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2007/11/12

第19回 『建築基準法改正が招く混乱』

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                                             【VOL.29】

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第19回 『建築基準法改正が招く混乱』


こんにちは。
いつもご愛読ありがとうございます。

駅前のイルミネーションも灯り始め、吹き始めた冷たい風も年末のかおりを含ん
でいます。

皆様もこれから、新聞に目を通す時間も儘ならないほど慌しくなられるのではな
いでしょうか。

新聞といえば、先日、耐火偽造の記事が掲載されておりましたが、
ご覧になられた方もいらっしゃったことでしょう。

住まいに関するものだけでなく、食品に関する偽造事件も多く報道されているこ
の頃。

各業界で相次ぐ偽装事件に『またか』と溜息を漏らしてしまわれたのではないで
しょうか。

昨今の偽造発覚事件の皮切り的事件として、耐震構造設計の偽装があります。

まだご記憶に新しいかとは思いますが、文字通り、建物だけでなく世間をも揺る
がしたあの事件。それを受け、建築基準法が見直されることになりました。

改正建築基準法は、今年6月20日より施行されています。


多くの国民が注目した耐震偽造事件がきっかけとなり生まれた建築基準法改正。

これが現在、どんな事態を起こしていて、今後どんな事態を招くのか、今回もユ
ーザーの立場も踏まえて検証していきたいと思います。


今回の改正ポイントは2点。

一、高さ20メー二トル超の鉄筋コンクリート造りなどを対象に二重チェック
(適合性判定)を導入。
二、計算ミスの修正や申告書の誤字脱字、窓やドアなどの仕様変更なども『修
正』ではなく『再申請』に厳格化。

というものです。


そして、現在、これらは建築確認申請手続きの複雑化と処理の遅れによる業務
の停滞を招き、関係業界を混乱させています。


原因として考えられるのは、申請業者や検査機関が不慣れだったこと、改正法
の周知が不十分だったこと、そして、肝心の改正法に準拠した構造計算ソフト
が間に合わなかったことなどが挙げられます。

そして、その原因が招く事態というのが、確認申請の許可が下りないことによ
る工事着工の遅れです。


数倍の手間と時間を要するようになった確認申請作業が生む建築着工の遅れか
ら、関係企業の業務修正が相次いでおり、今やGDPへの影響も無視できない
レベルにまでなっています。


業界関係者からは『確認申請から着工までの期間が2〜3ヶ月長くなる』、
『着工の遅れで建築機材のレンタル料や金利負担が増加した』、『完成までの
工期が一ヶ月延びれば数千万円の損害も避けられない』、
また『構造が複雑な商業ビルや複合施設にとって、工期が延びることは深刻な
影響を与える』などといった悲鳴に聞こえる声が。


ここで、多くの方が疑問や不安に思われること。

それは、『着工までの期間延長によるコストの割り増しは、販売価格にそのま
ま直結してしまうのでは?』だと思います。

ですが、答えはノーです。


ガソリンの価格が上がったからといって、宅急便の配送料金が即座に値上げさ
れないのと同じで、企業も体力の続くかぎり努力します。


以前、連載中にもお話させていただいたかと思いますが、販売価格の設定とい
うのは、原価の積み上げは勿論ですが、“ユーザーが購入できる価格”、“ユ
ーザーが購入を考えうる価格”というのも考慮するものですから。


また近年、マンション価格の上昇は急激な角度をつけて、購入者の方々を戸惑
わせ、その登りつめる先を危惧させていますが、今後は販売価格上昇のペース
は鈍化していくものと思われます。



最後に改正建築基準法の話に戻って、私個人の意見を申しますと、『この改正
法は一体、何がやりたかったのか?』の一言です。混乱する業界の実情を目に
すると、こうして首を傾げざるをえないのです。


偽装ができなくなるのに越したことはありませんが、実態に見合っていない法
案をそのまま施行してしまう…。これでは、ガソリンが一円値上がりしたから、
配送料を一円値上げする宅急便業者と同じです。


準備不足を否めない見切り発車的な施行が、企業やユーザーに与えた混乱や不
安は責めるに充分、値します。


今更、この改正法の功罪をいうつもりはありませんが、罰則強化に勝る対処法
はなかったような気がしています。



今後も、いち業界人として、いちユーザーとして、不動産業界変遷を見守って
いきたいと思います。






        
     ◇     ◇      ◇      ◇      ◇





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◎朝夕は冷え込み、湯船に浸かる時間が少し長めになってきました。

だから、というわけではありませんが、週末は、日本三古湯のひとつ、愛媛
県松山市の道後温泉に行ってまいりました。

緑法人会・青年部の全国大会で各地からメンバーが集まり、親交を深めなが
らの二泊三日でした。

楽しいメンバーと共にめぐる伊予の国、非常によかったです。


文豪・夏目漱石の名作『坊ちゃん』で知られる道後温泉。

“坊ちゃん風呂”は有名ですね。

実は、松山に行くのは二度目なのですが、前回、この“坊ちゃん風呂”には
入れなかったのです。

ですから今回こそは、あの坊ちゃん風呂に…!と思っていたのですが、また
もや見事に入りそびれ…。


坊ちゃん風呂は残念でしたが、ゆっくりと温泉に浸かり、バイタリティー溢
れるメンバーからエネルギーをもらい、楽しいひと時を過ごせました。


身も心も温まった週末。


今年の風邪は予防できそうです。



*最後まで読んでくださってありがとうございました。(松井)


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◇松井時弘プロフィール◇
昭和36年6月10日生まれ。日本大学理工学部卒。東急田園都市線「たまプ
ラーザ」を拠点に不動産コンサルティング事業を展開するため、セレブコ
ンセプトを創立し活動中。不動産業界歴23年。新築分譲マンションの企
画販売を手がけるクローバーランド代表取締役社長兼務。1級建築士。
不動産コンサルティング技能登録者。

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発行者
神奈川県横浜市青葉区美しが丘1−4−14−B1
セレブコンセプト有限会社
代表取締役 松井時弘
TEL:045−905−5550
FAX:045−905−5551
URL:http://www.fudousan-consul.com/
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