノートのアルバムがその最たる物だと思います。

その上それらの名盤たちはすでに制作されたものですから
版権の費用さえ支払えば
制作費を回収する必要はありません。

つまり、売れれば売れるだけリスク無く儲かるわけです。


他方、新譜というものは制作にお金がかかりますし
アルバムの知名度もありませんので
制作及び販売に当たってはかなりのリスクを負うことになります。


また雑誌に紹介するにしても
先ほど述べたとおり歴史によって淘汰検証された名盤と違い
新譜の価値を正確に判断し紹介推薦することは
かなりのジャズに対する鑑賞力が必要になります。

常に新しいことを目指そうとするジャズにおいて
このことはなかなかに大変な力量が必要です。

どれが石やら玉やら判別するのは簡単なことではありません。


その他にも放っておいても売込みがある日本制作盤と異なり
海外で制作されたアルバムを感知するためには
それなりのアンテナを広げる努力が必要です。


こういった実に安易な理由から
名盤と呼ばれる古い作品達が市場を賑わし
新譜が無視されるということになっています。




Wallace Roney     "Jazz"            Highnote
Deep Blue Organ Trio  "Folk Music"       Origin Records
Mulgrew Miller     "Live At The Kennedy Center"  Maxjazz
Andy Bey             "Ain't Necessarily So"  1 2th Street Records
Jacky Terrasson    "Mirror"           Blue Note

実力のある堅実な中堅ミュージシャンであっても
日本盤にならなければなかなか世間の目に付かないのは同様です。
たとえ、ブルーノートと言うブランドを持ってしても。


Matthew Shipp         "Piano Vortex"       Thirsty Ear
Helen Sung            "Sungbird"           Sunnyside
Jeremy Pelt           "Shock Value: Live At Smoke" MAXJAZZ
Sean Jones            "Kaleidoscope"       Mack Avenue
William Parker/Raining on the Moon "Corn Meal Dance" AUMFidelity
Muhal Richard Abrams  "Vision Towards Essence" Pi Recordings
 
これらの有望な新人達や
フリー系ミュージシャンとラベリングされている人たちの
アルバムにいたっては永遠に紹介される機会が無いのではとも
思えてしまいます。





なかなか紹介されることが少ないジャズの新譜ですが
そのことと全く相反するように
年々ジャズの新しいアルバムが発行される枚数は増え続けています。

毎日毎日インディペンデントによる作品も含めれば
日に10枚以上のCDが発売されているのではないでしょうか。

ジャズのアルバムがこれほど数多く出版されるようになったのは
CDというアルバム発行形態が大きく原因となっているようです。


音楽作品の出版形態のほとんどがレコードであった時代には
なんと言ってもその制作にはかなりの費用が必要でした。

レコードジャケットの製作や
レコードそのもののプレスには高額なお金が入用だったわけです。

最低制作枚数にして百枚二百枚と言った数では制作できず
1000枚程の単位で制作される必要がありました。

その上小ロットでの制作はさらに一枚当たりの製作コストがかさみました。

いきおいレコード吹込みを行えるミュージシャンというのは
それなりに制限されることになっていました。


かたやCDの制作というのは非常に安価に製造できます。

制作単位もCD-Rという形でよいのならば一枚からでも可能です。

ジャケットの制作も不要で
カラープリンターでの折込みライナーの製造でもOKです。

実際インディーズの作品ではこういった簡易な製造によるCDが
販売されています。


この簡便さがある程度の実力が無ければアルバムを制作が出来なかった
レコードとは異なり
大量に制作される新譜の作品の水準を落とすことにもつながっています。

しかしながら、昔ならば録音を残すことも出来ずに
世間に認知されずに消えて行ったミュージシャンも多くいたわけで
有能なミュージシャンがその作品を世間に問う場が出来たともいえます。


その昔にはジャズといえばほとんどがアメリカ本国の物を指していたわけです。
せいぜいがフランスやイギリスなどのヨーロッパ諸国のミュージシャンについて
知りえるのがやっとでした。

現在ではたとえば東欧諸国のミュージシャンについてのアルバム情報の入手も
それほど難しいことではなくなっています。

昔は世界のジャズについて知ることには望むと望まぬとに関わらず
自然にフィルタリングがかかり制限されていました。
一個人で大まかなジャズの世界を捉えることは可能であったといえます。



70年前後ではおおよそ月に30枚ほどの新譜を押えていれば
ほとんどのジャズは見渡すことが出来ました。

日に10枚などという膨大なアルバムが産み出されるとなれば
一人の個人がそれらのすべてをカヴァーすることなど
到底出来る物ではありません


とは言え昔ならば到底知り得ることのかなわなかったミュージシャンに
出会えるという楽しみも大きいものです。

10数年前から続いているヨーロッパ各地のミュージシャンのブームというのは
まさにこのようなおかげであると思います。




前述したとおりジャズジャーナリズムがそれらの新譜の良否をふるいわけ
世間に紹介する役目を果たしてないとなれば
これからの新しいミュージシャンが陽の目を浴びるのはかなり難しいともいえます。



