2007/11/01
阿字観
阿字観 去る10月16日、神奈川県にある千手院の住職、川上修詮僧正を講師に招き、 阿字観指導員についての講習が、中山寺でありました。 川上先生は、高野山東京別院で、 最初に阿字観実修をはじめた方で、長年にわたり、指導されてきた方です。 川上先生の指導は、ほんの僅かな参加者からはじまった実修が、 100人を超える参加者にふくれあがるほどの、人気ぶりだったそうです。 金剛寺でも、今まで月輪観の指導を行ってきましたが、 この度の研修は、自分の指導方法が正しいのかどうかを知るよい機会となりました。 阿字観について、少し説明しておきましょう。 梵字(サンスクリット語)の古い書体でかかれた(阿)という文字を本尊に、観法を行うので、「阿字観」と言います。 本尊の掛け軸には、阿字の下に蓮華を書き、阿字と蓮華を包み込むように丸い月(月輪)が描かれています。 その阿字と、蓮華と、月輪の三つを結びつけて、瞑想の対象としていきます。 満月のように清らかで明るい心、美しい蓮華のような慈悲と知恵を思いうかべます。 サンスクリット語の「阿」の文字は、教主である大日如来であり、宇宙そのものです。 様々な仏さまが、いらっしゃいますが、全ては、大日如来が姿を変えたお姿であり、 宇宙そのもですから、微塵の中にも大日如来が存在していると考えられています。 「阿字観」は、「私=大日如来=宇宙」となる、心地よい瞑想法なのです。 禅宗の座禅と同じか?という質問をよく受けますが、答えはNOです。 インド地方で生まれた仏教ですが、インドでは仏教に限らず瞑想が盛んな地域です。 瞑想法は、大きく分けて2種類あります。 一つ目は、心を落ち着かせ静める、沈静化する瞑想です。 二つ目は、心の対象をありのままに映し出して、それを観察する瞑想です。 一つ目は、禅宗で行う座禅にあたり、二つ目が、「阿字観」にあたります。 さて、話しを元の講習会にもどしますが、自分の指導方法は、概ね間違いではないものの、 「座り方(半跏座・結跏趺坐)にこだわらず、出来ない人には、楽な姿勢をすすめる方がよい。」 など、改めるべきところも、何点か見つかりました。 阿字観は、平安時代に弘法大師によって伝えられた瞑想法で、「大日経」に由来します。 今でこそ、一般の在家の方を集めた教室が、全国の真言宗寺院で行われていますが、 もともとは、僧侶の修行法の一つとして実践されてきたものです。 そこのところから、金剛寺での阿字観実修では、 ついつい、我々僧侶と同じことを要求していたようです。 「誰でもできる!簡単瞑想法!!」ということでも、ありませんが、 出来ないことは、出来ないままに、出来るように、やってみる。 というところでしょうか。 次回、実修を開催するときには、 今までよりも、「入り込みやすい」「気持ちがいい」指導ができることと思います。 お楽しみに。