これからジャズを聴き始めようとする人たちにとっては
ジャズの歴史が録音で残されるようになった時点からの作品を数えても
30年代の終わりから70数年に渡り作成された過去の遺産ともいえる作品郡が
大きく横たわっています。

大まかに名盤と呼ばれるアルバムだけでも
数千枚の作品が有ると思います。

こういった状況では
過去の作品を追うのに手一杯で新譜を聴くことなどはなから諦めて
ジャズを過去の物として取り扱うといった人達も多くいるようです。



ジャズの新譜にとっては現代はなかなか厳しい状況だといわざるをえません。




なんだか暗くなる話ばかりで申し訳ありません。



明るい話も無いではなくインターネット上でホームページを開いたり
ブログやメルマガを使ってジャズ愛好家達に多くの情報を伝達するといった
昔ではまず考えられなかった手段が広まっています。

ほとんどお役には立てていませんが
このメルマガや私のブログもそのうちの一つです。

実際に私も全く知らなかったミュージシャンについての情報を
ミュージシャン自身のホームページや
全くの個人のブログなどから得ることも良くあります。

英語によるサイトが多いことや
雑誌のような検閲が無いことからその信憑性が低いことなど
多くの問題は有りますが
これらのネット上での個人が発信する情報には得るものが多く有ります。



多くのジャズ喫茶が懐メロ喫茶に堕してしまいましたが
その替わりをになう物として
インターネットラジオが多数存在し
無料で名盤やら新譜などのジャズを一日中楽しむことが出来ます。

このメルマガでも再三にわたりネットラジオの効用を書いていますが
現在のところ錯綜する今日のジャズを一番明解に提示してくれているのは
ネットラジオであると思います。

私も暇を見つけてはネットラジオを聴いて
新しいジャズを楽しんでいます。

インターネット時代の賜物といえるでしょうが
ネットラジオで聴いて気に入ったアルバムは
すぐに検索して世界中のストアから購入することが出来ます。

こういった利便さは少し前ならのぞむらくもありませんでした。
(今回ブログでとりあげた作品もそうやって見つけました)
  http://nonsy.blog15.fc2.com/blog-entry-180.html
 
 
  

現在産み出されているジャズを聴かなければ
ジャズを聴くという行為は常に後追いになります。

そうなると常に過去の音楽を聴くことになり
新鮮さを聴くというジャズの一番おいしい部分を聴くことが
全く出来なくなってしまいます。

過去の名盤によってジャズの楽しみを得ることは
とても有用なことではあります。

それに加えて新譜を聴いて楽しむことができるならば
それら過去の名盤たちも更に面白く感じることが出来ます。

ちょうど現代作家の作品を楽しみながら
古典文学にも親しむことと似ているように思います。




今年もあなたが様々なジャズに触れ
新たな楽しみを見つけ出すことを願っています。

ささやかながらそのお手伝いが出来ればとても嬉しく思います。


本年もどうぞよろしくお付き合いください。









このメルマガに返信すると私Sonnyへ届きます
お気軽にご意見ご感想ご質問など
メールしてくださいませ。

少し時間がかかるかもしれませんが
必ずご返事いたします。
 



次回のメルマガもお楽しみに

 

              Sonny Chiin











年末年始にちょっとしたイベントが重なり
メルマガを発行するのが遅れてしまいました。

なかなか思うように文章が書けずに苦労しています。

どうぞ長い目で見てやってくださいm(__)m。



例年お正月を京都で過ごすことが多かったのですが
今年は大阪でお正月を過ごしました。

といっても実質二日と三日だけですが。

去年は狂言を観て初笑いを楽しんだのですが
今年は春團冶師匠の落語で初笑いをしました。

演目は「高尾」
ネタの数が極端に少ない春團冶。
続に十八番(おはこ)なんていいますが十ほどしかないのでは。
「高尾」の舞台も十回ぐらいは見ているような気がします。

毎回同じ演目でも
違った感動や面白さを感じるのが生のいいところ。
演者も日々変化しますし私自身も変化していることですし。



さてさて、
今年こそはと毎年言っていますが
  エリントンを聴く


あなたが新たなジャズの魅力を見い出されますように。













音楽好きな方のご来店をこころより
楽しみにお待ちしています。



実店舗に関しては下記をご参照ください。
http://blog.livedoor.jp/otofujazz/archives/52551080.html





  

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■発行責任者 Sonny Chiin
                    http://nonsy.blog15.fc2.com/

■ご意見ご感想  質問などはお気軽にどうぞ。
    このメルマガに返信すると私Sonnyへ届きます。

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